第65話 時間稼ぎをします
私たちの目の前に立っているアメジストは、余裕綽々と言った様子で、構えています。
「そちらが来ないのなら、こちらから行きますよ…『水泡魔術 熱い泡』」
「『水魔術 水防壁』」
相手が飛ばした泡をヴァーテルが水防壁で防ぎました。
「私も…『水魔術 水流弾』」
「甘いですね…私は、常務委員最強の男ですよ…そんな攻撃が聞くとでも?」
一旦攻撃をやめたアメジストは、防御魔法を展開し、水の塊をはじきました。
「わかってるわよ…だから、あなたが防御するために攻撃の手を緩めるのをねらってたし…『水魔術 水城形成』」
「水城ですか…なるほど、私が防御に気を取られている隙に下準備をしていたということですね…。」
アメジストの指摘している通りです…
水城はかなりの水を使います…相手の攻撃が飛んでくる間に、水城を形成するのは困難だったため、水流弾を放って、相手が防御に気を取られている隙に、ヴァーテルの水防壁の水を利用して水城を形成ました。
「まぁそんなものは関係ないのですが…『水泡魔術 冷えた泡』『水泡魔術 熱い泡』」
連続唱和ですか…これはかなり厄介な相手のようです…伊達に常務委員最強と言っているわけではないのでしょう…
なんとか水城で防ぎましたが、これではらちがあきません。
「いつまでそうしているつもりですか?」
男は、こちらを見ながら薄ら笑いを浮かべています。
「竜也…こんな魔法使える?」
私は、竜也にある事を聞きました。
「もちろん! だけど、どうする気?」
「私にいい考えがあるの…できれば…。」
私は、竜也に自分の考えを話しました。
「本気でやる気?」
「こうでもしないと勝てないでしょ!」
「まぁそうだけど…。」
竜也はいつ末の不安を覚えているようですが、この状況を打破するにはこの方法しかありません。
私は、水城を解除しました。
「おや…あきらめたのですか? いや…そう言うわけではないようですね…。」
私のすぐ後ろに穴が開いていて、ヴァーテルたちは、そこから下のフロアに脱出しました。
水城と泡が当たるときの衝撃で煙が出ていたので、敵に見つかることなく移動できたのです。
「えぇ…ヴァーテルたちは、戦線離脱よ…あなたたちのボスのところに向かったわ…。」
「そうですか…せいぜいお仲間との最後の記憶と共に散って行きなさい! 『水泡魔術 死の泡』」
相手は、大きな泡をこちらに向けて飛ばしました。
私は、ギリギリのところでそれをよけます。
「よけてばかりじゃ勝てないといったと思いますが?」
「えぇ…私は、あくまで時間を稼ぐだけよ…。」
「なるほど…本当に死にに来てるんですね…あなたは…。」
アメジストの話を聞きながら、私は長い髪をまとめてポニーテールにしました。
「しかし、楽勝とはいかなそうですね…あなたには…。」
「そう? それは、光栄ね…。」
私は、立ち上がってアメジストの方を向きました。
「そろそろ決着付けましょうか?」
「おや…あなたからそのような提案を受けるとは…いいでしょう…『水泡魔術 大きな泡』」
「『水魔術 濁流小破』」
私の濁流小破と大きな泡がちょうど間でぶつかって、相殺されました。
「相殺…力関係に大きな差異はないようですね…。」
「決着をつけるつもりだったけど、そうはいかないみたいね…まぁ私の推測じゃ、その大きな泡よりもさっきの死の泡の方が強力そうだけどね…。」
「さすがですね…それじゃあ本気で行きましょうか…。」
まぁ予想通りと言えば予想通りですが、この人の本気は一体どれほどのレベルなのでしょうか?
ここが、未知数なのでどこまで持ちこたえられるかわかりません…
「さて、惜しいところですが、本格的にさよならのお時間がやってまいりましたね…『水泡魔術 毒泡連打』」
「『水魔術 水防壁』」
紫色の泡が大量にこちらに飛んできて、こちらに迫ってきています。
目の前に水防壁を展開しましたが、おそらく気休め程度にしかならないでしょう…
「勝負ありね…。」
私がそう言った直後に毒泡は、水防壁を突き破りました。
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