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ひだまりの国  作者: 白波
第7章 紫の壁
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第58話 事を起こした人物の狙いがわかった気がします

 ラーウスを発った私たちは、ナデシコに向けてラーウス街道を東に進んでいました。


「それで…異変が起きているのは街道沿いだけなの?」

「あぁ…それに関しては、さっきパームム商会に確認した…どうやら異変が起きているのは、ラーウス街道沿いの地域らしい…。」


 ラーウス街道沿いだけですか…そうなると、ラーウス街道のどこかに原因があるはずですが…。


「だからこそナデシコに向かっているのだが…急がないとな…。」

「そう言えば、行く途中で魔導球を集めればいいんじゃないの?」


 アウラの何気ない一言に全員の足が止まりました。


「そう言えば…。」

「むしろそうした方がいいんじゃないか?」


 意外と重要なことを見落としていた気がします…

 異変を起こしている人物が魔導球を通してやっているのであれば、魔導球を早々に回収すればいいと言う話になるようなならないような…


「どうして気が付かなかったんだ!」


 あーそう言う方法ありだったんですね…


「でも、魔導球の回収ってどうやるの?」

「方法は非常に簡単だ…魔導球はその玉自身のほかに、すぐ下の地面に掘られている術式と連動して初めて作動する…つまり、1cm…いや…1mmでも動かすことが出来たら、それで解決するはずだ…。」


 回収の方法は、意外と簡単だったようです…

 となれば、やることは一つです…

 街道周辺にあると思われる魔導球を回収しながら情報を集める…何とも手っ取り早い方法です。


「じゃあ探してみるか…アウラ…なんか特定の物を探せる魔法って使えるか?」

「使えるよー! 『探知魔術 物的探知(グッズレイダー) 対象:魔導球』」


 アウラが魔法を使って付近の捜索を始めました…

 この方法を使えば、魔導球を早く見つけることができる…そう思ったのですが…


「半径100m以内に魔導球はないみたい…だから、この魔法を使っている人はもっと別の方法を使ってるんじゃないの?」


 アウラから帰ってきたのは、そんな答えでした…

 魔導球の効果範囲の限界が、半径50mだったはずなので、これほどの範囲に魔法をかけられるほどの人物がいると言う事なのでしょうか?


「でも、これほど広い範囲に魔法をかけられる人間なんていないよな?」


 竜也の言う通りかもしれません…だとすれば、何人かでとか、別の方法を用いているとかそう言う…あれ?


「そう言えば、ヴァーテル…前に旧王国領全域に何かしらの魔法がかかってるって言ってなかった?」

「あぁ…言われてみれば言った気もするが…。」

「それじゃない?」


 私の指摘に、ヴァーテルは、ハッとなった。

 仮に旧王国領を冬のままにしている人間と、今回の事を仕組んだ人間が同じならば、このようなことも可能なのだと思います…


「気になっていたんだけど、紫の遮断壁(パープルバリア)ってどんな魔法なの?」

「そう言えば、説明していなかったな…詳細は、牡丹が持っている本の方がわかりやすいかもしれないが、時空転換魔術の遮断壁には、種類があってな…人の流れを遮断する赤の遮断壁(レッドバリア)、人の心や情報を遮断する青の遮断壁(ブルーバリア)、その両方を遮断する紫の遮断壁(パープルバリア)…主にこの三つがあげられる…。」


 人の流れだけではなく、情報や人の心を遮断する壁…

 もしかしたら…


「ねぇ…それを旧国境にそって張り巡らせたらどうなる?」

「そりゃ、旧王国領はあっという間に陸の孤島だな…。」

「それが相手の狙いだとしたら?」

「どういうことだ?」


 ヴァーテルが、私の方を見ながらそう言いました。

 アウラもよく理解できていない様子です…


「外部との完全な遮断…そうなれば、中で何が行われているかわからない…その間に、帝国側の人間を排除できれば、実質的に旧王国領は独立したことにある…それが、ことを仕組んだ人間の狙いだとしたら?」

「旧王国の復活を願う人間で、これほどの魔法が使える人間に限られてくるな…。」


 旧王国の復活を願う人間…考え方はわかりますが、亮はこのような方法を望んでいるのでしょうか…








 北の空に紫の壁を見ながら私たちは東へ歩みを進めるのでした…

 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします。

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