第57話 異変の原因を探します
ラーウスのはずれの方…私たちは、ラーウス街道を歩いていました。
「原因を調べるっていうのは納得できるけど、どうして東へ向かうの?」
「まず情報が必要だからな…北部で最大の都市はナデシコだ…まぁ現在発動されている魔法は、おそらく時空転換魔術の紫の遮断壁だろな…だとすれば、時空転換魔術を使える人間は相当少ないだろうから、ナデシコでその程度の魔法が使える人物を調べる方が手っ取り早いはずだ…。」
どうやら、あの紫色の壁を出す魔法は相当難しいようです…
ですが、時空転換魔術とはどのようなものでなのでしょうか?
「時空転換魔術って具体的にどんなのがあるの?」
「時空転換魔術には、主に二系統があって別分類をする方向で検討中らしいんだが、この場合はそのうちの片方…今まで何もなかった場所に、別の次元より呼び出したものを配置する魔法…この紫の遮断壁もそうだし、あかねが氷結の島で使っていた私の道具をここへもそれに分類される…まぁもう片方は、なんというか説明が難しいから具体例を挙げると、過去に戻ってやり直すことのできる歴史の繰り返しや黄金の平行世界のような別の次元に行ける魔法があるわけだ…。」
あれ? お姉ちゃんってもしかしたらかなりの実力者なのでしょうか…
「ところで、時空転換魔術ってどのくらい難しいの?」
「時空転換魔術か…あれは、ランクSSSの神話級魔法だ…使える人間はかなり数が限られている…。」
あれ…確かランクSSSの魔法が使えるのって3人だったような…。
「それほどの魔法が使える人間で、魔導球の効果範囲内にいると言う条件に当てはまっているのは、あかねさんだよな…。」
「いや…その可能性はないだろう…仮にそうだとしたら、わざわざ疑われるようなまねはしないはずだ…現にあの島で私の道具をここへを使わなかったら、その考えには至らないからな…。」
「でも、ナデシコに行くまでに大きな山があるけど大丈夫なの?」
「確かに…確か大きな山があったような…。」
アウラの言う通り、港町からナデシコに行くまでの間に大きな山があったのをしっかりと記憶しています。
「そこは、問題ないだろうな…。」
竜也が突然口を挟みました。
「問題ないってどういうこと?」
「あぁ…それは、俺から説明する…確かに魔導球を使った場合、ほぼ平面にしか移動できないが、ラーウス街道には山の部分にトンネルが掘られている…だから、そこを使えば平面で移動させることは可能だ…つまり、山脈に阻まれることなく北部全域に魔法をかけることも可能になってくるわけだ…。」
あーあのトンネルが意外な役割を果たしているわけですか…
そうなると、ナデシコを超えて旧国境付近まで、この魔法の効果が及んでいる可能性があると言う事でしょうか?
「まぁ調べてみないことには何もわからないからな…これほどの事を実行する人物だ…そうやすやすとぼろを出すとは思えんからな…。」
ヴァーテルの言う通りかもしれません…そもそもランクSSSの魔法が使える3人と聞きましたが、もしかしたらそれ以上いて、その力を行使していないだけかもしれませんし、これほどの数の魔導球を用意するのにもかなりの時間と手間がかかるはずです…
「もしかしたら、こういう計画がかなり前からあったんじゃないの?」
「どういうこと?」
「いやさ…僕個人の意見になるんだけど、魔導球は一つ用意するのに相当な手間がかかる…だったらかなり前から準備はいる…それこそ1年2年どころじゃない時間だ…。」
なんとなく竜也の言いたいことがわかってきた気がしました。
つまり、竜也の言いたいことは…
「…街道整備の本来の目的…。」
「そう考えることもできる…これなら、こちらの世界ではめったに持ちいらないトンネルを使ったり、途中に町を作って人を集めたのもうなづける…まぁ効果範囲が街道の付近だけだったらの話だけど…。」
街道整備の本来の目的は、本当に竜也の言う通りなのでしょうか?
私が見る限り亮はそんなことをするような人間には思えませんでした…
それぞれの複雑な思いを胸に私たちは、東へと進むのでした…
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