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ひだまりの国  作者: 白波
第6章 西の都市
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第52話 ラーウス街道の始点へ行きました

 さて、教会であの手記を読んだ後、私たちは、他の壁画等を見てから教会を後にしました。


「ところで亮さんの計画ってあれで全部なのかな?」

「えっ? どういうこと?」

「いや…ちょっと気になることがあって…。」


 竜也がそう言いながら空を仰いでいます。


「気になることって?」

「うん…なんだっけ?」


 やっぱり…ヴァーテルやアウラもこの状況に慣れてきたのか特にこれといった反応は見せませんでした。


「まぁいいや…でも、あの内容だと各国と連携しないといけないのに、どうして自国内だけ先に街道を整備したのかな?」

「言われてみればそうだな…内容が内容だからな…だが、案外隣国は了承してたのかもしれないな…すべて終わる前に国がなくなったって可能性もあるからな…。」


 確かに、ヴァーテルの言う事にも一理あります。

 ただ、なぜか私は、あの手記のまま内容を理解してはいけない気がするのです…


「難しいこと考えるのはやめといたほうがいいんじゃないの?」


 何かを察したのか、竜也が私に声をかけました。


「まぁね…ただ、ちょっと引っかかっただけだから…。」

「牡丹は昔から複雑に考えすぎだと思うよ? こうかもしれない、あぁかもしれない…確かにあたるときは当たってるけど、違うときは全然違うからね…だって、修学旅行のときだって…。」

「何でそこに行きつくのよ!」


 そんな会話をしているうちに、いつしか自らの疑問のことは、忘れていました。






 さて、私たちは今、ラーウス街道の始点に来ています。


「ラーウス街道の始点かぁ…これでラーウス街道全部歩いたことになるんだよね…。」

「あぁ…俺は、2度目だがな…。」

「僕は結局スイレンからしか歩いていないから、アウラと一緒に仲良く仲間はずれだね…。」

「アウラは、昔スイレンに住んでいたって言ってたし、引っ越ししたなら歩きのはずだから、全部歩いたことになるけど?」


 あれ? すっかりアウラは、あの村から出たことないと思っていましたが、実際は、本人が村の外の事を覚えていないだけだったようです。


「まぁそれは、ともかく…あれ?」

「どうしたんだ? 牡丹…。」


 ヴァーテルが声をかけますが、私はそれに気づくことなく、街道の石碑のすぐ下を覗き込みました。


「これ、なんだろう?」


 石碑の下にあったのは、楕円形の球体でした。

 それがあるだけだったら、ただの落とし物かもしれませんが、それが浮いているのでただの玉ではないことは確かです。


「何かあったのか?」


 ヴァーテルが私同様に下を覗き込みました。


「これは…。」


 その玉を見たヴァーテルが目を見開きました。


「なんなの?」

「…おそらくこれは、魔導玉だ…なぜ、こんなところに?」

「魔導玉? 何それ?」


 竜也やアウラもヴァーテル同様に石碑の下をのぞいています。


「魔導球って言うのは、そこに向けて魔法を発動すれば、魔導球の効果範囲全てにその魔法の効果を及ぼすことができるものだ…おそらく位置からして設置したのは国王だろうな…。」

「どうしてそんなものが…。」

「わからない…だが、この大きさなら半径3mが限度だと思うが…。」


 この10㎝にも満たない球で、半径3mの範囲に魔法がかかるとは…この世界にもまだまだ謎が多いようです…


「まぁ仮に何かしかけてあったとしても、ほとんど影響はないだろうな…何せこの広場はこの石碑を中心に半径15mはある…それに、大きなイベントをやる広場でもないから、人が集まることもめったにないから実験的なものだったかもしれないな…いや、場所を考えれば実演か…魔導球を開発したものあの国王だからな…。」


 そう言ってヴァーテルは立ち上がり、それに伴って、私たちも立ち上がりました。


「亮っていろいろなものを発明していたのね…。」

「あぁ…あの国王がいなければ…この国はもっと別の道をたどっていただろうな…国王は残念がら国を守れなかったが、人々の生活はこうして守ることができている…あの空中迷宮(スカイダンジョン)も、この魔導球の技術を応用して、より安全に魔法を維持できているんだ…。」

「そうだったんだ…。」


 100年前…国は滅びてしまった…それによって亮がどうなったのかはわかりませんが、亮が開発したものはこうして、未来に受け継がれていくことでしょう…


 私たちは、広場を後にして宿へ向かいました。

 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします。

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