第50話 ラーウスの観光をします
さて、ラーウス街道を歩いて1週間…私たちは西の都市ラーウスに到着しました。
「へー石造りで大きな町って初めて見た気がした…。」
最初に行った港町やコスモス、ルーフスなどの町の建物は石造りの町でしたが、ナデシコやスイレンなど大きま町はたいてい木造の建物が並んでいたので、石造りの建物が多く立ち並ぶこの風景はかなり新鮮に感じました。
「この町は、旧王国が建国される以前から栄えていた町だからな…町の中心部には、歴史的建造物も結構あるからそっちの方に行ってみるか…。」
ヴァーテルが町の中心部に向けて歩き始めました。
「町の中心部ってどんな建物があるの?」
「そうだな…有名なところだと古くからある教会が多く残ってるし、比較的新しいもので言うとラーウス街道の起点を示す石碑と、南北街道の終点もあるぞ…そもそも町の中心部へ向かうこの道もラーウス街道だからな…。」
なるほど…このラーウスと言う町はいろいろな意味で重要な町のようです。
「そんな中でどこに行くつもりなの?」
「あぁ…俺が前訪れたときになかった観光名所ができたらしいからそっちに寄ってみようと思う…。」
「なんていうところ?」
「確か空中迷宮って言う名前だったはずだ…。」
空中迷宮ですか…空中と言うぐらいですから、空に浮かんでいるのだと思いますが、一体どんなところなのでしょうか?
「そこってどんなところなの?」
「まぁ行ってからのお楽しみだ。」
ヴァーテルは、どうやら空中迷路がどんな場所か知っているようです。
私たちは、空中迷路がある街の西側に向かうのでした。
ラーウスの西側にあたる地区の上空にその施設はありました…
入口のところで魔法で上まで飛ばしてくれたのはよかったのですが、どう見ても目の前には床がないように見えます。
「あの…これってどういうことなの?」
「はい…ここには、浮遊魔術の空中回廊と地形魔術の迷宮造りがかけてあるので、仮に踏み外したとしても自動的にここに戻ってくる仕組みになっていますので、安全性に問題はありませんよ。」
私の不安に対して、係の人は胸を張って答えました。
問題ないって言われましても、いまいち不安は残ります。
「お前らが行かないなら俺から行くぞ。」
そう言ってヴァーテルが一歩踏み出しました。
すると、ヴァーテルは何もないはずの空中を歩いていくではありませんか
「ここは…壁だな…だとすると…おっと…落ちそうだ…。」
そんなことを言いながらヴァーテルは、空中をゆっくりと進んでいきます。
どうやら目に見えないだけで、本当に迷路になっているらしいのですが、傍から見れば空中に浮かんだはいいものの、どうしていいかわからずにあたふたしている人にしか見えません。
「あれって本当に大丈夫なの?」
「えー係りの人が大丈夫って言ったら問題ないんじゃないの?」
私の疑問に対して竜也はのんきな声で答えるだけでした。
「おーい! ちゃんとゴールしたぞ!」
そんなことをしている間にヴァーテルがゴールしたようです。
「わかった! 次は僕が行く! あっ!」
そう言って竜也は勢いよく飛び出して…
踏み外してまっさかさまに転落…かと思われましたが、安全装置が働いたらしく、竜也の周りに泡が出てきて彼を包み、スタート地点まで戻ってきました。
「だから絶対安全と言ったでしょ!」
係りの人がそう言いました。
その後、なんとか竜也がゴールした後に挑戦したアウラは、迷うこともなく(彼女の事ですからこそっと地形把握でも使っていたのだと思いますが)ゴールして、私の番となりました。
「牡丹! 早く来い!」
「今いくって!」
そう言って私も空中迷宮へ足を踏み入れました。
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