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ひだまりの国  作者: 白波
第5章 王国
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第48話 別れの時がきました

 私が過去に飛んでから約2週間…

 私は、元の時代に帰るある方法を思いつき、亮のところに来ていました。


「お前が?」

「えぇ…時空魔術で未来に行けない根拠がイメージができないことだとしたら、未来に対する明確なイメージがある私の方がやれば何とかなると思うの…。」


 私がそう言うと亮は、頭をかきながら何かを考え始めた。


「牡丹ちゃんが言う事にも一理あるかもしれないな…準備をするから2日ほど待ってろ…。」


 そう言って亮は研究所の方へ行きました。






 2日ですか…何を準備するのか知りませんが、最短2日で元の時代に戻ることになります。


「もうすぐ亮たちとお別れかな…。」


 私は、空を見上げてそうつぶやきました。


「どうかしたの?」

「あっフルート…。」


 背後からフルートがやって来ました。


「何か悩み事かい?」

「いえ…少し考え事をしていただけです…。」

「そう…でも、何か悩んでるなら話なよ…その方が気が楽になるから…。」


 そう言って去って行くフルートの背中を見ながら、私は決心を固めるのでした。






 2日後…

 私は、亮と一緒にあの研究所へ向かっていました。


「にしてもよかったのか? ちゃんと別れを言わないで…。」

「手紙は置いてあるし、ヒメちゃんやフルートの顔見たら決心が揺らぎそうだから…。」

「そうか…。」


 その会話を最後に無言で歩いていく。






 亮の研究所に着くと、亮は私を奥の部屋に連れて行った。

 その部屋には、別の部屋と同じように大量のファイルやらなんやらが置いてあるのですが、その中に大きな機械が置いてありました。


「これは?」

「これは、魔法の効果を実証する機械だ…魔法を開発するうえで俺が開発したものだ…。」


 なるほど…魔法の効果を実証する機械…そんなものがあるとは…


「まぁ逆に言えば、どんな魔法でもこの機械を使った時だけは、使えるってことだ…。」

「えっと…つまり?」

「要するにこれを使えば時空魔術を使って未来に行くことができるかもしれない…。」


 つまり、この機械を使って私を一時的に時空魔術が使える状態にして未来に帰るわけですか…


「まぁ希望的観測だけどな…最悪イメージとか関係なしに未来に行けないかもしれないし…。」

「でも、試してみる価値はあるでしょ?」


 私がそう言うと、亮は少し考えてからこう言いました。


「未来はおろか、もっと過去に飛ばされる可能性もあるし、未来に行けたとしてもお前の望む時代じゃないかもしれない…それでもいいか?」


 亮がそう言ってから数十分後…もしかしたらそう思っていただけで実際は数分かもしれない…

 私は、ゆっくりと首を縦に動かした。


「はぁ…さすが、あのあかねちゃんの妹だね…それだけの度胸がどこから出てくるのか知りたいよ…。」


 亮は、そう言ってから機械を操作し始めました。


「準備は完了だ…そこに座っていれば、時空魔術を使えるはずだ…俺から言えることは、一つだけだ…お前が持つ未来の世界のイメージをしっかりと持て…そうすれば戻れるはずだ…。」

「わかった…。」


 私は、機械の端に設置された椅子に座りました。


「最後に確認するが、本当にいいんだな?」

「えぇ…自分の記憶力とあなたの技術にかけるだけよ…。」


 私がそう答えると亮は、機械のスイッチを入れた。

 徐々に視界が暗くなっていく中で私は、自分のいた時代を強くイメージしていました。






「…ここは…。」


 目を覚ました私はゆっくりと体を起こす。

 見た限りどこかの部屋…少なくともあの遺跡の部屋ではない…


「お姉ちゃん! よかった!」


 目に涙を浮かべたアウラが抱きついてきました。


「もう! 1週間も見当たらなかったから、どこか行っちゃったかと思った!」

「俺もアウラと同意見だ…まったく…遺跡から突然いなくなったって聞いて探してたのに、影も形もなかったからな…。」

「僕は信じてたよ! だって、牡丹はかなりしぶといからね!」


 どうやら無事に戻ってこれたようです…

 それにしても1週間もずれていたなんて…いや…1週間ぐらいの誤差に収まってよかったと考えた方がいいでしょう…あれ? でも、そうなると…


「もしかして。ずっと私のことを探してたの?」

「そうに決まってるでしょ! だって、牡丹が居なきゃつまらないし!」


 どうやらずいぶんと心配をかけてしまったようです…

 私は、謝りつつ、元の時代に戻ってきたと実感していました。

 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします。

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