第43話 遺跡の調査へ向かいます
さて、私が過去に飛ばされて3日目…
私と亮、ヒメリは、町から少し離れた場所にある林を歩いていました。
「まったくと言っていいほど状況が違うわね…。」
木は生い茂り、草が背丈ほどまで伸びて迫ってきている道を亮を先頭に私、ヒメリの順で歩いています。
「どこに行くの?」
「牡丹ちゃんもいつまでもここにいても仕方ないでしょ? だから、神殿に行って原因を調査するんだよ!」
あーなるほど…この道は遺跡に通じる道でしたか…状況が違いすぎていてわかりませんでした…
「ところで、この周辺に街道とかあるの?」
「街道? ないな…それさえあれば、北部ももっと発展するのにな…。」
確かヴァーテルは、ラーウス街道が全通したのが、130年前だと言っていたので、そこから考えれば、それ以上前に来てしまっていると言う事でしょうか?
「なんだ? 100年後にはこのあたりに街道があるのか?」
「えっと…それは、秘密! だって、未来を知りすぎちゃったらつまらないじゃない!」
もしかしたら、亮が生きている間、または、亮が元の世界に戻れるまでに街道が完成するかどうかは定かではありませんが、未来は知らない方が面白いと思います。
「まぁそうだな…その手の話はなしにしようか…それはそうと、牡丹ちゃんは、僕のほかに日本人に会った?」
「えっと…友達何人かと…。」
「いいな…俺なんか一人ぼっちだぜ…今や、ヒメちゃんやフルートがいてくれるけどさ…。」
そうでしたか…
そんな会話をしている中でもヒメリはわがまま姫(先ほど命名)と言うあだ名通りのわがまま全開です。
「ねぇ疲れた! 休憩!」
「ヒメちゃんに合わせてたらいつまでたってもつかないと思うんだけど?」
「じゃあおんぶ。」
仲間と言うのは、人それぞれなんだと思いますが、彼の家を出る前に会ったフルートさんもかなりの曲者でしたし、以外と亮は苦労人なのかもしれません。
「結構大変ね…。」
「何がだ?」
「何でも!」
どうやら本人は、自覚がないようです。
ですが、姫様をおんぶしているその姿は、かわいい妹を気遣う兄のように見えます。
「亮って結構いい人かも…。」
そんな姿を見ながら私はそう思いました。
ところ変わって遺跡の前…
ここばかりは、100年あとの世界と変わらない雰囲気がありました。
ヒメリは、いつの間にか亮の背中ですやすやと寝息を立てています。
「この神殿の小部屋で、ノートを開いたらここに来たんだな?」
「そうだと思う…。」
「あまり気は進まないけど行ってみるか…。」
亮が先頭をきって中に入って行きました。
あの時は、アウラを追いかけるのに必死で気づかなかったのですが、遺跡の中は複雑に入り組んでおり、迷路のようになっていました。
「牡丹ちゃんと一緒にいたアウラちゃんは相当の使い手みたいだね…地形把握を使っているとはいえ、これほど複雑な構造をしているのに迷わないんだから…。」
「私も正直驚いたというかなんというか…。」
「ねぇ暗い! 怖い!」
そんな会話をしている中、亮の背中でおんぶされていたヒメリが目を覚ましたらしく、騒ぎ始めました。
「あーもう…だから言ったろ? おとなしく留守番してろって…暗いところが嫌いなのについてくるからそうなるんだよ…。」
ヒメリとアウラは同い年のはずですが、アウラの方がよっぽどかしっかりとしているような印象すら受けます。
亮は薄暗い遺跡の中で、涙目になっているヒメリを必死になって元気づけようとしています。
「奥まで行ったらすぐに戻れるから…ちょっとの我慢だよ…。」
「…わかった…早くしてね…。」
交渉開始から約10分…ようやくヒメリを納得させることのできたので、亮が使った地形把握による情報を頼りに奥へ進んでいきます。
やがて、壁画が多くある場所にたどり着き、あの小部屋を発見した場所に近づいていきました。
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