第31話 とんでもないのと会ってしまいました
今、私とアウラとヴァーテルは、何やら面白いものがあるという情報を聞いてコスモスの中心部に向かって歩いています。
「面白いものって何かな? お菓子の家とか?」
「面白いものか…大道芸人でも来ているのかな?」
「面白いもの…面白い…魔女か?」
そんな三者三様なことを言いながら中心部の広間へ向けて歩いていきます。
広間に着くとそこにはすでに人だかりが出来ていました。
「すごい人…。」
何とか人ごみをかき分けて前の方まで来るとそこには、白衣を着た少年が立っていました。
「さぁさぁ種も仕掛けも魔法もないよぉ~なんと、この液体をこっちに入れると…。」
少年が、液体を混ぜたとたんに、いろんなアニメで科学者さんがやっているような小さな爆発が起きました。
「おー!」
途端に沸き起こった盛大な拍手を送ってくれた群衆に対して少年は頭を下げています。
いえ…それは、どうでもいいことで…
「あなたまでいるなんてね…竜也…。」
私が、アウラやヴァーテルと一緒に前に歩み出ると、少年は驚愕の表情を浮かべました。
「おっもしかして牡丹か? いやーこんなところで会うなんてな!」
そう言いながら手を振っているのは、私の同級生の上代竜也…彼の事を一言で表すなら変わった人でしょうか?
「そういや百々や蓮華にも会ったけど、まさか、牡丹にまで会うなんて…こりゃ一本取られたな。」
「蓮華もいたの?」
「もちろんともさ! こんな場所で嘘ついてどうするの? あ~でも、ここで嘘ついちゃうもの面白いよね~そうだ! こんなところで立ち話しててもあれだから、場所移そうか? そちらのお仲間さん方も一緒に…。」
竜也は、人ごみの最前列にいるアウラと少し離れたところにいたヴァーテルの方を見ました。
「やっぱり気づいてたんだ…私が一人じゃないって…。」
「そりゃ当然…それに、君の性格が大きく改善されているのも一目瞭然…おそらく見知らぬ場所に突然来て、自らを変えるチャンスと演じているうちにそう言う性格になって行ったってところかな? それはともかく蓮華に会った時から他の人がいる可能性を捨てれなくなったからね…だから、あっちこっちを旅しながら、探してるわけ!」
竜也は、胸を張って答えます。
彼の観察力は、底知れぬというかなんというか…彼の話に出てきた蓮華も一旦証拠をつかまれたら最後、自慢の話術で追いつめることは目に見えています…このことを踏まえれば百々もそうなのですが、竜也や蓮華に対しては隠し事は不可能だと思います…
「そうね…まぁ移動しましょうか…アウラ! 行くわよ!」
アウラにそう声をかけてからヴァーテルの方に向かいます。
「どうしたんだ?」
「ちょっと知り合いにあったから…ヴァーテルも一緒に来る?」
「あぁ…。」
そう言ってヴァーテルもついてきました。
先ほどの広場から少し離れた場所ある茶屋…
竜也は、のんびりと紅茶を飲んでいた。
「それで? そろそろ本題に入っていい?」
「おっと…すっかり忘れてた…ところで…」
「ところで?」
竜也は真剣な面持ちをしています。
普段は、何をするときでも笑顔で真面目さのかけらもない竜也がです。
これはなんだか期待できそう…
「僕は何の話をしようとしてたんだっけ?」
竜也に期待した私がバカでした…
その一言に、ヴァーテルとアウラは、開いた口がふさがらないといった状況です…
「そうだ! 思い出した! あ~でも、牡丹が来ちゃったから僕の仮説崩れちゃったなぁ…。」
「仮説? 何の話?」
「そう…僕の仮説…聞いてみる? どうせ違うだろうけど…。」
竜也は、不敵な笑みを浮かべています。
「聞かせてよ…竜也の仮説…。」
ここまで言われて聞かない手はありません…
「そうだね…これまでのことを踏まえた僕の仮説は…。」
「仮説は?」
「そう…仮説は…なんだっけ?」
ダメだ…私の知る限り唯一竜也の考えがわかる蓮華がいないから、どうしようもない…
蓮華さえいればどうにかなるはずなのに…何で別行動なのでしょうか?
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