第28話 神々の住む島ってどんなところでしょうか
私は、食堂でかなり遅めの朝食を食べた後、ヴァーテルに一言断ってアウラと散歩に出ました。
「お姉ちゃん! 今度はどっち行くの?」
外に出れることがうれしいのかアウラが元気よく聞きます。
「そうだな…昨日はあっちに行ったから今度はこっち行こうか?」
「うん!」
私とアウラは、昨日とは反対の方向へ歩き出しました。
町の中心部に出ると今までの町と同様に町は通りを往来する人々の活気にあふれていました。
ただ、旧国境を越えたせいか、ナデシコやスイレンと言ったあちら側の町とはまた違った雰囲気があります。
「すごいすごい!」
本当にあの村から出たことないのでしょうか?
アウラは、目を輝かせて露店で売っているものを見ています。
やっとのことで人の多い通りを抜けて町はずれの方まで来たとき
「あら? どこかで見た気がすると思ったら牡丹さんじゃないですか?」
後ろから声をかけられました。
「そうですけど…。」
そう答えながら振り向くと空が立っていました。
「空! 久しぶりね!」
「えぇ…普段は、向こうから出ないようにしてるんだけど、たまにはのもいいかもしれません…だって、あなたと再会できたのですから…。」
なるほど…普段は旧王国領内にいると言う事なのでしょうか?
「それより、そちらの子は?」
どうやら空は、アウラに興味を示したようです。
「この子は、新しい旅仲間の…」
「アウラだよ!」
私が、言い終わる前にアウラが答えました。
「そう…アウラちゃんって言うのね…ごめんね…ゆっくりとお話ししたいんだけどいろいろと立て込んでて…また、どこかで会いましょう…。」
そう言い残して空は去って行きました。
「あっという間に言っちゃったね…。」
「…うん…。」
初めて会った時には、とても長々と話をしていたからかもしれませんが、かなりあっさりと話が終わってしましました。
「…まだ、時間あるし、昨日行ったところに行く?」
「うん!」
私とアウラは、クルリと向きを変えて歩き始めます。
すると…
「そこの者!」
今度は、こわもての兵士に話しかけられました。
「なんでしょうか?」
「スティーリア姫を探しているのですが…見かけませんでしたか?」
「いえ…見ていませんが…。」
見ているも何もスティーリア姫の事を知らないのですが、ここで、その人誰? なんて聞くのも無礼かと思ったので聞きませんでした。
「こちらにいらしてないということはまだ、町の中におられると言う事か…探すぞ!」
どうやら私に話しかけてきた人は、隊長か何かだったらしく、周りにいた兵士たちを引き連れて町の方へ歩いていきました。
さて、昨日来た見晴らし台まで来ると旧王国領側から船が来ているところでした。
「ねぇ…海の向こうってどうなってか知ってる?」
「えっと…」
いきなり聞かれても…私は、海の向こうに何があるかなんて知りませんし…別の島があるよ。ぐらいでいいのでしょうか?
「お母さんはね、海の向こうには神様が住んでる島があるって言ってたの…その島にね神様が認めた特別な人しか入れないんだって…。」
そうなんですか…私がもともといた世界ならともかく、この世界ならなんだか本当にあっても不思議に思ません…
「神様の島かぁ…どんなところなんだろうね?」
「うーん…それはお母さんも知らないって言ってた…。」
さてはて海の向こうにある神々の住まいし島ってところでしょうか?
やはり、神の島なんて言うぐらいですから、白い羽の天使が空を飛んでいて、女神さまたちがゆったりとお話ししているような楽園なのでしょうか?
「行ってみたいな…。」
「無理だよ…だって認めてもらう前に神様には会えないし。」
まさか、年下の子供に諭されるとは…
中学生も半ば子供なんだから夢の一つや二つぐらい見ます!
と言ったところでアウラよりも私の方が年上なのは変わらないので、口には出しませんが…
結局、その日も夕日が沈むまで海を眺めていました。
読んでいただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




