第24話 木の実大収穫まではよかったのですが…
実りの秋!
私は、久しぶりの冬以外の季節を堪能しています!
「おーい! そっちの方見つかったか?」
そう言いたいところなんですが、ヴァーテルが旅をするための資金の底が尽きたというので、一緒に木の実を拾って商人に売るという方法でお金を稼いでいる真っ最中です。
「どうやらこのあたりは豊作らしいな…。」
森の中には、たくさんの落ち葉が落ちており、時々クマさんを見かけます。
そう、あの童謡のように…
「『水魔術 水流弾』」
まぁクマさんが来たところで、お嬢さんと声をかけられる前にクマの方が吹っ飛んでいくわけですが…
「少しは手伝え!」
「えっ? 木の実はちゃんと拾ってるけど?」
「そっちじゃない!」
そう言いつつヴァーテルは、やってくる動物さんを追い払っています。
「まったく…動物さん基本的にかわいいのにな…。」
そうつぶやいたとき、体長6mはあろうか…そんな大きさのクマが襲ってきました。
「『水魔術 水流弾』」
襲ってきたクマは、水の塊で遠くまで吹っ飛ばされていきます。
「まったく…何があってもお前だけは敵に回したくないな…。」
ヴァーテルが何か言っていた気がしますが、気のせいでしょうか?
「それで…ちょこちょこ魔法の練習をしてるみたいだが、どの程度使えるようになったんだ?」
「そりゃ見ての通り!」
私は、普通に答えますが、ヴァーテルはあきれたような態度を取っています。
「そうには見えないがな…ハッキリ言ってお前が練習しているところをほとんど見たことがないから、確実なことは言えんが…この程度が本気とは思えん…。」
おやおや…ヴァーテルは随分と確信をついていきました。
そりゃそうでしょう…だって、かわいい動物さん相手に本気なんて出しませんよ。
「でも、まぁ動物さん以外なら本気で行きますけど…『水魔術 水城構築』」
「『召喚魔術 炎竜召喚』」
急いで水城を構築した私の前に真っ赤な炎竜がやってきました。
「そんなに警戒する必要ないですよー」
この声は…
いや…そりゃ百々にあった時点からこの可能性は考えてましたよ…
そうはいってもですよ…本当にこんな再会をするのはどうかと…
「牡丹ちゃん、久しぶり~」
そう言いながら炎竜に乗っているその人こそ、わが姉、北上あかねその人である。
「何やってるの?」
「何って? うーんと…何か」
ダメだ…そもそもお姉ちゃんと普通に会話しようということ自体無理だったのかもしれない…
「そうだ~今から私、西の方に行こうと思ってるんだけど、一緒にどう?」
「…私は、その西から来たんだけど…。」
西に戻ったところで、何かあるわけでもないので、この話は断ります。
「そんな~わがまま言わないで、一緒に行こうよ~西から来たならなおさら西へ行くべきでしょうが~」
意味わかんないし、一番わがままなのは誰だと思ってるんですか!
「その…牡丹…あれ、誰だ?」
ようやくヴァーテルが口を開きました。
「北上あかね…私のお姉ちゃんよ…。」
「あーお姉さんね…あいつが!?」
ヴァーテルは、おどろいているのか、絶句しています。
そこまで驚くことないと思うのですが…
それにしても、真っ赤な炎竜にまたがり、異常なまでに長い髪を風になびかせているその姿は、後ろから日が差していることもあり神々しく、何やらすごいものが降臨したように見えます。
しかし、妹の私がこのようなことを言ってしまうのはどうかと思いますが、お姉ちゃんは、超がつくほどのダメ人間です。
「牡丹に姉妹がいたなんて、これ以上の驚きはないな…。」
そっちですか! 何でそっちなの?
まぁ考えてみればそうですよね…だって、お姉ちゃんの性格を一発で見抜けるわけないですし…
「でも、まぁそこから数メートル移動するために、わざわざ炎竜を召喚するとは…なかなかのやり手だな…。」
相変わらずヴァーテルの考え方がわからないです。
わかりたくもない気がしますが…
「とりあえず、私は、東に向かって旅してるから、その話には乗らない!」
「やっぱりそうなりますか~まぁ予定のうちに入ってますがね~私は、そろそろ行きますよ~」
そのまま、お姉ちゃんは、炎竜に乗って飛び去りました。
いったい何がしたかったのでしょうか?
私の疑問の答えがわかる日は、おそらく来ないと思います…
読んでいただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。




