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ひだまりの国  作者: 白波
第2章 東へ
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22/68

第22話 旅に危険はつきものだったりします

 私とヴァーテルは、スイレンを出発した後、さらに東へ向かっていました。


「どうして東に向かってるの?」


 いまごろながら気になったので聞いてみました。


「あぁ…特に意味はないんだがな…何せ人探しだからな…あっちこっち探し回るほかないんだ…。」


 つまり、当てのない旅だってことですか…

 そんなことはさておき、私たちは今、森を抜けて高原を歩いています。

 どうやら、このラーウス街道は思ったよりも内陸を通っているらしく、あまり海沿いを歩きません。






 北部は、本当に人の住んでいる地域が少ないらしく、町はほとんどありません。

 魔法の修行をしながら東へ進みますが、宿に泊まれる日よりも野宿の日の方が圧倒的に多いといった状況です。

 まぁこれほどの期間があるにもかかわらず全く問題がなかったのはある意味すごかったのかもしれせん…


「おとなしく荷物を置いて立ち去れ!」


 私たちは、今盗賊さんに襲われています。


「無理なお願いだな…一応これにはいろいろ大事なものが入ってるからな…。」


 ヴァーテルは、荷物を下ろそうとしません。


「痛い目見ないとわからないようだな…お前らやっちまえ!」


 リーダーらしき男がそう言うと周りにいた男たちが一気に襲いかかってきました。


「よし! 牡丹! 魔法の練習のつもりでどんどんやるぞ!」


 ヴァーテルは、すでに戦い始めています。


「何でこうなるかな…『水魔術 水流弾』」


 私の頭の上にできた大きな水の塊を男たちの方に飛ばします。

 襲いかかろうと走ってきていた男たちは、水を受けて吹っ飛びました。


「甘い!」


 どうやら後ろからも来たようです。


「『水魔術 水遊び』」


 私の周り360度に水の壁ができます。


「『雷魔術 落雷』」


 相手の技が命中する前に急いでその場を離れて男の方を向いて立ちました。

 すると、私が立っていた場所に雷が落ちて地面が黒こげになっていました。

 見たところ、水魔術との相性は最悪でしょうか…


「まだまだ行くぜ! 『雷魔術 稲妻乱舞』」


 あたりが暗くなり遠くの方が光り始めます。


「『火魔術 炎城形成』」


 水魔術を使うと逆効果なので、火魔術でガードを固めます。


「ほー水魔術だけじゃなかったか…。」


 男がそう言った直後、空を走っていた稲妻が、荒れ狂う竜を思わせるような動きをしながら襲ってきました。


「キャ!」


 どうやら雷魔術は、火魔術よりも上のようです…

 炎の壁から脱出し稲妻をよけ続けます。


「よけてばっかりじゃ決着付き合ないと思うけど?」


 稲妻を操っている男は余裕綽々と言った感じです。

 練習不足でしっかりとできないかもしれませんが、あれをやりますか…


「『水魔術 濁流小破』」


 足元に濁流が流れ始めると言ったところまではよかったのですが、肝心の濁流小破は成功しませんでした。


「何をやってやがる、水魔術は雷魔術に弱いだろうが! これでとどめだ!」


 稲妻が、私の方に向かってきます。

 もうダメか…そう思った時…


「『水魔術 水流弾』」


 水流弾が、男を遠くの方に飛ばして、稲妻は大きく軌道をそれて近くにあった気に衝突しました。

 どうやらヴァーテルが放ったもののようです。


「ヴァーテル!」

「牡丹! 大丈夫か?」


 そう言うヴァーテルはボロボロでした。


「ヴァーテル! そのけが…。」

「この程度なら大丈夫だ…それよりも早くこの場を離れるぞ!」


 ヴァーテルは、私の手をつかんで走り出しました。






 しばらく走り続けた後、ヴァーテルが立ち止まりました。


「この辺までくれば大丈夫だろう…。」


 ヴァーテルがそう言うと私は、へなへなとその場に座り込みます。


「まったく…こんなところで盗賊に襲われるとは思わなかった…。」


 ヴァーテルの言う通りです、かなり平和な国だと思っていたのですが、やはり、盗賊とかそういう人たちはいるものなんですね…


 盗賊との戦いでかなり疲れたので、今日は、このあたりで野宿になるのでしょうか?

 そんなことを考えながら私は、森の木々の間から見える空を見ていた。

 読んでいただきありがとうございます。


 これからもよろしくお願いします。

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