第21話 北部最大の貿易港につきました
魔法の練習をしたり、セコンデにこの世界の商売について聞きながら歩いて3日ほどたったある日…
「見えてきたぞ…スイレンだ…。」
先頭を歩いていたヴァーテルがそう言いました。
「えっ! 本当?」
私は、走ってヴァーテルの横に並びます。
ヴァーテルが立っている位置まで来るとそこからは大きな港町が見えました。
「久々にスイレンまで来たのう…さて、わしはさっさと用事を済ませねばな…。」
「ここまででいいのか?」
「おうよ! 俺はこう見えても元気だからな! じゃあな! また、会おう!」
そう言い残してセコンデは丘を下って行きました。
「さてと…ヴァーテル私たちはどうするの?」
「そうだな…特に用事もないから通過してもいいんだが…まぁ1泊ぐらいしていくか…。」
ヴァーテルが丘を下り始めます。
「やった! 3日ぶりの布団だ!」
私は、テンションMAXでついていきます。
「全く…あまりはしゃぎすぎるなよ…。」
そう言うヴァーテルの顔は笑顔でした。
私とヴァーテルが宿につくと日はどっぷりと沈んで街の灯りが煌々と輝いていました。
「宿を探しているうちにすっかり遅くなっちまったな…。」
大きな港町なのですぐに宿が見つかると思ったのですが、なかなか見つからず時間がかかってしまいました。
「まぁどっかでセコンデのじいさんと会う気がしたが、あの人の事だから今日のうちに買い物を済ませてナデシコに向かってるんだろうな…。」
セコンデってもしかしたらせっかちなのでしょうか?
そんなことは置いといて今夜は3日ぶりの布団です!
「早く入るぞ」
「はーい!」
ヴァーテルが中に入って行くのに続いて私も入って行きます。
部屋に案内されるとシンプルな部屋の中に小さな机とベットが置いてありました。
私は、ベットに思い切り飛び込みました。
「あーふかふか…。」
しばらく野宿が続いて疲れていたせいでしょうか? その日は、そのまま眠りについてしまいました。
翌朝…日が昇り東の空が白み始めたときに私は、目を覚ましました。
「朝か…結構早く起きちゃったな…。」
やはり原因は宿に着いてすぐに寝たことでしょうか?
魔法学の本を読んでいてもよかったのですが、せっかくなので私は置手紙をおいて外に散歩に出てみることにしました。
久しぶりの晴天だからか朝早くにもかかわらず気分は晴れ晴れとしています。
港町と言うのは、昼より朝早い時間の方が活気があると思います。
その証拠に昨日の昼間宿を探して歩いていた大通りはその時より人が多く、活気にあふれています。
「いらっしゃい! 今朝水揚げされた魚だよー!」
「これは、東方から貿易船に乗ってやってきた珍品の数々だ! 安くしておくよ!」
あの港町と同じで、たくさんの魚が売られているのですが、時々輸入品を売る店を見かけます。
そんな中を歩いていると、あの親友の事を思い出します…
百々と再会したのもこんな場所だったよな…こんな風な歩いていると、突然声をかけられて…
「おっ! 牡丹じゃねーか! この魚かってけよ!」
そうそうこんな感じに…って
「久しぶりね…。」
「いやーこんなに早く会えるとは思わなかったわ!」
私もそう思います…
やはり、百々の言う通り世界と言うのは狭いのでしょうか?
「まぁいっか! ところでお前こそどうしてこっちにいるんだ?」
あぁ…そう言えば私は、百々に旅人になったことを伝えていませんでしたね…
「こっちの世界に来て旅人になったんですよ…。」
「えっ! お前が旅人なのか! 嘘じゃねーよな?」
「嘘だったら何でここで会うんですか?」
そんなに以外でしょうか…
まぁ確かに私は、どちらかと言うとインドア派ですが、そこまで言われる筋合いは…あるかもしれません…
「まぁいいんじゃないのか? 私が行商やってるぐらいだし…。」
そう言うと百々は、また親方に…とかぼやきながら露天の方に戻って行った。
「また会おうね! 百々!」
露天の方に歩いていく百々にそう言うと百々は片手をあげました。
別れの言葉なんかいらないって言われるかと思ったのですが、そんなことはありませんでした…
私は、少し散歩した後に宿に戻りました。
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