第14話 トンネルを抜けると町でした
あの港町を出発して半日ほどラーウス街道を歩いていると目の前にトンネルが現れました。
当然ながらトンネルも相当古い時代に整備されたのでしょう…中から冷えた空気が来ているせいか鳥肌が立ちます。
「これはこれは…まさかこんなものがあるとは…。」
ヴァーテルはもの珍しそうにトンネルの入口に触れています。
私にとっては珍しくともなんとないトンネルですが彼にはかなり珍しいようです…
トンネルはレンガでできていると思ったのですが、近づいてみるとレンガで造られているのは入口のみで中は、コンクリート製と見受けられます…
「100年たっている割には劣化が少ないような…。」
これが私の受けた印象でした。
まぁおそらく聞いたところで魔法を使って崩れないように維持してるとか、作った際に何らかの魔法を使ったとかそう言う事なんでしょうが、意外とこういう細かいことが気になってしまいます。
「とりあえずここを抜けない限りナデシコにはつかない…行くぞ…。」
ヴァーテルが歩き出すと私もそれについて行きます。
どうやらこのトンネルを抜けると次の町…ナデシコにつくようです。
ナデシコは、ラーウス街道を整備したときに造られた街で北部最大規模を誇るそうです。
まぁ話に来ているだけで実際どんなものかわかりませんが…
どれだけ歩いたでしょうか…
やがてトンネルの出口が見えてきました…
そして、長いトンネルを超えると雪景色…ではなく、いきなり町でした。
「ここがナデシコ…。」
「あぁ…その昔、国王が自ら名付けた町の一つだ…由来は知らないがな…。」
さすがのヴァーテルでもそこまでは知らないと言う事ですか…当然と言えば当然ですが…
ナデシコの町は木造の家が並びどこか日本の城下町を思わせるような町並みです。
「あの国王が造らせた町の特徴としてはジパングの建築様式をまねていることだ…ただ、100年前は国交はおろか発見すらされていなかったからどうして知っていたのかは知らないが、これに関しては諸説あって国王がジパングから迷い込んできた者をそばに置いていたからとも言…まぁ今となっては真相は不明だがな…。」
どうやら100年前整備されたこの地域は何かと謎が多いようです…
しかし、ただ一つだけ言えることと言えば、何の意味もないなんてことはない気がします…
ただ、北部の交流を活性化させたいのならわざわざ新しい町は必要ないはずですし、何より気になるのは2階建ての低い建物が並ぶその先に見える立派な天守閣…かつて、資料で見た安土城にそっくりなお城が見えています…
いったい国王は何のためのこれほどの町を開発したのでしょうか…
「考えすぎかな?」
「どうかしたのか?」
「別に…北部の交流のためにここまでの規模の町を整備する必要があったのか気になっただけで…。」
私がそう言うとヴァーテルも顎に手を当ててそのことについて考え始めたようです…
「確かにそうだな…国王が町の整備を命令したとは聞いていたが、北部最大と言われるほどの規模にする必要性はどこにあるんだ?」
どうやらヴァーテルも同じ疑問に突き当たったようです…
「やはりカギはジパングか…。」
ヴァーテルがそうつぶやきました。
「そう言えば時々話に出てくるけどジパングってどういうところなの?」
「あぁ…話したことなかったな…ジパングと言うのはこの国から遥か東…極東と呼ばれる地方にある島国でたくさんの黄金があるらしいんだ…。」
その言葉を聞いて何やら思い当たる節があります…
そう、確か歴史の教科書に載っていた…
「黄金の国ジパング…。」
日本は昔、ヨーロッパの人たちからジパングと呼ばれていたという話が教科書に載っていた気がします…
「よく知ってるな…その通りだ…まぁ黄金の国なんて言われているが、実際に訪れた奴はこう呼んでいる…ひだまりの国ってな…。」
「ひだまりの国?」
これまたどこかで聞いたことある気がするのですが、これに関しては特に思い出せませんでした…
結局、思い出すことはできず、宿を探すためナデシコの中心部に向けて歩いていきました。
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