2 . 王、自己分析する
大臣達を一喝後、自室に戻る。
鏡の前に立ち、自身の容姿を確認する。年齢は20代前半、金髪、細身。顔は、まあ悪くない。私の好みではないが。
それにしても、この王様、若くない?
まじまじと鏡を見ていると、背後から側付きの女官が近寄る。
「お着替えをなさいますか。これから、茶会です」
茶会のために着替えるのか?
「いやいい。このまま行く」
「ところで、名前を教えて」
「え!?」
女官の頬がぽっと赤らむ。しまった、いま私は男だ。それも、王。変な期待をさせてはいけない。
「いや、やはりいい」
踵を返して部屋を出ようとしたら、背後から勢いよく女官が名乗った。
「セラフィーナです!フィーナと呼んでくださいっ」
いやいや、愛称呼びはまずい。
王は振り返らずにひらひらと手を振り、部屋を出た。
茶会の会場に続く長い廊下を護衛騎士と側近とともに進む。
「陛下、茶会は2時間。その後、1時間の財務大臣との会議、晩餐室にて19時に外務大臣と会食です」
眼鏡をかけた生真面目そうな側近が、歩きながら早口で説明する。
「茶会は30分。財務大臣との会議は20分。夜は一人で食べたいので、外務大臣との会食はキャンセル」
側近の頬がピクリとする。
「しかしー」
側近の言葉を遮り、足を止めて言う。
「何か?」
向き合った時、側近の顔が少し歪んだが、直ぐに表情を正す。
「承りました。陛下」
側近は深々とお辞儀をして、予定変更の調整のため王の一行から離脱した。
この王、側近にこれまで口答えしなかったのかな。
私がこの体に入る前の王は、国が傾くほど悪い王だったのか?
それとも、傾国の美女のようにこの王は美しいから、大臣や側近にナメられているのかもしれない。
王の自己分析はひとまず置いておいて、この国を分析した結果、まずは人事改革が急務であることが分かった。
まずは側近から着手しよう。




