↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女医乃深雪の記録ー快楽の追及ー日常侵食編  作者: 女医乃深雪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/147

第72話 設計者の優先順位


深夜、深雪はモニターに映し出された三つの「侵食プラン」を、冷徹な脳外科医の目で精査していた。

プランA:脊椎埋没型チップ

脊椎の深部、神経束を直接抱き込むようにチップを留置する。

プランB:神経近傍穿刺ワイヤ

太い穿刺針を用い、特定の神経に沿って極細ワイヤを皮下へ通す。

プランC:マイクロニードル・パッチ

角質層を突破する微細な針による、治験時のみの簡易型。

「……流石にAとBは、現段階では無理ね」

深雪は、外科的な切開や穿刺を伴うプランAとBの図面を閉じた。

それは慈悲ではなく、合理的な判断だ。いくら弱みを握っているとはいえ、今の篠原に「簡易手術」を強行すれば、彼女の精神が防衛本能で完全に閉ざされるリスクがある。検体(篠原)を壊さず、自ら進んで檻に入らせるための「合意」が必要なのだ。

深雪の目的は、自分には欠落している「G感覚」や「潮吹き」という未知の生理現象を、一滴残らず数値化すること。かつて自らを検体にした際、冷めた心拍音しか得られなかった深雪にとって、篠原は自分の欠落を埋めてくれる「最高級の禁じられた素材」に他ならない。

深雪は、プランCの設計データを開く。

今回は薬剤は使用しない。その代わり、パッチ裏面に並ぶ目に見えないほどの微細な針が、篠原のうなじの神経パルスを物理的に補足し、増幅(ブースト)する機能を付加した。

「前回の治験で、絶頂の直前に放置(寸止め)されたままの彼女の身体なら、薬剤に頼らずとも、この増幅作用だけで十分すぎる反応を見せるはず」

モニターには、前回の治験で「放出」を禁じられ、激しく乱れた篠原の波形がリピートされている。

「自分には一生縁のないこの『爆発』というバグが、外部からの信号増幅だけで再現されるのか……。非常に興味深いわ」

深雪は満足げに設定を保存すると、静かに診察室を後にした。

「『手術はしないわ。このパッチを貼るだけ』……そう言えば、彼女は安堵して、自らうなじを晒すでしょうね。そのパッチが、彼女の理性を内側から暴走させるトリガーになるとも知らずに」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。