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女医乃深雪の記録ー快楽の追及ー日常侵食編  作者: 女医乃深雪


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第38話 篠原美沙子の一歩


篠原は資料をめくりながら、少し声を落とした。 「……資料と数字だけでは、どうも実感が伴いませんね。時間があるなら、実際に稼働しているところを見てみたいのですが」


深雪はわずかに微笑み、端末を操作する。 「いいですよ。よろしければ――篠原委員長ご自身の簡易データを取る形式でやってみますか?」


篠原の眉がわずかに動いた。 「私の……?」


「はい。臨床範囲の基本応答だけです。侵襲的な処置は一切ありません。装置の動作を理解するには、一番確実な方法です」


篠原は短い沈黙ののち、息を整えて微笑んだ。 「……そうですか。医師としても興味があります。もし可能なら――お願いできますか?」


深雪は静かに頷いた。 「……わかりました。その方が委員長も報告をまとめやすいでしょう」 端末に操作を加えながら、視線だけを篠原に送る。 「では、上着だけお脱ぎいただけますか。センサーの接触精度を高めるために」


篠原は一瞬だけ目を細め、それから無言で立ち上がった。 肩にかけたグレーの上着を指先で外し、丁寧にたたむ。 布地が擦れる音が静かな研究室に残り、白いブラウスの輪郭が露わになる。 胸元のボタンに整然と並ぶ縫い目が、かえって生々しい緊張を際立たせた。


篠原は上着を椅子の背に掛け、深雪に向き直る。 「このくらいでよろしいですか」


「はい。まずはそれで十分です」 深雪は淡々と答えつつ、装置の台座を指し示した。 (――委員長も制度の象徴も、センサーにかかればただの被験者だ)


深雪は装置の台座を示した。 「では、こちらにお横になってください。短時間で済みます」


篠原は小さく頷き、ヒールの音を抑えるように歩みを進める。 金属フレームに囲まれた台座の前に立ち、片手で髪を払うと、静かに身を横たえた。 白いブラウスの生地がわずかに張り、規則正しい呼吸が装置のセンサーに伝わっていく。


深雪は端末を確認し、拘束具に手を添える。 「膝下だけ、固定させていただきます。体動の誤差を防ぐためです」


篠原は視線を天井に向けたまま答えた。 「……必要なら、お願いします」


ベルトが軽く締まり、かすかな擦過音が研究室に響いた。 深雪の指先は正確に留め具を操作しながら、瞳には冷ややかな観察の光が宿っていた。 (――制度の盾も、ここに横たわれば数値化される対象にすぎない)


深雪は端末を操作しながら静かに告げた。 「センサーは布越しでも反応しますが……直接の方が精度が高く、委員長にもデータが見やすいはずです。上のボタンを二つほど外していただけますか」


篠原はわずかに視線を落とし、ためらいを見せたが、やがて白いブラウスの上部を自ら緩めた。 布地が開くと同時に、内側から押し返すように豊かな曲線が形を主張し、隙間ごとに緊張を孕んだ空気を生み出す。 「……このくらいで?」


深雪は頷きながら、冷ややかな手つきでセンサーを取り出した。 「十分ですが――もう一つ外した方が、より正確な値が取れます」


指先が静かに伸び、三つ目のボタンが外れる。 布地がふっと緩んで、胸元のボリュームがより明確に輪郭を描き出した。 深雪はその隙間にセンサーを差し入れ、冷たいパッドを肌に密着させる。


篠原の肩がわずかに震え、呼吸のリズムが一瞬乱れる。 次の瞬間、端末の画面に鮮明な波形が走り出した。


(――制度の盾も、胸元を緩め、拘束に身を置いた時点で、ただの被験者だ)


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