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女医乃深雪の記録ー快楽の追及ー日常侵食編  作者: 女医乃深雪


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第28話 計測の幕開け


自室の机で端末を閉じた久慈は、小さく息を吐いた。 画面には「今から向かいます」と短く打ち込まれた文字。 白衣を整えると、彼女は静かに研究棟へ向かった。


◇


研究室の前。 無機質な扉を前にして、一瞬だけ足が止まる。 ――約束は、もう避けられない。 手をかけ、静かに押し開けた。


「お待ちしていました、主任」 深雪の声が低く響く。冷却装置の唸りが重なり、室内の空気は硬質だった。


中央には新型の計測装置。 銀色のフレームに、異様に細い電極、そして体を覆う拘束ベルトが備えられている。 医療機器の名を借りながら、その存在感はどこか異質だった。


久慈は眉を寄せた。 「装置」 「はい。まずは基礎データを取りたいので、主任にご協力をお願いしたいのです」 深雪の声音はいつも通り冷静だった。


患者着に着替えた久慈の身体は、腰骨や胸のラインが布越しに淡く浮かび上がっていた。 その姿に、深雪の眼差しがわずかに留まる。


ベッドに横たわると、拘束ベルトが「カチリ」と音を立てて締め付けられた。 四肢、腰部、胸部。久慈の体は固定され、身じろぎさえ制限される。


頭上のアームが滑るように降りてきて、薄い電極パッドが肌に触れる。 胸元、下腹部、大腿、そしてこめかみへ。冷たい感触が走り、全身に微細な緊張が広がった。


「……これは?」 久慈の問いに、深雪は端末を操作しながら答える。 「最新型の電極です。従来よりも正確に心拍・筋電・脳波を拾えます」


久慈は短く息を吐き、かすかに首を振った。 「……そう。これくらいの状況なら、誰でも動揺するものね」 「主任が動揺するのではなく、最新型が正しく反応しているのです」 深雪の声は淡々としたまま。


◇


計測開始。モニターに波形が並び、端末に数値が走る。


心拍数:118 → 172

呼吸数:22 → 48

皮膚電位:上昇傾向


拘束による緊張の中で、反応は明らかに閾値を超えていた。


さらに膣内に挿入された細いセンサーが、潤滑剤を介して粘膜接触を開始する。 わずかに湿りを帯びた内部がセンサーを受け入れ、微弱電流に応じて波形が跳ね上がった。


久慈の喉から、押し殺したような吐息が漏れる。 「……っ」 その音を、深雪は冷静に拾い取る。


「膣内湿度:上昇。圧受容応答、良好」 端末に打ち込みながら、彼女の瞳はわずかに熱を帯びた。


久慈の全身は薄布の下でわずかに震えていた。 腰骨から胸のラインにかけて、抑え込まれた呼吸と熱が浮き彫りになる。 肉体は確かに医学的反応を示していた。


深雪は無表情を保ちながらも、思考の奥底に小さな火を感じていた。 ――医学的データの積み重ね。だが、数字の背後にある“快楽そのもの”に触れてしまう高揚。


「……記録続行。次段階へ移ります」 その声はあくまで冷静。だが端末に走る指先は、抑えがたい熱を帯びていた。



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