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勇者を探して2【初めての戦闘】

 とりあえず、勇者を探すという、途方もなくデカイ目的を掲げて町を出発した俺達だったが、この先どこへ行けばいいのか、全くわからなかった。

「パパパ。このまま、まっすぐでいいのかよ」

「わからん」

「ねぇパパパぁ。あそこに、お花咲いてるよ」

「そうだな」

「ねぇパパパ。一度町に戻った方が良くない? 闇雲に進んでも、どうしようもないよ」

「やっぱ、そう思うか?」

「おいパパパ、向こうに何か見えるぞ」

「何が見えるんだ?」

「ねぇパパパぁ。蝶々飛んでるよぉ」

「はいはい。わかったわかった」

「パパパ。このまま、どこまで行くの?」

「町、戻るか?」

「なあパパパ……「あ〜!! うっせえよ! さっきから聞いてりゃパパパ、パパパ言いやがって! どうして、俺にばっか聞くんだよ!」」

 行き先もわからず、とりあえず進むしかない俺に、自分で何も考えないコイツらは、質問攻めをしてくる。そんなコイツらに、俺はキレてしまった。

「な! テメェがリーダーやるつっただろうが!」

「パパパ、統率能力なし」

「パパパじゃ、そんなトコでしょうね」

「行き先決めんのが、リーダーじゃねぇのかよ!」

「ニコムリン、パパパにそんな難しい事言っても無駄よ」

「ねぇねぇ、大きな蝸牛ぃ」

 黙っていれば、コイツら、言いたい放題言いゃがって!

「このまま、パパパにリーダー任せてていいのかよ!?」

「大きな蝸牛、近付いてくるよぉ」

「ひとまず、町に戻って情報収集をしましょうか」

「わぁ! 蝸牛、おっきい!!」

「テメェら、さっきから聞いてりゃ、好き勝手言いやがって! ……ってノピノプ、蝸牛って何だ?」

 ノピノプが見詰める先の景色に目線を向けると、そこには俺達の3倍のデカさはある、巨大な蝸牛が接近していた。

「モ、モンスターだぁ!」

「なんじゃこりゃあ! デカ過ぎるだろ!」

「これは、ジャイアントマイマイね。雑魚よ雑魚」

「おっきい蝸牛、何食べるのかなぁ?」

「仕方ねぇ! 戦闘開始だ!」

「よっしゃあ! パシリ脱出だ!」

 バトルに勝利すれば、経験が入り、Lv.がUpすると、考えた俺達は、即座に戦闘体制に入った。のだが、何だか人数が足りない気がする。

 辺りを見渡すと、ノピノプとサラが、バトル範囲から離脱していた。

「テメェら、何してやがる! 戦わねぇか!! 雑魚って言ったのは、誰だよ!」

「ノピノプ! サラ! テメェらが、戦わねぇと、悪ガキとパシリから、なかなか抜け出せねぇじゃねぇか!」

「蝸牛、可哀相だよ。きっと、痛い痛い言っちゃうよぉ……」

「わ、私、動物と昆虫は、パスだからね!」

 どれだけ怒鳴り散らしても、二人は動こうとしない

 仕方がないので、ニコムリンと二人でバトルすることにした。

 ジャイアントマイマイの動きは、ウスノロで、俺達二人でも全く攻撃を受ける事はなかったが、その殻の硬さは、ハンパなかった。

 ニコムリンの武器はペーパーナイフ。殻をどれだけ突いても、殻に傷一つ付ける事すら出来ない。

 結局、俺がなんとかしないといけないのか。

 ひとまず、短い金属棒でハンパなく硬い殻を殴り続ける。

 ヒビ一つ入らないくせに、手が痛くなってきやがった。

 気が付けば、殻にはダメージを与えられないニコムリンが、柔らかい部分を突きまくっている。

 それが本当に、ダメージに繋がっているのかは、不安になるところだが……。

 ジャイアントマイマイはと言うと、俺達二人を追い掛けて、ぐるぐると回り続けている。

 回るマイマイ。殴る俺。突くニコムリン。その果てしない攻防? は、気が遠くなるような時間を要した。

 マイマイの一カ所の殻が、ゴボッと音をたてて粉砕した瞬間、マイマイの体が穴より流れ出してきたかと思うと、マイマイは動かなくなった。

「勝った……のか」

「よっしゃあ! 勝ったぜ!」

 流れ出していくマイマイを眺めている時だった。ポンポンピリリン。ポンププリンと音が鳴っているのが、聞こえた。

 慌ててLv.Upカウンターを取り出す。

(【パパパ・ンパ・ペペンペン】は、Lv.が【2】になった。気分的に、強くなった気がする。【パパパ・ンパ・ペペンペン】は、Lv.が【3】になった。攻撃力が、上がったと思い込め。【パパパ・ンパ・ペペンペン】は、Lv.が【4】になった。生命力が5アップした)

(【ニコムリン・ヨボヨボ・フリフリン】は、Lv.が【2】になった。土下座が上手くなった。【ニコムリン・ヨボヨボ・フリフリン】は、Lv.が【3】になった。攻撃力が1アップした。【ニコムリン・ヨボヨボ・フリフリン】は、Lv.が【4】になった。口が少し悪くなった。【ニコムリン・ヨボヨボ・フリフリン】は、Lv.が【5】になった。防御力が1アップした)

(【ノピノプ・ボポン・アイヤーン】は、Lv.が【2】になった。攻撃力が2、防御力が1、速さが1、生命力が15アップした)

(【サラ・デ・リーリア】は、Lv.が【2】になった。攻撃力が3、防御力が1、速さが2、生命力が20、魔法力が10アップした)

 Lv.Upカウンターは、音と同時に、自動音声で能力の向上を告げていく。

「ちょっと待て! どういう事だ! 攻撃力が、上がったと思い込めって何だ!? 上がってねぇのかよ!」

「てか、Lv.上がっただけなのかよ!」

「蝸牛、死んじゃった……。痛い痛い言って、死んじゃったよぉ。可哀相……蝸牛」

「さ、終わったなら町に行くわよ」

「ちょっと待て! どうして、テメェらだけ強くなってるんだ!」

「そうだ! 戦ってねぇじゃねぇか!! じゃねぇよ! 土下座が上手くなってどうすんだよ!! もう意味がわかんねぇよ!」

「はいはい。文句があるなら、自分の職業に言うのね。さぁ、町で情報収集よ!」

「ゴメンね……蝸牛。今度生まれて……ねぇねぇ、ワンワンが走ってくるよぉ。ワンワン、可愛いね」

「ワンワン? うわぁ! ポイズンウルフだ! 逃げろ!!」

「いきなり死ぬのは、嫌だぁ〜!」

「ワンワン、走るの速いねぇー。ワンワン、バイバ〜イ」

 俺達は、全速力で走ると、町へ逃げ込んだ。

 いつの間にか、やり切れない気持ちは、どこかに消えてしまっていた。

「とりあえず、今日は宿屋に泊まるか?」

「そうね。じゃあ、情報収集は明日ね」

「お泊りするのぉ? じゃあ、ベッドだね。温泉入ろうぉ!」

『こんなヤツらと、本当に勇者なんて探せるのか?』

 宿屋のベッドの上で、ノピノプの静かな寝息を聞きながら、大きな不安を抱えていた。



☆パパパ:悪ガキLv.4【攻撃力10 防御力5 速さ5 魔法攻撃力15 魔法防御力15 生命力65 魔法力0】


☆ニコムリン:パシリLv.5【攻撃力9 防御力3 速さ10 魔法攻撃力0 魔法防御力0 生命力50 魔法力0】


☆ノピノプ:戦士Lv.2【攻撃力32 防御力26 速さ11 魔法攻撃力0 魔法防御力20 生命力115 魔法力0】


☆サラ:WMマスターLv.2【攻撃力68 防御力51 速さ37 魔法攻撃力75 魔法防御力55 生命力370 魔法力150】


『あ〜! 意味がわかんねぇ! Lv.Upしても、強くなんねぇじゃねぇか! もう意味不明だよ。イミフだよ!!』




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