帰り道にはご用心
「るくすあるかーな、
るくすふぇありえ、舌噛みそうだし
寝て起きたら呪文は忘れてる」
俺は本気だ。本気で忘れる自信がある。
「大丈夫。スマホにメモすれば
いいんだよ」颯太が隣でスマホの画面を
タプタプ打ち込んでる。
「なぁ、とりあえず気味悪すぎるから
今日一緒に帰ろう?」
1人になってミレアを肩に乗せて…??
はっと気がついた。
「そうだよ!ミレア!人目についたら、ヤバくない?」
と聞いたら、
「普通の人には見えないよ」
あー、俺は普通じゃないんかい!!
ふぅーん。へー。俺、自分普通だと思ってたわ
「ミレア、俺大学のレポートやらないと。
そろそろ帰るわ、颯太俺と一緒に帰ろう。
色々気味悪すぎて。心細いんだよ、俺」
颯太は「今日1人で寝たくねぇから、泊めてくれ」と言いながら頭を抱えている
「こうゆーときは、助け合いだな!」
「そうだな」
2人でそんなことを言いながら、
帰るため、外に出る
だけど、
乗ってるぅ、俺の肩にミレア、
颯太の肩にイグニ。
「なんで、ミレアもイグニも2匹とも肩にのってんだよぉ
まさか家まで付いてくる気ぃ?」
「ミレアもイグニも君達魔法使いの
パートナーだよ。
魔法石の妖精は持ち主から決して離れない。」
ミレアが当然かのように、いって笑う。
これからずっと生活見られるのかよ…
俺、健全な20才の男子だぞ。
なぁんて、新たな悩みを増やしながら
水瀬家の祖父宅の前を通る時に
「シッ!静かに」ミレアがささやく。
えっ?
「水瀬じいじの家庭菜園見て」イグニも
小声だ。
じいじの家庭菜園までの距離は
30メートルくらいか?目を凝らす。
外灯が薄暗く道を照らしている。けど。
見える。
頭に角?え?待ってくれ。
俺の背筋に悪寒がはしる。
犬とかじゃ…ないかも…
じいじが育てたトマト、食ってる?
頭に、やっぱり角。
体は赤いような。なんだよなんだよ
足がガクガクする。
「オオオオ」颯太の言葉にならない声が
漏れる。
角を頭に生やした何かが、
俺達を見た。
「声出しちゃダメだよ」ミレアがささやくけど
俺と颯太は、ヒシッと抱き合いながら
「ンギャアァァアァァァァアアアー!!
鬼じゃんかぁぁぁぁぁ」
と、素直に叫んだ。




