夢じゃなかった話
ミレアが僕の片方のホッペを
びよん!と伸ばす。
「そろそろしっかりしよっか!」
ミレアがまた、何かゴニョゴニョ唱えると、
腰を抜かしたままの俺の体が
フワッと宙に浮いた。
浮いた途端、すっと俺はその場に立っていた。
えっ?
ミレアがきゅるっきゅるな瞳で
「んじゃー、魔法使い澪央君!
今からちゃんと説明するけど、
その前に、聞きたいことある?」
と聞いてくるもんだから、
「ミ…ミレイ??だったっけ、ミレア?オマエ
雄なの、雌なの?」
「澪央君、ミレアは、ようせ い!!だから
雄とか雌なんてカテゴリーなんて、ないよ!
説明、続けていい?」
「いや、俺今寝てるはずなんだよ、だから…」
なんて、言ってみたけど
ミレアはため息混じりで、
「大切な話だから聞いてて。」
と言って話し始めた。
まず、呪文
魔法陣を出してから、魔法石をミレアの
姿に戻す。
「慣れたら魔法陣くらい、どうってことないし、呪文は大学生の頭なら朝飯前っしょ。」
とか言いやがる。
ただ、俺、水瀬澪央は水の精霊を宿す
魔法使い…らしい。なんだそれ。
そのほか、
太陽、月、火、など幾つかの精霊によって
魔法使いが、存在する。
ミレアが「今頃澪央くんと同じように、
魔法石を授かって、驚いてる人がいるよ。
うん、すぐお隣のお家だね。ねー、じいじ、
そうだよね!」
ん?隣?
はぁぁぁぁぁぁぁ?
じいじが、
「澪央の、父親と同じ年の息子がいて、
あの2人は本っ当に素行が悪くてなぁ
その子供にあたる、孫はイイ子に育ったもんなぁ」
そう言って苦笑いした。
隣の孫…は、学校の夏休みとか冬休みに遊んだけどさ
朝倉颯太。
彼も今頃、俺みたいに腰をぬかしてるのかなぁ
「ま、後で、お隣いきましょう。
颯太さん達まってるから!」
と、ミレアが羽をパタパタさせながら
そう言った。
言ったけど、マジでわけわかんねぇわ。
魔法使いって、何かするのか?
ぐるぐる考えていたら、
ばあばが、
「素麺たべなさーい!」と
持ってきた。
いただきます。ぼそっと言ってズルズル食べ始めたけど
「おかしいって!なんでミレアが素麺食ってるんだよ!あぁぁぁぁぁわけわかんねぇし!!」
と俺はキレた。
「えっ?食べるよ。普通に。ばぁば、
素麺おいしいね」
とミレア。
だから!!おかしいんだってば!
なんでだよ!
ああ、そうか!コイツは、ペットかな?
だよな!
あぁぁぁぁぁと、キレながら食べる素麺の
味は全くしなかった。




