ホラーだけど辛いよな。
某撮影スタジオ。
朔夜に案内されて、モデル事務所の
マネージャーさんに挨拶をする。
「水瀬澪央くんの弟が社会見学で同行してます。大人しい子なので心配はいらないと思います。」なんて、朔夜が説明している。
「ああ!可愛いねぇ。じゃあ、早速スタジオの
スタッフに挨拶に行こうか。」
俺は恐怖だった。オバケみたら
泣く。怖い。
童丸は、珍しく俺の背中におぶさってこない。
颯太はルンルンしていて
「モデルのバイトやってるなんて合コンで
話したらモテるぞー!!」
と、張り切っている。
やがて、スタジオの入り口前に来た。
来たんだけど
いきなり身体中に悪寒が走った。
ヤバくね?そう思いながら颯太を見ると
「澪央ぉー、俺、寒気ヤバいんだけど…」
やっぱりか。
そんな事に気が付かないマネージャーは
入り口を開けて
「おはようございます!!宜しくお願いします」
と言いながら、ズンズン進んだ。
肩に乗ったミレアは、
「澪央。怖いのもわかるけど、落ち着こう?
ミレアもイグニも側にいるから。」
んなこと言われてもさぁあ!!
と、文句が出そうになったが、
撮影準備をしていた
カメラマンが、こっちを見た。
聞かなくてもわかる。藤井さんだ
間違いない。
正気を失った目。
カメラマンがそんなんでいいのかよ。
そして、
背中にとんでもない化け物が見える。
化け物は、灰色の影の様な形に
目は充血していて釣り上がっている
ヨダレをたらしたその口もとから
緑色の煙の様な物を吐いている。
ヒッ!!うそだろー?キモっ。
ムリムリムリムリ!!
颯太は
「うわぁぁぁ、あいつヤバくね?
はっ鼻ないのかよ。」
怯えすぎてわけのわからないことを口走った。
藤井さんに憑いている化け物は
いきなりこっちに飛んで来る。
ミレアが
「澪央!颯太!!魔法陣!!出して!」と叫ぶけど
俺は震えてしまって 声がでない。
突然、「ンギィィーーー!!」
童丸が、身体中から電気を放つ。
バチン!!
照明が消える。
周りのスタッフや、マネージャーが
バタバタと床に倒れていく。
暗い中
バチバチと童丸から音がする。
「カミナリさま??」
颯太が叫ぶ。
化け物は、童丸のカミナリの光が眩しいせいか、藤井さんの所まで飛ばされた。
くそ。童丸が守ってくれたんだ。
ヒヨッてる場合じゃないだろ。
俺は
息をゆっくり吸う。
「ルクス·アルカーナ!!」
初めて、しっかりと呪文を唱える。
ブゥン。
足元に魔法陣。
よし。やりますか。
「颯太ぁ!!準備できたか?」
「出来てる任せろコンニャロー!!」
朔夜が、
「さすがだね、皆童丸の能力で眠ってるだけだから。ただ、照明が消えちゃったね。
魔法で明るくしよう。」
朔夜が魔法陣の上で唱える
『Light It by Moonlight 』
暗くなったスタジオが
月明かりの様な光で、包まれた。
ぎゃゃゃああ!
藤井さんに憑いた化け物が叫ぶ。
威嚇している。
大丈夫。絶対に負けない。
「ミレア!!頼むよ、魔法誘導して!!」
「わかったよ澪央!!」
さぁ、藤井さん。いきますよ!




