鬼のキャンプ
朝から良い天気だ!
絶好のキャンプ日和だ!
行き先は山。
玄関に母と童丸が見送りに来たのはいいが、
「ねぇー、童丸ちゃん連れていってもらえないかな?朝から澪央と行きたいってグズッて大変なの、見てよ、ほら」
母が困っていた。
「ぐぇぇーぶぉえーゔーゔーみおぉー」
童丸がえぐえぐしながら、泣いている。
いい子にした所で、鬼だぞ?
口の端からキバも出てるし
ちゃんと頭に角もあるじゃん。
俺はキレながら
「キャンプに鬼つれてけって? 俺皆に何て紹介するんだよ!」
「いいこにするぅーエホっ、ぐえぉぐえぉ」
泣きかたが汚いな、童丸…。
「こぉーんなにかわいいのに?」
どこが?
母のカワイイがわからない。
このタイミングで颯太が来た。
大学は別だけど、魔法使いの仲間に会えるかも
しれないから、颯太にもキャンプに
来てもらう事にした
颯太が、泣いてる童丸に
「あれ、童丸ぅ、泣いちゃってどうした?」
と余計な事を聞いた。
「ぐえっ。みおどぉーぎゃんぷにぃぃ
いぎだいぃぃー」
「お!童丸も行くのか!!出る前に、トイレはすませような!!」と、颯太が童丸の手を引いてトイレに連れていった。
えっ!颯太正気か?
母は、「童丸ちゃんのお着替えとか
急いで用意するから!!」と
パタパタと居間へ行ってしまった。
肩に乗ってるミレアに
「おぃぃ、童丸なんて連れていったら
皆気絶しかねないから、何とかしてくれよ」
とお願いした。
ミレアは、
「任せて!!」と言って、何の呪文を唱えている
まってくれ。童丸を連れていくためなら
やめてくれ。
颯太が、満面の笑みの童丸を連れて戻ってきた
「皆が見ても童丸が普通の子供に見える魔法かけたから!」ミレアが言った。
童丸を見つめる…
鬼の子にしか見えなかった。
「普通の人が見たらただの子供に見えるから
安心して。澪央と颯太は魔法使いだから
本来の姿が見えてるだけ。
ほら、生き霊とかそういうのが見える
原理と同じだから」
ミレアの説明は理解できるけど
生き霊なんて見たくないなぁ。
童丸は、俺が小さい頃に使っていた
あ○○ん○んのリュックを背負って
ゴキゲンで俺達と出発した。
童丸を連れていって正解だ!と思ったのは
この日の夜の事だったけど、
そんな事は微塵も思わず
父親でもないのに、どうして子守りしながら
キャンプ行かないとダメなんだよ!
なんて俺はため息をついた。




