帰宅
じいじの家に鬼の子を連れていくと
ばあばが、
「あらあらあらあら!可愛い鬼の子ちゃんねぇ、
お名前なんて言うの?」
とはしゃいでいた。
厳つい顔の鬼だろ、可愛くないだろうが!!
と、ばあばの孫でも思う。
颯太が「名前は?」と聞くと
俺の背中にしがみついている鬼の子が
「童丸…」と答えた。
「どうまる、な!!オッケー了解」
ん?童丸。服着てないよなぁ。
「ばあば、コイツ…、童丸?
裸だから、何か着るものないかな?」
と聞いてみたら、
「たしか、澪央が小さい頃に着てた
服、あるはず!ちょっと待っててね!」
と、パタパタとスリッパの音を響かせて
奥の部屋へ探しに行った。
じいじが「童丸、トマト好きか?」
と聞いたらコクンと頷いた。
じいじが「朝採れたてのトマト、お食べ」
と言いながら、童丸に渡した。
じいじが、童丸にトマトをあげている
その姿を見て、俺はピンときた。
そういえば、回覧板に書いてあったよな。
最近、この辺りの家庭菜園が荒らされているって。
……犯人、コイツ…童丸じゃね?
で、俺は気付く。
「畑荒らしたんだから
星幽界に、童丸送れば良くね?」
「だめだよ、童丸に悪気はないから。」
イグニのひと言で、俺はガクンとうなだれた。
ばあばがルンルンで
「あった!ほら!半袖だけど!
ほうら、童丸ちゃん、着てみましょうね」
と、言って着せていたが。
童丸のサイズに半袖を着せても、
長袖になった。それは、いい。
着丈も、ワンピースになるくらい。別にいい。
ただ、キャラクターがプリントされていた。
あの、国民的アニメ。
『それいけ!あ○ぱ○マン!』
厳つい顔面の童丸が着ると、なんか
とんでもない。
颯太が爆笑する
「ひゃぁー笑笑鬼なのにぃー
正義の味方のTシャツって笑笑」
うっわ、これはスゴいぃー笑笑
トマト食べて、服も着せたし、
帰りますか。
童丸を、置いて帰りてぇぇーとは思ったけど
鬼を祖父母に預けるのもどうかと聞かれたら
俺にはできない。
「じいじ、ばあば、ありがと!」
お礼を言って
俺と颯太は、家路に向かうべく
外に出た。
あー、マジでだるいわ。
魔法使いっていっても、こんなんじゃないよな
たぶん。
俺の背中には童丸、肩にはミレアを乗せて
なかなかエグいわ。




