守備魔法、解放
ドスンドスン…ドスンドスン
親鬼がだんだんこっちに近付いてきてる
足音が響く。
「澪央!守備魔法、『アクア·スクートゥム』唱えて!!」ミレアが叫ぶ。
「ア…アクア·スクートゥム?」
ザバっと音がして、俺の体の周りが
水のような透明な幕みたいな物で囲われた。
ミレアが
「水壁で、攻撃に備える守備魔法だよ!」
イグニも「颯太!イグニス·スクートゥム!!唱えるんだ!!」
颯太も唱えると、ボウッ!と火が吹き出し
透明な朱色の幕が颯太の回りを囲んだ。
鬼の姿が、見えてきた。
「うわぁ、引くわ。3階建てっすか?あの高さ」
颯太が言う。
鬼の身長は、まさにそのくらい大きくて
赤かった。
相変わらず膝は震えてたけど
「絵本で見た鬼と一緒だろ。ちょっと感動するなぁ」
なんて事言ってる俺。
でもそんな場合じゃないなこれ。
近付いてきた。鬼さん…
颯太が、怯えながら、
「バチクソ顔がキレてるくない?無理こっち来んなよぉぉ!!」
「うわ。あー。てか、生まれつきキレた顔なんじゃね?」
「ん?なんかトゲトゲついたこん棒持ってるぅ」
「アレで殴ってこられたらヤバい!」
「守備魔法って言っても、使ったことないから
どうすんの、これぇー」
「魔法陣は、行きたい方向に行けるよ!
空でも陸でも!上下左右好きに移動できるから
念じて!」
ミレアの説明で
念じてみる。鬼の高さより、少し上へ。
ひゅん!と移動した。
イグニが「颯太も念じて!!」
上へ、と颯太が念じると
ヒューっと上空へ移動していく。
鬼の背よりも高く。高く。
「そっ颯太ぁぁぁぁぁー!俺を置いてくなぁぁぁぁぁ!!」
何処まで行くんだ颯太。
「上空行き過ぎたら、マジで
酸素薄くなるぞぉー颯太ぁー!」
空に向かって叫ぶ俺。
上空から颯太の悲鳴らしき声が響く。
「ひゃぁー!とめてくれぇぇーーー」
イグニが慌てて、「颯太ぁあ!止まれ!って念じて!」と言いながら颯太のあとを追いかける。
「颯太ぁ!!スノボだよ!スノボの要領で
念じろー!!」
「スノボならまかせろー!!」
上空から響く颯太の声。
こんなんで、大丈夫か?俺たち…




