ヒロイン(攻略対象者)の内心が終わってた件 クロユリの考えていたこと
クロユリが主人公のため、ひらがなばかりで読みにくいです。
「お前は外に出てはいけないよ。」
そういって両親は自分の片割れをつれて、どこかへと出かけて行くのだった。
ゆり……ぼくは外に出たことが、ほとんどない。目のせいだって。でも、かたわれをにくいと思う。ぜったいにかたわれの方が、すべてのものからあいされている。同じ顔なのに。ゆりが近づくと、どうぶつも人もにげて行くのに、かたわれが近づくと、どんなどうぶつも人もえがおでかたわれのそばに行く。だけど、かたわれをたいせつだとも思う。かたわれはゆいつゆりのそばに居てくれる人だから。
「お前は今日からシラユリと一緒に学園に入りなさい。そとの世界を知るのです。」
そんな言葉を両親に投げかけられて、片割れと共に入れられたのは『花園学園』という学園だった。
どうして急に……?これまで外に出してもらえなかったのに…。ああ、わかった。きっとおかあさまとおとうさまに、みかぎられたんだ。顔も見たくない、って…。いいよ……。ぼくをあいしてくれる人なんてだれも居ないんだから……。
「皆の者、入学おめでとう。舞踏会、という名の入学祝いの開会を宣言する。」
女王が口上を述べ、舞踏会が始まる。
ゆりは、ぶとうかいになんてさんかしたくなかった。でも、かたわれが楽しいから、っていってどれすを着せてきたから……。…やっぱりぶとうかいなんて楽しくない。ゆりにだんすのさそいをかけてくれる人はおろか、話しかけてくれる人も居ない…。みんな、ゆりの方を見ると変なかおをする……。きっと、目がこわいからだ…。せっかくまえがみを伸ばしたから、下をむかなきゃ…。
「あ、あの…?」
一人の少女が話しかけて来た。
…やっぱり、ゆりはこの場にふさわしくないから、でていけっていうんだ……。もう、いいよ……。ゆりはいなくなる…。
「いや、ユリさんはどこも怖くないですが……」
少女が発した言葉は意外なものだった。
そうなの……?こわくないの……?いいの…?
「ウウっ!!!」
少女は目を抑えて蹲った。
ああ、やっぱだめなんだ……。ぼくの目がぶきみなんだ……。
「ユリさんが美人すぎて!!目がつぶれるかと!!」
少女はなぜかどや顔で言ってきた。
え……?ゆり…ぼくのことを……?きれい…?
ぶきみ……じゃないの…?ほめて……くれた……?なんだか、あったかくてくすぐったい……。
「怖い…?というか物凄く綺麗です!!」
やっぱり少女はどや顔だ。
きれい……?目が…?見た人にいまわしいと言われるこの目が…?この子はだれ…?ゆりを……ぼくをきれいと言ってくれるこの子は…。
「光栄です!!私の名前はアカツキ…コスモスです!!!」
そしてやっぱりどや顔。
あかつき…。この子にぴったり…。この子はゆりに、あまくてかなしいやみよにひかりを見せてくれる子。きっと、この子だったら、ぼくを暖かくてやさしいひかりのせかいにみちびいてくれる……。でも、きっとそれはみんなそう。ひかりがほしくてこの子に手をのばす。だから、ゆりが、ぼくが、この子をあまくてかなしいやみでつつみこんで、ぼくだけのひかりにしてしまおう。もちろん、かたわれにもわたさない。この子は、このひかりは、ゆり……ぼくだけのものだから…。
「あかつき、これからずっとよろしくね……」
だれかになんかわたさないよ。
これから、『欲しい』という感情に『愛している』という感情が加わります。




