閑話 暗躍する者たち
謎の組織の話です
窓のない部屋。
外の光が差し込むことのない室内は薄暗く、壁際に設置された複数のモニターだけが青白い光を放っていた。
机の上には、何枚もの資料が置かれている。
その中の一枚には、見慣れない波形が印刷されていた。
一定の間隔で繰り返される、奇妙な信号。
モニターの前に座る男は、その波形をじっと見つめていた。
そこへ、一人の男が静かに入ってくる。
「例の信号に気付いた者がおります」
モニターを見つめていた男が、ゆっくりと顔を上げた。
「なに? 本当か?」
「はい。不味い事にSNSで呟いていました」
「それはいかんな。その者を調べて誰かに監視させておけ」
「はい。分かりました」
報告を終えた部下が一礼する。
男は再びモニターへ視線を戻した。
しばらく沈黙が続いた後、何かを思い出したように口を開く。
「そういえば、あやつも要注意人物がいると言っておったな。……これも監視させるか。全く難儀な事になってきたわい」
男の口元に、わずかな笑みが浮かんだ。
部屋には、機器のかすかな動作音だけが響いていた。
モニターに映し出された波形は、今も一定の間隔で繰り返されている。
まるで、何かを知らせようとしているかのように。
面白いと思って頂けましたら、下の☆マークから評価・リアクション登録などをお願い致します!




