表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒薔薇の檻  作者: 麗夜
149/150

第149話「膠着」

皇帝は、その場では何も答えなかった。

宣言を撤回もしなかった。しかし——押し通すことも、しなかった。

それが、今の状況だった。

膠着。

ルシアンは帝国に滞在し続けた。条約交渉という名目で。毎回の訪問期限が来るたびに、延長を申請した。

皇帝は、それを認め続けた。

追い払う、とは言わなかった。

その事実が、ライアンには何かを意味しているように見えた。

「父上は、本当は」

ライアンは皇后に言った。

「本当は——認めたいのかもしれない」

「アルヴィン陛下は、頑固ですが——娘のことを大切に思っています」

「だから、余計に手放せない」

「そうかもしれません。二十五年間、ずっと探し続けていた娘が——戻ってきた途端に、外国の男に持っていかれるような気がして」

「……父親の感情ですね」

「そうです。理屈ではなく、感情の問題」

ライアンは少し考えた。

「ルシアン殿下に、それを伝えようと思います」

「何を?」

「父上が感情で動いているということ。理屈で攻めても、動かない。感情に訴える必要がある」

皇后が、少し笑った。

「あなたも、変わりましたね」

「どういう意味ですか」

「以前は、全て理屈で解決しようとしていた。エレナが来てから——感情の重さを、理解するようになった」

ライアンは少し間を置いた。

「……妹ができたからかもしれません」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ