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黒薔薇の檻  作者: 麗夜
144/150

第144話「レインとソーン」

ルシアンが双子に初めて会ったのは、翌日だった。

ライアンが案内してくれた。

乳母が二人の子を抱いていた。

ルシアンは近づいた。

小さかった。こんなに小さいのか、と思った。

一人が、目を開けた。

銀灰色の目が、ルシアンを見た。

「……レイン、か」

乳母が頷いた。

ルシアンは、その目を見た。

自分の目と、同じ色。

「……」

言葉が出なかった。

これほど言葉が出ないことは、記憶にない。

もう一人——ソーンも、目を開けた。

深い緑灰色の目。エレナの目だ。

「……」

ルシアンは少し膝をついた。

二人の小さな顔を、ゆっくりと見た。

「……会いに来るのが遅くなって、すまない」

小さな声で言った。

子どもたちには、分からない言葉だ。でも——言わずにはいられなかった。

「必ず——そばにいられるようにする」

ライアンが、ルシアンを見た。

「……殿下」

「何だ」

「父上を、説得してみます」

「え?」

「完全には無理かもしれない。でも——この二人を見ていたら、私も考えが変わってきた」

ルシアンは立ち上がった。

「……ありがとう」

「礼はまだいい。まだ何もしていないから」

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