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黒薔薇の檻  作者: 麗夜
139/150

第139話「双子の誕生」

一月の末、双子が生まれた。

長い夜だった。

ヘルタと侍医たちが対応し、ライアンが廊下で待った。皇帝と皇后も、別室で待っていた。

夜明け前、ヘルタが出てきた。

「生まれました。二人とも、元気です」

「エレナは」

「疲れていますが、大丈夫です」

ライアンが部屋に入った。

エレナが寝台に横になっていた。疲弊しているが、目が輝いていた。

腕の中に、二人の赤ちゃんがいた。

「……二人とも、男の子です」

エレナが静かに言った。

「兄上」

「何だ」

「綺麗です」

ライアンは双子を見た。

黒い髪。小さな顔。

一人は、目が——銀灰色に近い色をしていた。

もう一人は、エレナと同じ深い灰緑色の目をしていた。

二人とも、両親の特徴をはっきりと受け継いでいた。

「……ルシアンの目だ、こちらは」

ライアンが静かに言った。

「……はい」

「名前は」

「考えていません。まだ」

「父上に見せなければならない」

「……そうですね」

エレナは双子を見た。

小さな命が二つ、腕の中にいた。

「……大切にします。絶対に」

その言葉だけが、今のエレナの全てだった。

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