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第139話「双子の誕生」
一月の末、双子が生まれた。
長い夜だった。
ヘルタと侍医たちが対応し、ライアンが廊下で待った。皇帝と皇后も、別室で待っていた。
夜明け前、ヘルタが出てきた。
「生まれました。二人とも、元気です」
「エレナは」
「疲れていますが、大丈夫です」
ライアンが部屋に入った。
エレナが寝台に横になっていた。疲弊しているが、目が輝いていた。
腕の中に、二人の赤ちゃんがいた。
「……二人とも、男の子です」
エレナが静かに言った。
「兄上」
「何だ」
「綺麗です」
ライアンは双子を見た。
黒い髪。小さな顔。
一人は、目が——銀灰色に近い色をしていた。
もう一人は、エレナと同じ深い灰緑色の目をしていた。
二人とも、両親の特徴をはっきりと受け継いでいた。
「……ルシアンの目だ、こちらは」
ライアンが静かに言った。
「……はい」
「名前は」
「考えていません。まだ」
「父上に見せなければならない」
「……そうですね」
エレナは双子を見た。
小さな命が二つ、腕の中にいた。
「……大切にします。絶対に」
その言葉だけが、今のエレナの全てだった。




