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黒薔薇の檻  作者: 麗夜
136/150

第136話「ルシアンの試み」

ヴァルドラに戻ったルシアンは、すぐに動いた。

国王に、帝国の状況を報告した。

「エレナが帝国の皇宮にいます。皇族の血筋だという判定が出たそうです」

国王が驚いた顔をした。

「……帝国の皇族?」

「詳細はまだ分かりません。ただ——皇帝がエレナへの関与を認めない意向を示しています」

「それは——外交上の問題になる」

「なります。だから——正式な外交ルートで動く必要があります」

「お前は、どうするつもりだ」

「帝国との関係を正式に構築して、その上でエレナとの関係を認めてもらう」

国王が少し間を置いた。

「帝国の皇女と、ヴァルドラの王弟——それは確かに、外交上の意味があるが」

「そういう計算ではありません」

「分かっている。ただ——帝国は強大な国だ。正面からぶつかれば、ヴァルドラが不利になる」

「では、知恵を使います」

「どういう意味だ」

「帝国が必要としているもの——それを、ヴァルドラが提供できるなら、皇帝の姿勢も変わるかもしれない」

国王が、ルシアンを見た。

「……お前は、エレナのためにここまでするか」

「します」

「何年かかっても?」

「何年でも」

国王はしばらく黙っていた。

「……協力する。ヴァルドラ王国として、帝国に正式な友好関係を申し入れる」

「ありがとうございます、兄上」

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