表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒薔薇の檻  作者: 麗夜
128/150

第128話「訪問の日」

一週間後、ルシアンは正式な外交使節として帝国の皇宮を訪れた。

帝国の皇太子ライアンが、出迎えた。

「ルシアン王弟殿下、ようこそ」

「お招きいただき、感謝します」

二人は向かい合った。

ルシアンは、ライアンを観察した。藍色の目、整った顔立ち——賢そうな男だ。そして何かを、探るような目をしていた。

ライアンも、ルシアンを観察していた。

外交上の挨拶が続いた。

昼食の席で、二人は向かい合って座った。

「ところで、殿下」

ルシアンが、静かに言った。

「単刀直入にお聞きしたいことがあります」

「どうぞ」

「先月、ヴァルドラ近郊の市場町で、若い女性が倒れて帝国の方に助けられたという話を聞きました。その方が、この皇宮にいると聞いています」

ライアンが、少し間を置いた。

「……何故そう思われますか」

「探している人間がいます。黒髪で、薬草の知識を持つ。ヴァルドラ王宮で働いていた」

「……その方との関係は」

「大切な人です」

ライアンがルシアンを見た。

長い沈黙。

「……会わせることは、今は難しい」

「なぜですか」

「様々な事情があります。ただ——その方の安否については、教えましょう」

「生きていますか」

「生きています。体も、回復しています」

ルシアンは、その言葉に目を閉じた。

生きている。

「……会わせてください」

「それは——今すぐには」

「なぜ」

ライアンが少し間を置いた。

「……殿下、一つ聞いていいですか」

「何だ」

「その方を、どうするつもりですか」

「共に生きる。それだけです」

ライアンが、ルシアンを見た。

その目が、何かを測っていた。

「……少し時間をください。確認することがある」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ