表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒薔薇の檻  作者: 麗夜
107/150

第107話「秋の足音」

八月の終わり、ヴァルン村に秋が近づいてきた。

野原の花が少なくなり、木々が色づき始めた。川の水が少し冷たくなった。

エレナは薬草の収穫を急いでいた。冬の前に、使える薬草を全部干して保存しなければならない。

村の子どもたちも手伝ってくれた。

「これはどこに置く?」

「軒下に。束にして、逆さに吊るします」

「重い!」

「手伝いましょう」

子どもと一緒に薬草を吊るしながら、エレナは秋の空を見た。

高い空だった。

この空の下、王都も同じ空を見ているはずだ。

ルシアンも——この空を、どこかで見ているはずだ。

その日の夕方、村に旅人が来た。

王都からの行商人で、様々な物資と一緒に、王都の噂も持ってきた。

「王都では、ルシアン王弟殿下が大変お忙しいそうで」

行商人が女将と話しているのを、エレナはたまたま聞いた。

「何でも、カルセンと新しい条約を結んで、セルディアとの関係も新しい形で落ち着いたとか。殿下がずっと動かれた結果だそうですよ」

エレナは静かに、その言葉を受け取った。

(セルディアとの問題が、解決した)

ということは——婚約の話も、変わったのか。

エレナは部屋に戻り、川を見た。

夕日が川面を染めていた。

(あなたは——今、どんな顔をしていますか)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ