表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒薔薇の檻  作者: 麗夜
101/150

第101話「見つからない」

四月になった。

ルシアンは海外訪問の合間に、エレナを探し続けた。

各地の情報網を使い、エレナの特徴を伝えた。黒髪、深い目の色、薬草の知識を持つ若い女性——。

しかし、今回は見つからなかった。

前の二回は、エレナの行動パターンから場所を絞れた。でも今回は——エレナ自身が、見つかりにくい場所を意識して選んでいるようだった。

カルセンでミラに会ったとき、ルシアンは言った。

「エレナを探している」

「また姿を消したんですか」

「三度目だ」

ミラが少し間を置いた。

「……今度は、遠いところへ行ったのかもしれませんね」

「どういう意味だ」

「前の二回は、すぐに見つかった。今回も同じなら、もうエレナさんは見つかっているはずです。でも見つからない——ということは、今回は本気で姿を消そうとしている」

ルシアンは黙っていた。

「彼女が消えた理由は、分かっていますか」

「分かっている」

「では——今すぐ見つけることが、正しいかどうかも、考えましたか」

「どういう意味だ」

「エレナさんは、あなたのために去りました。追いかけることで、彼女の選択を否定することになるかもしれない」

「彼女に、選ばせたくない」

「それは——あなたが、彼女の選択を尊重していないということでは?」

ルシアンは、ミラを見た。

「……では、どうしろと言う」

「エレナさんが戻ってきたいと思える状況を作ることが、先かもしれません」

「状況を変えるには時間がかかる」

「そうです。でもエレナさんは——待てる人だと思います。あなたが本気なら」

ルシアンはしばらく黙っていた。

「……どうすれば、状況が変わる」

「セルディアとの問題を、婚姻以外の形で解決できれば——国王の立場も変わるかもしれません」

「方法は?」

「カルセンが仲介できます。私が動きましょう」

ルシアンは、ミラを見た。

「……なぜ、そこまでしてくれる」

「あなたたち二人の話が、カルセンでも語り継がれているんです。平民出身の女性が、誠実さだけで王室に迎えられた話——それは、うちの国の人間にとっても、希望の話なんです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ