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オズ  作者: 紗パカルギ
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交流会③

「はぁ…取り敢えず食べたら落ち着いたなぁ(お腹が)」


真はそう呟いてから近くにあったソファーに座る。



すると、何故か座るスペースが狭かった。三分の一程しか座るスペースがないのだ。




何でだろう?



真は自分の座る位置を手で探る。


すると、なにかフサフサとしたものの手触りがあった。


真は何の気なしにそれをわしゃわしゃと触る。



何だろ、これ。



そう思って手で触っているものの方に顔を向けた。


次の瞬間真は固まった。



ヒトガイタ。




真が今までわしゃわしゃと触りまくっていたのはソファーに寝転んでいた人の頭だったらしい。



真は目の前の真っ赤な癖っ毛の髪に自分の手がまるで撫でているかのように触っているのを他人ごとのように見つめる。


そして、それと同時に目の前の人の瞼がゆっくりと持ち上がった。




金色の瞳が真の姿をすぐに捉えてからみついた。




今まで何人か金色の瞳を持つ人を見たのだが、この人の金色は一番強く、鋭い印象だと真は思った。三年生のキングの一人であるやなぎ瑠夏るか、目の前にいる超美形人物の名前。



「………何?」



低く静かな声で目の前の人は真にそう言った。



ここで真は自分が目の前の人の頭に触っている状態のままだということに気づいた。


「ご、ごめんなさっ…す、すすすみませんっしたぁっっ!!!!」

真はそう言うが早いか手を引っ込め、ソファーから飛び退き柳先輩に深く頭を下げた。




どうしよう、これは完全にやらかしたんじゃあないか!?


先輩の寝ているソファーに無理やり座り挙げ句の果てに頭をわしゃわしゃと触りまくったとか…



誰でも怒るわ!




真は恐る恐る顔を上げる。




すると、いつの間にか目の前に本当に目の前に凄まじい美形の顔があった。


もう少しで鼻と鼻がぶつかりますという距離だ。



「っ!?」真は声にならない悲鳴を上げる。



そんな真の反応など何も気にしていない様子の柳先輩は真を穴があくのではないかというくらいに見つめている。


「…………」

だが、その間無言だ。



真はただただ固まる。



美形に近距離で見つめられることに慣れてる奴なんてそうそういないと思うんだ私。




真は現実逃避をすることにした。






そのまま十秒程経過した時、救世主が現れた。




「瑠夏、奥橋ちゃんが困ってる。やめてあげて」



棒読みのような感情のこもっていない声だが、真にとっては救世主のお声に聞こえた。




その声に反応して柳先輩はようやく真をから目を離した。が、距離はまだ変わらない。




「距離が近いって言ってるのだけど」


また救世主様が柳先輩にお声をかけてくださった。



そのおかげで柳先輩は不思議そうに首を傾げつつ真の顔から距離を離す。




はぁ~…心臓が爆発するかと思った…



「大丈夫?奥橋ちゃん」

後ろから救世主様のお声が聞こえる。

真は救世主様の方を振り向いて感謝の気持ちをたっぷりと込めて言葉を発した。




「はい、ありがとうございます!紫苑先輩!!!!!!!」



目の前には赤紫色の艶やかな髪をポニーテールにしており、同じく赤紫色の丸い瞳を持った美女がいた。三年生のキングの一人、鏑木かぶらぎ紫苑しおんである。



無表情だがちゃんと真を心配してくれていたことが瞳を見たら伝わってきた。



「そう。それなら良かった」


そう言って紫苑先輩はほんのわずかだが微笑んだ。



やばい。う、美しい…


真は思わず見惚れた。



その時、後ろから呼びかけられた。

「奥橋、真」


「!!は、はい!」

真は呼ばれた方向を向く。



って柳先輩が呼んだのか。



柳先輩はソファーに先程と同じように寝転んでいた。



なんか猫みたいだな…



「…ちょっと来て」

「は、はぁ…」


真は柳先輩に手招きされたので素直に近づく。



そして腕を掴まれたと同時に引っ張られた。




ドサッ





「……ヤナギセンパイ……?」

「……何」「……アノ…コレハ…?」


真は今、柳先輩が自分の背中に抱きついて一緒にソファーに寝転んでいる状態になっていた。




「ちょうどいいから」



柳先輩は意味不明な言葉を吐いてから黙った。



どうやら眠ってしまったようだ。



真は寿命が半分なくなるかもしれないと真面目に不安になった。




抜け出そうにも柳先輩の腕が首に巻きついており動けない。


しかも息が首筋にかかっており落ち着かない。


おまけに癖っ毛も首にあたるのでくすぶったい。





何この状況。





真は再び現実逃避をすることにした。




が、現実逃避に入る前に現実で捕まった。




「…何してんだ?」

「え…?コレハ、何でこうなったのか、私が知りたいんだが」


真は目の前に現れた殺気を隠そうともしていないペアの人にそう呟いた。




「奥橋ちゃん、瑠夏とは知り合いか何か?」

紫苑先輩が真を見つめつつそう質問してきた。


「い、いえ。初対面です」

「そう…じゃあ何故瑠夏に懐かれたのかしらね…」


それはこっちがお聞きしたいのですが。

というかこれは懐かれたというのか?

単に目の前にいたのが私だったという訳ではないのだろうか。



そう紫苑先輩に尋ねると即答で「ないわ」と言われた。



「瑠夏は結構好き嫌いが激しいから」

「そうですか…」



じゃあますます何故だ!?



「奥橋ちゃん、その疑問を持つのは最もだけど、おそらく瑠夏はあと一時間は起きないから頑張ってね」



そんな、バカな…



救世主様はあっさりと立ち去っていった。




そして残ったのは会話に一度も入ってこずに私を射殺さんばかりに睨みつけているペアの人だった。



「あ、あの…拓斗さん?」

「お前…先輩に一体何したんだよ」

「何もしてな…いはずだよ?」


「何で自信なさげなんだよ」

「最初にソファーに寝転んでいた柳先輩に気づかずに無理やり座って、先輩の頭わしゃわしゃ撫でましたけど…それ以外は何もしてな」

「何してんだよ、この馬鹿が」



そんな冷たい目で見なくてもいいじゃないか!


あれは事故だったんだよ!




「…拓斗、help me」

「知るかボケ」

「そんな冷たいこと言わずに、ね?」

「自業自得」

「だから、事故だって言って」

「んぅ(柳先輩)」

「「!!!!」」



柳先輩が真の首筋に顔をうずめてきたので、真は思わずビクッとした。(驚いて)

何故か拓斗も真と同じくビクッとしていたのは謎だと思った。



なんか、柳先輩、猫みたいだな。(本日二回目)



柳先輩がスリスリと顔を真の首筋にうずめる行動をされて真はふとそう思った。


よし、柳先輩は猫なんだ。(現実逃避)


真はそう思ってしまったが為につい柳先輩の髪を撫でてしまった。



すると、何故か拓斗の殺気が倍増した。


訳がわからん。



「…男たらし」

「は!?誰が男たらしだ!違うから!」

「じゃあ、お前は柳先輩が特別だから頭を撫でていると?」

「いや、そうではなくて」

「誰でも抱きつかれたら頭を撫でてやると?」

「いやいやいや!しないから!ただ、柳先輩はなんか猫みたいだなって」

「先輩をペット扱い…」

「ちょ、違う!それは違う!」



拓斗がどうしてそんなに怒っているのかがわからん。


何だ、柳先輩と仲良くなりたかったとか?


そう拓斗に尋ねると小さい声で「後で覚えとけよ」と言ってどこかへ去っていった。



え…?私、死ぬかもしれない…?




真は一気に血の気が引いたのだった。





真と柳先輩の状況を見た他の二、三年生は関わると面倒くさいことになりそうだと思ったのか誰も近寄らなかった。


しかし、光だけは違った。



「真、大丈夫ですか?」

「あ、光…」

「大変ですね。何か不自由あれば言ってください」

「ありがとう…光だけだよ…そんな暖かい言葉をかけてくれるのはっ!じゃあ、お水を一杯持ってきてくれない?」


涙声でそう言うと光はクスリと笑ってから「はい」と言ってから一言。


「でも、真の頼みを聞いたら僕の頼みも一つ聞いてくれませんか?」


「え?勿論!何でもできる限りの範囲ならいいよ!」

「言質、いただきましたからね?」

「へ?」



光はすぐに水を持ってきてくれてしかもストローを差してくれていたので寝転んだ状態の私は水をソファーにこぼす心配をせずに飲めた。


「ありがとう、助かった」

「どう致しまして。では、次は僕の番ですね」

「あ、うん、なんでもこい!!」

光…爽やかスマイルがいつも以上に輝いているように見えるのは気のせいかな?


「やはり、お願いはまた後で言いますね。くれぐれも、忘れないでくださいね?」


「了解」



光が去っていった後に考える。



光に限ってまさか「真、死んでください」とかいうお願いではないよね…?



何故かさっき、光は少し怒っていた気がする。

笑顔だったけど目が笑っていなかった。





「今日は厄日だ」




そう呟き真は小さく溜め息を吐いたのだった。



なんか光が妙に腹黒くなってしまった。


まぁ…いいか。



ここまで読んでくれてありがとうございます!!

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