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オズ  作者: 紗パカルギ
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交流会②

「奥橋ちゃん、また先(未来)みてあげようか?」

「い、いえ、大丈夫です」

「んな遠慮しなさんな!同じ生徒会の仲間なんだからさ~!」

「大丈夫です」



先程から真は自分の肩に腕をまわして絡んでくる新生徒会副会長の喜多千景先輩と似たような会話を繰り返していた。



今日は新二、三年生生徒会の仲を深めるための集まりである交流会の真っ最中だった。



場所は三年生のキング専用の寮の一階だったのだが、ここがまた十人が住むには大きすぎる広さなのだ。



食事がテーブルの上に並んでいる。

いつもの食堂にはないメニューばかりなので真はとても感動した。



そして、先輩達に簡単な挨拶をしてから食事を楽しんでいたのだが、喜多先輩に捕まった。



「なんだい、ノリが悪いね~…ん~、じゃあ、私ら先輩達の性格を教えてあげよう!」

「性格?」

真が喜多先輩の言葉に食いつくと喜多先輩はニヤリと笑う。

「あぁ。これから関わっていくんだから知っておいて損はないだろう?」

「まぁ、それはそうですけど…」

「じゃあ、説明してあげるよ!」

「は、はぁ」


半ば無理やりだが、喜多先輩の三年生のキング達の性格説明が始まった。


「まずは、会長になった東堂勇人からで…」



~十分後~


「とまぁ、こんな感じかな」

そう言って喜多先輩はいい仕事したぜといいたげな顔で微笑んだ。


「さ、参考にさせていただきます。ありがとうございました」

「あぁ!いいってことよ!」


見た目が三つ編みおさげでいかにも真面目そうなのにこの性格…ギャップが凄いなぁ(いい意味で)


と真は内心で思いつつ微笑み返したのだった。



喜多先輩が他の二年生に絡みに行ったので食事を再開しようとお箸を構えた時、頭に誰かの手がポンとのった。



一体次は誰なんだ!

そう思って真は振り返る。そして思わず手から箸が零れ落ちた。


「は、波田先輩…?」

そこにいたのは、百九十センチメートル以上の背丈を持つ三年生のキングの一人、波田はた優心ゆうしんが立っていた。


黒髪(短髪)で、黒目(切れ長)の無表情な先輩。先程、挨拶をしただけでそれ以降一切話してはいない。(いや、まだ私、喜多先輩しか話してないか)



今、何故、波田先輩が私の頭に手をおいて、無言で私を見ている(いや、睨みつけている?)のかはわからない。


が、真は取り敢えず再び声をかける。


「波田先輩…どうしましたか?」

「…生ハムメロン」「!?」


突然話したと思ったら予想外な単語すぎて真は固まる。


生ハムメロン?今、この人は生ハムメロンと言ったのか?確かに、食事のテーブルの上には生ハムメロンが置かれている。真は生ハムメロンなんて生まれてこのかた一度も食べたことがないので食べる気満々だったが、残念なことに生ハムメロンは三年生が沢山いる場所にあるので人が少なくなる頃を見計らうつもりだった。


まぁ、三年生を差し置いて生ハムメロンを取るのはどうしても躊躇いがあったのだ。


とにかく、波田先輩は恐らく食べ物の(むしろそれ以外知らない)生ハムメロンのことを言ったのだろうから、生ハムメロンの場所がわからなかったのかもしれない。


真は自分の中で出した答えに納得して頭に未だ手を載せている波田先輩を見上げる。


「波田先輩、生ハムメロンはあちら…に…?」波田先輩は真が手に持っていた白いお皿に何かをそっと置いた。


真は不思議に思ってお皿の上に置かれたものを見る。


それは神々しい光を放った真が食べたいものだった。


「生ハムメロンッ!!」

真は瞳を輝かせながら波田先輩を見上げる。


すると波田先輩は優しく微笑み真の頭をクシャクシャと撫でると何も言わずに歩いて去って行った。


(き、喜多先輩の言うとおりだ!)


『波田優心って奴は、見た目はデカいけど性格は大人しめだね…あと、名前の通り優しい心の持ち主だし気が利く。なんか私達三年生の中では母親みたいな存在だね~』



真は波田先輩の後ろ姿を見ながら「頼るならあの人だ」と強く思った。



きっと真が生ハムメロンの方をチラチラ伺っていたことに気づいてわざわざ持ってきてくれたのだろう。


(やばい。惚れる)

真は真面目にそう思ってから生ハムメロンを食べるのだった。



(美味しい…)


そんな幸せに浸っている真のすぐそばで新生徒会長である東堂は凄い速さで沢山のものを食べていた。



「勇兄…あんまり一気に食べると喉に詰まらせるよ?」

そう言って東堂の隣で琴音が呆れている。



端から見るとまるで…

「美女と野獣」

と思わず真は呟いてしまう。すると、後ろから「あははっ」と笑い声。

「まぁ、確かに。でも、東堂君も野獣っていうほどの顔ではないわよね…どちらかというとイケメンの部類かしら…」

「き、清子先輩」

「真ちゃんずっとたべてるんだもの。こちらから話しかけないと交流できないじゃない?」


そう言って片目をパチリ。

こんなにウインクが綺麗にできる人なんて見たことがないというくらいに完璧なウインクを見た真は感心する。



腰まで伸びる桃色のストレートな髪。少しツリ目な桃色の瞳。その瞳の左には泣き黒子がついているのだが、それが妙に色っぽく感じた。

真の前には麻美あさみ清子きよこが立っていた。




「真ちゃん、さっき、波田君に生ハムメロン貰ってたわよね」

「は、はい!いただきました!」

「おいしかった?」「はい!もう、最高でした!」

「そう…それは良かったわ…っっ」

「…清子先輩?」

「…真ちゃん、抱きしめていい?」

「はい?」


次の瞬間真の視界は真っ暗になり柔らかいなにかに押し付けられていた。


息ができない…


清子先輩の大きな胸で息を塞がれた真は身動きがとれなかった。

「あぁん、可愛い!なんか二年生の後輩ちゃんは皆可愛い子ばかりで私、癒やされるわ~!琴音ちゃんは東堂君に頑張って女性として見てもらおうとしている姿が可愛いし、愛奈ちゃんはまぁ、ツンデレね!可愛い!恋ちゃんはもう見た目が小動物的で人見知りってところもいいわよね…でも毒舌。真ちゃんはいつも楽しそうで素直な受け答えが可愛すぎっ!あと、天然ね!」



凄い早口で言われて真は頭が混乱するがどうやら嫌われてはいないということは確実にわかった。



というか、息がっ!


真は清子先輩の背中を力なくペシペシと叩く。

そこでようやく清子先輩は離してくれた。


「ぶはっ!はぁ…はぁ…死ぬかと思いました…」

「ごめんね~つい☆」


悪い人ではないけども次からは気をつけようと思った。




「清子姉さん!真ちゃんを窒息死させたら駄目ですよ?」

「わかってるわよ~!あまりにも可愛いからつい抱き締めたくなっちゃったんだもん!」

「まったく、姉さんったら…」そう言ってため息を吐いたのは麻美あさみ清香きよかという、麻美清子の双子の妹さんだった。つまり、姉妹揃ってキングなのだ。


妹さんの方は髪は清子さんと同じ桃色でショートボブ。瞳も同じく桃色でそっくりだけど、お姉さんより少しツリ目ではない。むしろタレ目だ。そして、お姉さんとは反対で右目に泣き黒子がついていた。



まぁ、姉妹揃ってダイナマイトボディでもある。



やっぱり、神様は不公平だと思うっ!



「真ちゃん、ごめんね。うちの姉さんが」

「い、いえいえ!大丈夫です!」

「大丈夫って言ってるからいいじゃない?真ちゃん、週一でいいから私を癒やしてね!」

「そ、それは、その」


真が返答に困っていると清香先輩が苦笑しつつ「姉さん」と言って清子先輩をたしなめた。



なんか姉と妹の立場が逆なような気が…とは思ったが真は口にはしなかった。



「だって、後輩ちゃん達可愛い子ばかりだと思わない?清香」

「確かにそうですね」

「でしょ~?あんたも真ちゃんと話してみたら抱き締めたくなっちゃうわよ、きっと!…真ちゃん、さっき波田先輩から生ハムメロン貰って嬉しかったわよね?」


真は清香先輩からそう問われて先程の波田先輩の優しい行動と生ハムメロンの味を思い出す。


やばい口がにやける。


「はい!とってもっ!」

「っ!!!」

何故か清香先輩が瞳を大きく見開いて真を見つめている。


「??清香先輩?」「真ちゃん、ちょっとじっとしててくれますか?」

「はい?」




次の瞬間、何故か清子先輩と同じように清香先輩からも抱き締められていた。







「ごめんなさい!あまりにも無邪気な笑顔につい…」

「だ、大丈夫ですよ」



清香先輩は頬を赤らめつつ申し訳なさそうな顔で謝るので真は罪悪感すら芽生えた。



「真ちゃん、週一でいいから私に抱き締められてくれませんか?」

「えっ!?」

「清香だけずるい!私も私も~!」

「あ、あの」



真はもうどうすればいいのかわからなくなったのだった。




その頃、恋は…



「あの、わ、私は真の側に行きた」

「「ちっちゃい(な)(ね~)」」

2人の先輩は声を揃えてそう呟いた。

「!!こ、これから伸びます!」

恋は涙目で目の前の先輩達を睨みつける。


「あ、怒っちゃった?ごめんね!恋ちゃんが可愛いからつい言っちゃったんだ」

そう言って人懐っこい笑みを浮かべるのは三年生の神木かみき雅也まさやで、女性のような長い黒髪を後ろの低い位置で一つに束ねており、瞳は金色ツリ目だった。


「…冗談、やめてください」

恋が睨みつけつつそう言うと神木は笑顔を浮かべたまま「本心だよ」と言って恋の手を優しくとって手の甲にキスを落とした。



恋は「っ!」と声にならない悲鳴を上げて固まる。


「あ、気をつけろよ赤姫。コイツは『真城2号』と呼ばれているから」


そう言ったのは神木と同じく三年生の佐久間さくまりきで銀髪(短髪)でまるで睨んでいるかのように鋭い紫色の瞳をしている。

だが、言葉からして怒っているようではない。

なんともわかりにくい先輩だなと恋は思った。


それよりも佐久間先輩は先程何て言った?神木先輩は『真城先輩2号』と言わなかったか?

つまり…



「女ったらし」

「ひどいな~俺はたらしではないよ?まぁでも、女の子は大好きだよ☆」

「神木はいつもこのテンションだから覚えておくといい」

「…はい」



恋は冷たい目で神木先輩を見つめるのだった。




駄目だ!三年生のキング十人出せなかった。残りの三人は次回出します。



ここまで読んでくれてありがとうございます!!!

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