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オズ  作者: 紗パカルギ
51/72

キング

中丸先生に視線のことを相談してから何故かぱったりと視線を感じなくなった。

(きっと中丸先生が何かしてくれたんだ。あとでお礼言っておこう)

真はそう思いつつホッと胸を撫で下ろした。



時刻はキング発表のお昼になった。

「只今から、新しいキングに選ばれし十名を発表します。十位の方から名前を呼びますので呼ばれた生徒は壇上に上がってきてください」


イケメン女子こと副会長の如月友音先輩が淡々とした口調でマイクを片手にそう言い放つ。


会長は横でニコニコとスマイルを周りの女子生徒に振りまいているだけ。

何やってんだ会長。


「では、発表します。第十位は柏谷かしたに なぎ君」

柏谷と呼ばれて立ち上がったのはとても性格よさそうな男子生徒だった。

黒目に黒髪でスポーツできそうなイメージの人に見えた。

事件はこの数分後に起こる。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次々とキングの名前が呼ばれていく。

九位には絶対にキングに入ると言っていた足影麓君が入っていた。

有言実行した足影に真は感心しながら心からの拍手を送る。


「続いて、第八位は、実技中心クラス治療学科 赤姫 恋さん」



「「…え!?」」


恋も真も同時に驚き固まってしまう。

だが、真はすぐに我に返って恋の肩をバシバシ叩く。

「れ、恋!ほら、立って立って!!」

「ふぇっ!?あ、うっ…うん??」

まだ状況を理解しきれていないようだが恋は真の言葉に従って席を立ち、ふらふらと壇上へと上がって行った。



一番驚いているのは本人なのだろうが真も十分驚いていた。

確かに恋は頭も良く治療の腕はずば抜けていたので選ばれないと思っていた方が間違いだったのかもしれない。

真は嬉しい気持ちと同時に少し寂しい気持ちになる。

(これで恋とは一緒の授業を受けられなくなるのか…)


「続いて、第七位は、学問中心クラス分析学科 瀬木せぎ 蘭丸らんまる君」


「はい」


という声と共に立ち上がった人物に黄色い歓声が上がる。


真もつられてそちらを向くとそこには鋭い目つきで少し近寄りがたそうな雰囲気だか確かに黄色い歓声が出る程の美男子がそこにいた。


髪と瞳は濃い青色で眼鏡がキラーンという効果音がつきそうな人物だ。

(え?よくわからないって?大丈夫!私だってまだわかんない!!)


そんな謎だらけの瀬木君の次に呼ばれたのは安定の人々だった。


第六位 宮崎愛奈、第五位 白木琴音、第四位 新崎霧、第三位 海藤拓斗、第二位 若宮光という順で呼ばれていった。


真は内心だろうねと思いつつ寂しさが込み上げてくる。

(なんか私の周りの人ばっかりキングになった気がするなぁ。これからの学園ライフがまさかのぼっちになってしまう可能性がでてきたぜ…)

ここで真はふと疑問が浮かび上がってきた。若宮や海藤を抜いて一位を取る者は一体誰なのだろうと。

(きっと相当すごい人だよな…あの二人を抜くなんて)

そんなことを思いつつ皆に拍手を送っていると友音先輩の声が再び会場内に響き渡る。


「そして、栄えある第一位は、」

と言った瞬間に会場が真っ暗になりスポットライトがくねくね動き出す。

スネアドラムの音がどこからか聞こえてきた。そして止まる。


ダダンッ!!!


「第一位は実技中心クラス防御学科 奥橋 真さん」

「…………………んっ??」


どうしてこんなに目の前が眩しいんだろう?

そしてどうして皆こっちを見ているのだろう?





友音先輩の口が動いたのは見たがよく聞き取れなかった。

いや、聞き間違えたのだきっと。


会場が騒がしくなり始め、皆が驚きの声を発している。


真は心臓の鼓動が速くなるのを感じていた。



ドッ ドッ ドッ



きっと聞き間違いだ。だって、だって私は…



「奥橋真さん、壇上へ上がってきてください」

「……………」


真は自分の耳を塞ぎたい衝動に駆られたが懸命にそれを抑え込みゆっくりと席をたった。

頭の中が?マークで埋め尽くされてしまい真は何も考えることができなかった。


ただただ言われるがまま壇上に上がって行く。


あぁ、これはきっと夢だ。そうだよ、夢なんだよ。

そんなことを思いながら真は壇上の上に用意されていたイスに腰掛ける。



「では、全員発表したところでキングの称号授与式に移ります。キングの皆さんは起立してください」


言われたとおりにイスから立ち上がる。


あぁ、とてもよくできた夢だなぁ…


「では、一位の奥橋さんから順にキングの印をつけさせてもらいます」

そう言って友音先輩が真の目の前に来てブレザーの胸元に何かバッジらしき物を付けた。


見るとそれは小さな星の形をしていて金色だった。すごく光り輝いている。



なんか、この夢よくできすぎているような気がしてきたのはきっと気のせいだ…


真は自分にそう言い聞かせる。



「おめでとう」

友音先輩は優しい笑みでそう言ってきた。

真は思わず自分の頬を思いっきりつねった。

あまりの痛さに少し涙目になる。

そして気が付いた。



「あ、これマジすか」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その後キングの人々だけ別室に集められたのだが、なんというか、濃いメンバーだなと思った。


いつもの美男美女五人組に加え唯一学問中心クラスからキングになった瀬木という男子生徒はずっと不機嫌そうな顔をしており近寄りがたい。

足影に関しては何故かずっと黙想をしているかのように座禅を組んで動かない。


そんな中、真はまだ状況を呑み込めずにいた。


「れ、恋、絶対に何かの間違いだよ!私が一位なわけないもん」

「た、確かに真、ポイントは星一つだって言ってたもんね…」


恋も首を傾げながら難しい顔をする。

そんな二人に天使が話しかけてきた。


「まさか、真が抜いてくるとは思ってませんでした。油断してました」

「ち、違うっ!絶対に私は光より上じゃないはずだ!星一つだったんだよ!?」

「……真、ポイント表を見せてもらってもいいですか?」

「どうぞどうぞ!!えっと、……ほらっ!星一つでしょ!?」

『奥橋 真(女) 実技中心クラス防御学科 一年     ☆

         今日までの合計ポイント 9650000p   』


ポイント表を見せた途端に周りが一気に静かになった。

えっと、みなさんどうしました?


「ま、真…これって」

恋が震えた声でそういって目をまん丸くしている。

同じく光も珍しく目を大きく見開いて真のポイント表を見ていた。


「……え?どうしたの?こ、これさ…星一つ、でしょ?」


すると、ここでいつも元気いっぱい新崎君が真の目の前まで来てポイント表をじっと見つめる。

「スゲー!!俺、白星初めて見たー!!!」

「しろぼし?」

「俺らは一億p貯まるごとに黒い星がついていくんだよ。でも、黒星が五つ以上貯まると白星がつくんだ。つまり、奥橋は黒星で数えると星六つってこと」

キラキラ笑顔でそう言われて真は気を失いそうだった。


「嘘ダ…」

「本当だって!話では聞いたことあったけどまだ白星だした生徒はいないって前中丸先生言ってたからさー、すごいな!奥橋!!」

そう言って新崎は真の肩をバシバシ叩きながら笑う。


わ、笑えない!非常に笑えないっつーの!!


真は泣きそうになる自分を奮い立たせて引き攣りつつ笑顔を作った。





そんな中、中丸先生が教室内に入ってきた。

「どうも、キングに選ばれし諸君。じゃ、早速明日の予定について説明しようか」


生徒全員が何のことかわからずに黙り込んだ。


「お前ら十人は明日から同じ寮に住むことになる。だから今日の内に荷物を片付けとけ」


「「「はぁ!?」」

何人の人が同時にそう言ったのかは不明だが、真もその中の一人だった。


「さぁ、明日から忙しくなるぞキング諸君。今日はゆっくり休めよ☆」

中丸先生はニッコリと微笑みながらそう言ってから部屋から出て行った。

この時、真は初めて中丸先生に怒りを覚えたのは勿論のことだった。




残された生徒は皆少しの間沈黙していたが、瀬木君は誰よりも速く動き始めて教室から何も言わずに出て行った。

そこから柏谷君も真達に会釈をしてから立ち去り、その次に足影君が瀬木君と同様何も言わずに立ち去った。


「じゃ、俺も明日に向けて寝る!」

そう言って新崎は元気よく教室から出て行き拓斗も欠伸をしながら出ていった。

「さて、では僕もお先に失礼します」

光はにこやかにそう言って立ち去って行った。


残された真、恋、愛奈、琴音は皆で大きくため息を吐く。


これからあの男子達と同じ寮で生活と考えると皆不安しかなかったからだ。



(これからどうなるんだろう…)

真はそんなことを思って泣きそうになるのだった。


ここまで読んでくれてありがとうございました!

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