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オズ  作者: 紗パカルギ
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テスト結果

テストは無事に終了し結果が返ってきた。

真は自分のテスト結果が書かれてある用紙を凝視してしまう。


「数学の点数が過去最高点だ…!!」

思わず言葉にしてしまう程真にとっては嬉しいことだった。


今まで足を引っ張ってきた数学がまさか今回のテストの教科の中で最も高得点になるとは夢にも思わなかったのだ。


(本当に若宮君は天使だ!!ありがとう、天使様!!!)


真はそう心の中で呟いてから自分の結果用紙をギュッとくしゃくしゃにならない程度に抱きしめる。


「真、結果が貼ってあるよ」

「?」


恋が複雑な表情をしながら廊下に貼ってある結果表を指さした。


貼ってあるのはわかっているがその結果表は学年で上位百位以内の者の名前と点数が貼りだされるのであるから真には関係のないことだと思っていたので首を傾げる。


兎に角、恋に言われた通りに結果表を見た真はそこで思い出した。

あの天使との約束を。


若宮君は学年一位を取ったら自分のことを名前つまり「光」と呼ぶという約束をした。

しかも、真だけでなく何故か恋もその約束の中に入ってしまっていたのだ。


約束をしたその夜、恋にそのことを話したら、少し複雑な顔をしながらも「いいよ」と言ってくれたので安心した。



そして今、結果表に目を移して百位からだんだん上の順位へと上って行く。


(なんか、緊張するな)


そしてとうとう一桁の順位のところまで来た。だが、まだ若宮君の名前は載っていない。


ゆっくりと視線を一位まで移していく。


「「あ」」


恋と真はふたり同時に同じ反応をしてしまう。


なぜならそこには「一位 若宮 光  1100点」という文字が見えたからだ。


「本当に一位になってる…すごい、有言実行だね!!」

と真は恋に向かって興奮気味に言うと恋は少し黙ったあとに「だね」とだけ言って俯いた。


気のせいだとは思うのだが、今さっき恋のほうから舌打ちらしき音が聞こえた気がしたがきっと空耳だと信じたい、と思う真だった。




真達の他にも廊下には生徒がたくさんこの結果表を見ており、口々にいろんな事を言っている。



その混雑している中をかいくぐって真と恋は一足先に実技授業がある訓練場に向かった。


すると、訓練場には真達よりも先約がいた。

しかもその人物は真達と約束をした若宮君であり、真は目をまんまるくする。


真達はいつも実技授業は午前の部を受けるのだが、今まで一度も若宮君を見かけたことがなかったのだ。

彼は演劇部でまた次の演劇の練習がすでに始まっており午前の部には行くことができないと本人が言っていたのをこの前聞いた。


なのに、今、目の前に若宮君がいるので真は少し動揺してしまう。


「おはよう、真、恋」

さすが演劇部。声がたまらなく甘くてかっこいいので真は思わずドキリとしてしまった。

(というか、早速きましたね!!?)

真は一度深呼吸をしてから挨拶を交わす。

「お、おはよう…こ、光?」

「おはよう、光」

上から真、恋の順なのだが、何故か恋は不機嫌な声で返している。



光はそんな二人を見てニコリと微笑んだ。まるで「よくできました」と言っているように見えた。



(あれ?今、天使のキラキラ笑顔が黒く見えたような…??)


そんな恐ろしいことを考えてしまった自分に真は「気のせいだ」と言い聞かせるのに苦労した。


その後、真は今の状況に意識を戻した時に何か空気の違和感を感じ取る。

(何か、ものすごく殺気のようなものを隣から感じる…?)

そして、恐る恐る真は自分の隣に目を移して恋を見た。


そこには、恋が先程の不機嫌な声の時とは打って変わりニコニコ笑顔で光を見つめていた。


真はホッと胸を撫で下ろす。

(まさか、恋が天使に殺気を向けるなんてことするわけないよね)

が、そんな安心も束の間に恋が口を開いた。


「まさか、光が一位を取るとは思ってなかったなぁ」

「おや、そうですか?それはすみませんでした」

「ううん、別にいいよ」


二人ともはニコニコと笑顔で会話をしているはずなのに何故こんなに空気がピリピリとしているのか真にはわからなかったが、とにかく怖いとしか言いようがなかった。



だが、真の気持ちなど察していない二人の会話は続く。


「でも、恋に負けそうでひやひやしましたよ?今回はギリギリ僕が勝ちましたが」

「まぁ、五点差だしね。でも、負けは負けだもん。きっと努力したんでしょ?」

「努力はいつもしてますよ」

「……そうなんだー」


うふふ、あははと笑い合う二人だが、会話がなんか二人とも相手に対して少し棘のある言い方のように聞こえなくもないのが真にはすごく気になったが口を挟めるほど真は勇者でもなかった。


確かに恋は今回のテストは学年第二位で惜しくも光と五点差という結果であったのだが、やはり悔しかったのだろうか。


(というか、恋ちゃんいつもよりちゃんと会話をしている!?)

ものすごく恋に対して失礼な物言いだが、それほど今の恋は達者にしゃべっていたのだ。


そんな恋を見て真はうるっとしてしまう。

(恋…大きくなったね…)

と、真は保護者の気持ちで恋を見守っていることにするのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「今日は、二人組を作ってもらうぞー。あ、今回は男女で作れよ。ペアが決まったらその場に座っとけ。はい、スタート」

中丸先生はそう言って手を一度パンと合図として叩いた。


皆一斉に動き出す。

(あれ?なんかこの光景見たことあるような…?)

と真は思ったがそのことを深く考える暇もなく誰かに腕を掴まれた。


そしてグイッと引っ張られてガシリと首を絞めるような形で確保される。

そしてそのままストンと地面にその人と一緒に座る形になった。


「………」

「………」


真は一体誰なのかを知りたいのだが一向に首にまわされた腕を相手が離してくれないので相手の顔を見れない状況のままだった。


しかも、相手はだんまりを決め込んでいる。

さてどうしようかと悩んでいると突然首にまわされていた腕が離れて背中をドンと押され、前のめりに倒された。


「うびゃ」

「何固まってんだよ、抵抗ぐらいしろ」


その口調と不機嫌な声で誰だか特定できたのはよかったが真は少しムカついた。


「突然、そんなことされたら誰だって固まるわ!!」

「…はぁ…お前、そんなんだから魔人にすぐに狙われんだろーな」

「なっ、んですと!?それとこれとは関係ないでしょ!?」

「悪い、お前そんなに賢い奴じゃなかったんだったな」

「うるさい!ってか、ただの悪口を言わないでくれる!?」


真は額に怒りマークが付きそうなほどの顔で目の前でニヤニヤと面白そうにこちらを見ている拓斗を睨んだ。


もう、完全に相手を馬鹿にしている目でこちらを見ているのでイライラする。

どうにかしてこの余裕顔を崩してやりたいところだが、いい案がすぐには出てこないのが悔しかった。



そうこうしている内に皆が座り終わった。

それを確認すると中丸先生は今日の授業内容の説明を始めた。


「今日は、期末テストも終わり、いよいよ『キング』になる者が決まってくる時期が近づいてきている。そこで、だ。今回の授業は言ってなかったが学問中心クラスも合同で行う実技テストとする。そして競ってもらう。しかも、順位もつけるし上位になったペアにはポイントもある。どうだ、やる気が出てきただろ?ちなみに今回のこのテストでもらえる最高ポイントは1000000Pだ。で、こんな重要なテストを今すぐにやるのは鬼だと思うから明日一日中を使って行うことにする。だから、今日はペアの奴と計画を考えるなり仲良くなるなりしとけよ。ちなみに、テスト内容は…明日発表する。では、今日は自習時間とする。以上、解散」



皆ポカンと口を開けて少しの間放心状態だったがすぐに騒ぎ出した。


そして皆が一斉にペアの人と一緒に散らばって行ったので真は少しビビった。


(み、皆さん目が本気になっていた。ポイントの力恐るべし!!)


「おい」

「あだっ」


何故か拓斗からチョップを頭にくらい真はイラッとする。

「いきなり何すんの!?」

「お前がぼけーっとしてるから喝を入れてやったんだ。感謝しろ」

「絶対するか!!」


そう言って真は拓斗に向かってチョップをしようとするが簡単に止められてしまった。

そしてそのまま頬をグニ~っとつねられる。


「いった!!」

「この前のお礼」


拓斗はニヤニヤしながらそう言って笑う。

真はもうイライラが募りすぎていたので冷静さを失いかけていた。


気が付くと真は自分の身体のまわりに風が集まってきているのがわかった。


「ありがと~、すっごく嬉しい。んじゃあ、私ももっとすごいお礼をしなくっちゃ☆」

そう言いながら真は拓斗に向かってニコリと微笑む。

ただし、額に怒りのマークつきで。


「やれるもんならやってみろ」

拓斗はそんな真から目を離さずにそう言い放つ。


こうして二人の間には火花がバチバチと散るのだった。

ここまで読んでくれてありがとうございました!!

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