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オズ  作者: 紗パカルギ
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些細な悩み

今回は短めです。

真のほんの些細な悩みについて。


~「このクラスにオズはいるか?」~


海藤拓斗の発言が気になる中、その日の授業は淡々と進み、いつの間にか放課後になっていた。

真は部活に入っていないのでさっさと家に帰宅する。

ちなみに美夏は吹奏楽部に入っている。

徒歩十分程しかない帰り道。学校の校門をちょうど出たところで後ろから声をかけられた。


振り向くとそこにいたのは海藤拓斗だった。

「奥橋真、だったよな?」

真は何故か緊張しながら「はい」と答えた。

「霧から聞いたんだけど、もしかしてあんた」

海藤が言い終わらない内に真は言った。「私には人間としての能力がないらしいですよ」

すると海藤は首を傾げながら

「霧に言われたのか?」

と聞いてきた。「はい。悪意のない笑顔で言われました」

真はそう答えながら無性に泣きたくなってきた。

「そうか…」

そう言ったきり海藤は黙ってしまった。

「あの、用がないなら帰っていいですか?」

真はしびれを切らして海藤にそう尋ねた。

「あぁ、悪い。引き止めて」

海藤はそう言うとさっさとどこかへ行ってしまった。

真も家へと歩き出した。

やけに心臓の鼓動がうるさい。

「あぁ、一週間か…」

真は小さい声でそうつぶやいた。









真は帰り道の途中にある公園のブランコに座ってぼーっとすることが日課になっていた。

今日もいつも通り四つ並んでいるブランコのうちの一番右に座る。

キィ…とブランコの音が響く。

今日は少し風が強かった。

学校での海藤の言葉がずっと頭の中で繰り返される。

私は普通の、どこにでもいる女の子だ。ずっとそう自分に言い聞かせて生きてきた。

少し、ほんの少しだけ皆と違うけど…

でも、私はただの…

真はそんなことを考えながら下ばかり見ていたせいか、目の前にきたモノに気づかなかった。

「あのう、すみません」

真は顔を上げる。

一見、人のよさそうな笑顔を浮かべた二十代ぐらいの男性が目の前に立っていた。

だが、真には見えていた。本当の姿が。

真は少しもあわてずに

「どうしたんですか?」

と笑顔で答える。

「この辺りに友人の家があるはずなんですが、道に迷ってしまって…」

「そうなんですか…地図とか持ってますか?」

「はい。これです」

そう言って男性は小さく折り畳まれたメモ用紙を真に渡す。

真はそのメモ用紙を開きながら、

「私を喰らう気ですか?」

と男性に聞く。

返事がないので真が男性を見るとそこには先程まで男性のフリをしていた悪魔が立っていた。

男性の頭がガパリと裂けて口になっていた。

「ナンダ。キヅイテタノカ。ダッタラハナシガハヤイ」

悪魔はそう言って真にかぶりついた。

ハズだった。


真はメモ用紙をポケットにしまいながらスクールバッグを手に取り、悪魔を避けて家に帰って行く。

「ェ?」

悪魔はその言葉を最後に砂のように崩れてやがて風にとばされて跡形もなく消えた。

「はぁ…」と真は溜め息をつく。


真は物心ついた頃からオズが使えた。

しかも、たくさん種類を持っている。




これが、ごく普通の女子高校生のほんの些細な悩みだった。

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