ペアをつくりましょう
新キャラまた登場!
「というわけで今日から実技中心クラスに移動してきた奥橋と赤姫だ。皆仲良くな」
中丸先生は眠そうな目&声で真達を紹介した。
ざっと周りを見渡すと百人弱の生徒がいた。なのにまだまだ奥行の広い訓練場…
広すぎるでしょ、どう考えても。
「じゃ、二人にも慣れてもらうために今から男女でペアをつくってくれ」
そう中丸先生が言うが早いか皆機敏に動き出す。
真と恋はオロオロと周りを見渡す事しかできなかったので中丸先生は「お前らも勿論男女でペアつくれよ?」と言ってきた。
慣れてもらうって何に?え、社交的になれという意味ですか?
そんなことを真面目に考えていたところふと目に入ってきたのは女の戦場風景だった。
「拓斗様~私と組んでください!!」
「いや、私と組んで~絶対に楽しませるから~」
「た~く~と~さ~ま~!!」
おおう…見事に海藤の周りは女子生徒に取り囲まれているではないか…!
しかも皆我先にと隣の女子を押しのけては誰よりも前へ進むという状況。
こ、怖い…お化け屋敷とは違った怖さがある…
そんな事を思いながら真は海藤から距離を取って適当に相手を探すことにした。
あ、ちなみに新崎も海藤とまったく同じ状況だった。一瞬新崎と目が合い助けを求めるかのような視線を感じたが真は見てみぬフリをした。
さっきからかったお返しだ!!せいぜい困りなさい!!
さてと、どうしようかな…
大半の女子が海藤&新崎にくっついているので他の男子は失礼だが取り残されたような状況だった。
真は別にすっごい人見知りというわけではない。むしろ八方美人と美夏からはよく言われていた程だ。
なので早速近くにいた男子生徒に話しかけることにした。
「あの、すみません」
「?」
「まだ、ペア決まってない、ですか?」
「あぁ。決まってない」
そう言いながら振り向いた男子生徒はなかなかの整った顔立ちだった。
切れ長の瞳で色は濃い橙色。髪も瞳と同じ色で女の人の髪の毛みたいに艶々としており後ろで軽く一つ結びをしている。長さは腰辺りまである。
焦った…間違えて女の人に声かけちゃったかと思った…
「私もまだ決まらなくて…よかったらペア、組んでくれませんか?」
真が笑顔でそう尋ねると男子生徒はコクリと頷き
「助かる」
と一言そう言っただけだった。
つまり、それは承諾してくれたということでいいんだよね??
「じゃ、じゃあ、先生に言いに行ってくるよ!あ、名前まだ言ってなかった。私は奥橋真です。よろしく」
「…足影麓だ。よろしく」
真は足影の名前を復唱した後中丸先生に報告をしに駆けて行こうとした。すると、真の腕が誰かに掴まれる。
「?」
「いい。俺が行くから。奥橋はここで待ってろ」
「は、はい。じゃあ、お願いします」
なんと足影が代わりに言いに行ってくれた。
よかった…なんか性格悪い人じゃなさそう…ってまだわかんないか。
美夏に「すぐに人を信用しすぎ」と怒られた事がよくあるほど真はすぐに人を信用する。
別に馬鹿なわけじゃないんだよ!ただ、本当に良い人だなぁって思うから…ねぇ?
って、そういえば恋は大丈夫だろうか?真は慌てて周りを見渡して恋を捜す。
すると、恋は何故か中丸先生とペアになっていた。
「せ、先生とってアリなの!?」
真は思わず口にだしてしまった。
どうして恋は先生なんかと!?いや、別に先生がダメなわけではないんだけど…
「奥橋、どうした?」
「にょっ!?」
「??すまん。驚かせたか?」
真がぽけーっとしている内に隣に足影が戻って来ていたとは知らずにあからさまに驚いてへんな声がでてしまった。
いや、足影君よくよく見るとただの美少年じゃないですか…本当にオズ学園は美形が多すぎだろ…
そんな事を思いながら真は再び足影をまじまじと観察する。
うん、もう声が可愛くて瞳がもう少しつぶらで丸かったらただの美少女だよ。
睫毛はとても長いし肌もニキビ一つないとても綺麗で思わず女子が嫉妬するレベル。
ただ、一つ惜しいのはさっきから足影は表情が少しも変わらないという事だった。無表情で一体何を考えているのかがさっぱりわからない。
せっかく綺麗な顔なんだから笑えばいいのになぁ…
「…奥橋?」
「はい?」
「俺の顔に何かついているか?」
「いや、ついてないよ!ごめんただあまりにもおんな…なんでもない!」
「?そうか」
危ない危ない。『女の子見たいに綺麗』って褒め言葉ではないよね?
少ししてからようやく皆ペアが決まったようだ。海藤と新崎のペアはじゃんけんで決まったらしい。
中丸先生は「やっと決まったか…」とすでにお疲れ気味だ。
「じゃ、その相手が今日の対戦相手になる。今から、三つの実戦エリアで一組ずつ入ってもらい一対一で真剣勝負をしてもらう。この授業は今日が初めてだ。だから、お互いのオズも知らない奴がほとんどだろう。これに慣れておく必要がある。まぁ、オズを知っているなら知っているなりに対処の仕方を考えるということに繋がるがな。五分後に最初の三組が実戦を行えるように準備すること。以上、解散!」
………あれ、私はてっきりペアで協力してなんやかんやの訓練をするのかと思っていたのにまさかの敵ですか!?
真は足影の方を恐る恐る見る。すると足影は真の視線に気づいて首を少し傾げる。
「どうした?」
「足影君って強い?」
「…さぁ、どうだろうな。奥橋は強いのか?」
「私は…どうだろう?」
「お前、銀城先生を倒したんだろう?」
「う、知ってましたか。でもあれは私が喧嘩を売ったんじゃn」
「お互い、頑張ろう」
「……うん、ソウダネ」
足影君は真の肩をポンポンと叩いてから親指をグッと突き出した。
うん。話は最後まで聞いてくださいね…??と少し泣きそうになった。あれ?
そういえば、と思い真はある疑問を抱いたので足影に問いかける。
「足影君、私たちって順番いつか分かる?」
「あぁ。すまん。言い忘れていた」
そう言って足影君が片手で順番の数を示した。
「三番目だ」
「……へっ?」
その時、最初の三組の対戦が始まるまであと三分だった。
ここまで読んでくれてありがとうございました!




