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オズ  作者: 紗パカルギ
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なんか久々に感じる人々(笑)が少し出てきます。

「真…大丈夫?」

可愛い赤色の瞳で心配そうに見つめる恋は真の頭をポンポンと撫でる。


只今、奥橋真は自室の机の上に頭を突っ伏して絶賛反省中だった。

どうしてあの時(銀城先生とのお話という名の喧嘩の時)女の子らしく「きゃあ☆」とか言いながらその場にしゃがみこまなかったんだよ私!


ようやく学園にも慣れてきてしかも学問中心クラスになることもでき、さぁ!ひっそりと生きて行こうとした矢先にこれだよ。

もう自分の運の無さに笑えてきちゃいますね…


「真、銀城…先生を倒して実技中心クラスになったんだよね?」

「ぐふぅっ!!」

恋は気を使いつつ真の胸の傷をナチュラルに抉ってきた。

そう、生徒内では『奥橋真が銀城に喧嘩を売って見事勝利!そして銀城に自分を学問中心クラスから実技中心クラスに移動させろと命令した』ということになっているらしい。(恋情報)


まだ昨日の出来事なのに何故いち早くそんな噂は広まるんだよ。てか、早すぎるでしょ…


そして恋ちゃん情報を得るの早いよね…案外噂好きなのか…?

そんな事を考えつつ真は大きなため息を一つ吐いてから恋の方に顔を向ける。

目の前にはまだ心配そうにこちらを見つめる恋の姿があった。


「…真、そんなに傷ついた…?」

「いや、違う違う!ただ、自分の行動の判断ミスに悲しくなっただけ…」

「そんなことない!真、優しい!」

「あはは、ありがと~」

「だから、私も一緒だよ!」

「……えっと、恋ちゃん?何の話かな?」


気を抜くとこのように恋との会話が噛み合わなくなるのだが、この頃耐性がついてきた。

そう思っていたのだが、まだまだ私は未熟者だったらしい。


「私も今日から実技中心クラスになるの…」

「…へっ?」


恋の説明によると昨日治療学科にも銀城先生がきたらしく、突然恋の目の前にきて『傷は治せんのかぁ?』と聞かれたので頷いたところなぜか『じゃあ、明日から実技中心クラスに行け』と言われたらしい。


まっっったくわけがわからない。他の生徒だって傷くらい治せるだろうに…

恋も私と同じ被害者だったことを今初めて知ったのだが、これはあまりにも理不尽だ。

もう、先生に抗議してこようかなと思って立ち上がったところ恋が慌てて私を止める。


「い、いいの!これで良かったの!」

恋はそう言ってきっと私に気を使ってくれているのだろう。だが、私はともかく、恋が無理やり実技中心クラスに移動させられるのは納得いかない。

「大丈夫、恋のクラスは学問中心クラスのままにしろって言ってk」

「違うの!私は真と同じがいいの!」


恋にしてはめずらしく大きな声だった。真はキョトンとして「そ、そう?」と聞く。

すると、恋はコクコクと勢いよく頷いて目をキラキラと輝かせた。


「でも、恋、本当は嫌なん」

「そんなことない!真と一緒のクラスがいいもん!あと、真が心配だもん!」

「そ、そっか。私も恋と同じクラスなら嬉しいよ!」


私の事が心配とはどういう意味でなのかはわからなかったがそんなに一緒がいいと思ってくれているのはなんだかとてもくすぐったい気持ちになり嬉しかった。





~実技中心クラス専用訓練場~

ここでは学科は関係なく実技中心クラスの生徒が午前、午後の授業のどちらか一つ好きな方を選び受けることができる。

真と恋は午前中の授業を選択し、体操服を着て準備運動をしていた。

まだ授業の内容は一切聞かされていない。担任の先生が教えてくれるらしいのだが、その担任の先生すら誰だかわかっていない状況だった。


「何するんだろうね~」

と私は恋に向けて言ったのだが何故か違う方向から返事が返ってきた。

「実戦と実戦と実戦」

「実戦しかないの!?」

思わず声のする方を向きながらそうツッコミを入れてしまった。


そして真は目の前の人物が本物かどうか目を疑う。


「か、海藤…君?」

「久しぶりだな…奥橋w」

「今、最後に『w』付けた?」

「さぁ?どうだかね」


むかつく…なんだよこの人…でも、相変わらず綺麗なお顔ですねコノヤロー!!


真達の目の前には癖っ毛の黒髪に暗めの藍色の瞳で真がかつて挑発してしまったことのある美少年海藤拓斗が立っていた。


小馬鹿にしたような目で真を見ながら海藤の口角がほんの少しだけ上がる。

「お前、喧嘩野郎(銀城先生)と勝負したんだって?」

「いや、それは少し違うというか…」

「で、負けるつもりが勝ってしまったと」

「うっ」


何故わかる!?あ、しかもドヤ顔だし。でも、かっこいいのが本当にむかつくな…


「お前、面白い奴だとは思ってたが、学園内でもその面白さは健在なんだな」

「面白くしたいわけじゃないですから。こちとら真剣ですから」

そう言うと海藤は口元を抑えて顔をそらす。

うん、あからさまに吹き出す程笑っているねこの人。なんだろうこのイラつき。本当にむかつく!!


真は海藤を睨みつけ海藤は真を涙目(笑いすぎて)で見つめ返す。


そんな二人の間にひょっこりと入ってきた人物がいた。

「おぉ!!本当に奥橋じゃん!久しぶりだな!!」

そう言って真にキラキラ眩しい笑顔を向けてきたのは海藤と同じく美少年の新崎霧だった。

まるで新しいオモチャを見つけたような光をおびた茶色の瞳をこちらに向けていたので思わず真は苦笑してしまった。

「新崎君…ひ、久しぶりだね」

「奥橋今までどこにいたんだよ!俺、奥橋と一緒に授業受けたいってずっと思ってたんだぞ」

少しムッとした声で新崎は真の顔の目の前まで自分の顔を近づけて来た。


ちょ、それはないって!!うわぁ、近い近い近い!イケメンに対する免疫なんぞ私は持ち合わせていませんからっ!


真は慌てて距離をとるために二歩後ろに下がる。

そして平然とした顔で新崎にニコリと笑顔を向けたつもりだった。

「新崎君、顔が近すぎてビックリするからやめようね?」

「あはは!照れちゃってかっわい~」


な、何故にバレた??顔が熱いのは熱いけどそんなに真っ赤にはならない体質のはず…なんだけど。

あ、赤いのかな?


「あ、顔が赤くなった」

「え、今!?」

「ぷっ!本当可愛いね~」


くそ~!めちゃくちゃからかわれているじゃないか、馬鹿にされっぱなしなのは納得いかない。いつか仕返ししてやる…

密かに真はそう決意した。

そんな時、誰かに後ろから制服をクイクイと引っ張られた。見ると、恋が引っ張っていたようだ。


「恋、ごめん、変な人々が来て嫌だった?」

「奥橋何気にひどい事言ってるってことわかってる?」

そんな新崎の言葉を軽くスルーした真は恋が俯いていたので「恋?」と呼びかける。

が、返事がない。


「恋、どうしたの?」

そう言いながら真が恋の顔を覗きこもうとした時、恋の呟きが聞こえた。

「邪魔な…消さないと…ね…」

「れ、恋チャン??」

「あ、ごめん真。ボーっとしてた」


そう言ってふわりとほほ笑む恋を見てホッとする。今の呟きは気のせいだなきっと。


「ところで、どうかした?服引っ張ったでしょ?」

「うん、もうそろそろ先生が入ってくると思う」

「あぁ、そっか、ありがとう」


その時ガチャリと訓練場に入ってきたのは、眠そうな目をした中丸先生だった。


「はい、授業始めるぞー」


なんか嫌な予感しかしないんですが、どうしてでしょうか…??

ここまで読んでくれてありがとうございました!

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