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オズ  作者: 紗パカルギ
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隠し通す

銀城先生が突然大砲でぶっ放したおかげで周りは煙で全然見えない。

ただ、すごくお怒りモードの新羅先生の声が聞こえてきた。



「けほっ…ぎ、銀城先生!一体どういうつもりですか!?生徒達に対して突然大砲ぶっ放すなんて聞いてませんが!?」


いや、聞いていたら許されていたのだろうか…?と真は内心で激しく思ったがかろうじて口にはしなかった。


するとこれまた突然銀城先生の笑い声が部屋中に響き渡った。

てか、響き渡るって銀城先生どんだけ声大きいんですか!!


「ぶあっはっはっは!!いや、すまんすまん。上の奴らから各学科を少し調べて来いと言われたんでなぁ!!」


あ、ちゃんと謝れるんだ…いや、馬鹿にしてるわけじゃあないですヨ!?ほ、ホントダヨ??


「少し調べる…?一体この時期に何を調べているんですか?」

「昨日の件のことだ」

「あぁ…あの誰かわかっていない一年生が悪魔を倒した件ですか?」


おぉっと、雲行きが怪しくなってきたぞ…(私にとって)


「あぁ。昨日悪魔に遭遇した生徒二名は開発学科の生徒達だった。そしてあの時間帯に丁度授業が終わり尚且つ補修もなく自主練にも来ていなかったのがこの防御学科の生徒達だけだったそうだ」

「そうだったんですか。というか、あんたたち自主練誰もしていなかったのね…」


少し悲しそうな新羅先生。なんか罪悪感で胸が締め付けられるんだけども!


「そこで、この俺が直々にその噂の生徒を見つけて事情を詳しく聞いて来いと言われたってわけだ」

「…そこまではわかりましたけど、大砲をぶっ放した理由がまったく理解できないんですが?」


この新羅先生の会話の時点でやっと煙が薄くなって周りが見えるようになった。

真は今、見事に尻餅をついた状態でぽけーっとしている。

かなり遠くまで吹き飛ばされはしたがかろうじてどこも怪我をしていない程度で済んだ。でもお尻がかなりじんじんして痛い。真はだいぶ見えるようになった視界で周りを見渡す。

そして、思わず「えっ」と声を漏らす。なぜなら真以外全員ぶっ倒れていたからだ。


慌てて近くにいた生徒の脈を確認する。そしてホッと息を吐く。

(よかった…ただ気絶してるだけか…)


皆どうやら気絶をしているだけらしく、大怪我をしている者も見たところいないようだ。

まぁ、それもそのはず、真は爆発の直前とっさにできるだけ大きな結界を張って皆を覆ったからだ。

あまりに突然だったので薄い結界しか作ることができずにすぐに壊れてしまったが体への衝撃を大幅に減らすことには成功したと思う。


と、ここで真はあることに気づく。私以外が全員倒れていたら確実に私が何かしらあの銀城先生とやらに目をつけられるのではないか…?それはどうにかして回避しなければ!!!


「見たところ…あ~ぁ、皆気絶してますよ…まったく!!威力が強すぎるでしょうに!!」

という新羅先生の声がした途端真はその場にゆっくりと倒れ込んだ。

そしてこれまたゆっくりと目を瞑った。


ぎ、ぎりぎりバレないで乗り切れますように!!

幸いまだ少し煙が残っており、この部屋は霧がかかったような状態だった。

新羅先生には気づかれていないようだ。せ、セーフ…


「いや、一人、起きてるな」

ドキリ。

真は体が跳ねそうになるのを必死で抑えた。(つもり)

「え?何言ってるんですか?皆倒れているじゃないですか」

そうだそうだ!新羅先生の言う通りだ!!

「…そうかな?」


銀城先生はそう呟くとドカドカと大きな足音を響かせてこちらへ近づいて来ているのが地面から振動で伝わってくる。


気づきませんように気づきませんように気づきませんようn…

真は心の中でそう念仏のように唱え続けていた。


そして、真の近くで立ち止まった。


どうしよう…心臓の音がすごくうるさい。冷や汗が止まらない。


目を瞑っていても顔を覗きこまれていることがわかった。視線を感じるのだ。

いや、別に自意識過剰とかではなくこれは本当に命がけだから神経が研ぎ澄まされているんだよ!!


「………どうやら、俺の勘違いだったようだな」

この言葉が発せられるまでどのくらい時間がたったのかという程長く感じられた。


そしてその後銀城先生は「邪魔したなぁ」と言って部屋からすぐに去って行った。


よかった…本当によかった…もうなんか涙出てきそうだよ…


真は気絶したフリの体勢のまま一人安心して静かに息を吐き出した。


「ったく…今日の授業は終わるしかないわね…」

そう呟く新羅先生の言葉が聞こえたかと思うと部屋の中に唯一置いてある黒板に何やらカツカツと書いている音が聞こえた。

そしてすぐにチョークを手から払う音と「よし」という声が聞こえたかと思っていたら、ガチャリと扉が開く音。


「ではまた明日~」

ガチャリ。



………もう、目開けていいかな?

真は恐る恐る目を開け、そして周りを見渡す。まだ誰も起きる気配はない。


真はゆっくりとその場で立ち上がり大きく体を伸ばす。

「あぁ~、焦った~」

そう言ってから黒板の近くに歩いていくと黒板にはでかでかと『今日は早めに終了!各自解散!!』と書かれていた。


…こんなんでいいのかオズ学園と心配になるほどの放置っぷりである。

まぁ、何はともあれ面倒事にはならなかったのだからよしとしよう。


真はしばらく一人一人の生徒が大きな怪我をしていないかを確認して少し膝をすりむいていたりしていた人はついでだしオズで治した。

大抵のオズは使えるのでこういう時は便利だなと真は思う。


もうそろそろ出て行っても怪しまれない頃合いかなと思い真は訓練部屋から出て、女子寮に向かった。

今、真は体を動かず授業だったので体操服を着ている。


今から女子寮に戻って制服に着替えても時間はたっぷりとある程の早い時間帯だった。

何しようかな…この学園すごい広いからまだ行ったことがない場所がたくさんあるしなぁ…


幼児の育成施設から小学校、中学校、高校、大学が全部入っている程の広さを持つ学園なのだ。

見どころは沢山ある。しかし、基本的に授業があっている間は自分の学年の校舎内しか出歩いてはいけない事になっている。当然と言われれば当然のことだが。




何をしようか考えている間に女子寮に着いた。早速制服に着替えると暇なので校内探検をすることにした。

とは言っても他の学科はまだ授業中なのでこっそり覗くという形をとることになる。

せっかくなので実技中心クラスを見に行ってみようかなぁと考えた。

前々から琴音と愛奈に「是非見に来て!」と言われていたのを思い出したからだ。


補足説明をすると、私の元通っていた高校に来た美男美女(海藤達)五人は全員実技中心クラスである。

しかも、校内ではものすんごい有名人でファンクラブもあるとか。

まあ、確かに皆美男美女で私の元いた高校でもすごい騒がれようだったしね。


恋の情報によるとその五人は『キング』候補であるらしい。というかほぼ確実になるだろうと言われている。

今は九月。なんと十二月に『キング』は発表されてなんか盛大な儀式までするらしい。

『キング』になった生徒達はそれぞれ誰か一人の先生の弟子になり、ビシバシとより最強になるために鍛えられ英雄の道を進む…らしい。


英雄が一体なんの事かはわからないけれどなんか面倒くさそうだなぁと思った。


ま、私にはまったく関係のない事だな!!


少しの間ぽけーっと実技中心クラス専用の訓練部屋に向かっていると後ろから声を掛けられた。

「おい、お前防御学科の生徒だよなぁ」


足が思わずピタリと止まる。ゆっくりと声のする方を振り向いて真は無理やり笑顔をつくる。

「あ、えっと…銀城、先生、こんにちは…?」


何故かそこには悪役かと思うほど悪そうな笑みを浮かべた銀城先生が立っていた。

「ちょっと、俺とお話ししよーぜ?」


その言葉は拒否権など皆無だと言っているのと同じだった。


「はい、ヨロコンデ」

どうしよう、冷や汗が止まらない。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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