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オズ  作者: 紗パカルギ
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検査

グラウンドに行くとそこにはおそらくオズ学園の関係者である人々が三人いた。

そのうちの一人は真も知っている中丸先生で他の二人は初めて見る人だった。


真は緊張状態のままクラスごとの列に並ぶ。

クラスで男子五十音順、そのうしろに女子五十音順という並びになって整列している。

美夏とは出席番号が前後で真の前に美夏は並んでいる。


「授業が潰れるのはいいんだけど…全校生徒がグラウンド集合って体育祭じゃあるまいし…」


その通りだと真は美夏に同意する。


突然授業を潰してまでオズ探しをするだなんて、オズ学園の権力は強いことを見せびらかしているようなものだろうに。

いや、それが目的なのかな?


そんなことを考えていると列が動き出した。

真は慌てて何をしているのかを覗いてみた。

学年ごとに各一人ずつオズ学園の関係者である人がついていて生徒一人ずつと向き合って何故かなでなでされていた。


詳しく言うと生徒の頭の上に手を軽く置いて少しすると手を離し次の生徒、という感じだ。


みんなが騒ぎ出した。特に真の学年は女子が。なぜなら、真の学年の担当はあの中丸先生だ。

暗い藍色の髪に透き通る綺麗な青の瞳でいつも少し眠そうな顔で頼りなさげに見えるが突然キリッとした顔になったときのギャップがたまらないらしい。真の中では中丸先生は結構鋭い目つきで第一印象は少し怖い人だったが話してみると見た目以上に優しくてかっこよかった。


まぁ、簡単にいえば美男なのだ。


何?オズ学園は生徒や教師共に美男美女ってか?ある意味怖いぞオズ学園!


「真なに中丸先生に見とれてるのよ。まぁ、私も見とれちゃうけど」

「違います。ただ何をしているのかを見てただけです」

「つまりは見とれてたってことね。真は年上が好みか…」

「だから、ちが」

「私も年上が好みだけど、中丸先生は若すぎるかなぁ」


美夏は完全に真の話を聞く気はなさそうだったので中丸先生に視線を戻す。


頭に手を乗せているだけでできるオズ探し…何かを読み取っているのか…


真は考えを巡らせるがわからない。


仕方がない。学校内では使わないって決めていたけど…オズを使って


「真、今伝わってきた情報!中丸先生がやっている検査は記憶の読み取りだって!凄くない!?」

「記憶?」

「うん。なんか過去を見るんだって!私達が覚えてなくても頭の中には残っててそれを読み取ってオズかどうかを調べる…って真、あんた顔色悪くない?」

「大丈夫だよ」


真は冷や汗が止まらなかった。まずい。これはさすがにまずいぞ。


着々と近づいてくる順番。


過去なんて見られたら一発アウトだ。考えろ真。


そんなことを考えていると美夏が中丸先生に頭を撫でられて喜んでいるのが見えた。


やばい。










「おはよう。奥橋さん」

中丸先生が優しく微笑んでそう言った。

思わずドキッとしてしまう自分が悔しい。

「おはようございます。中丸先生、仕掛けてみるってこのことだったんですか?」

「あぁ。まぁ、仕掛けるってカッコつけて言ったがそこまで大規模じゃないがな」

いやいや、十分大規模です。と真は内心で言う。


中丸先生が内心を見ることができる指輪をはめていないことは確認済みなので真は幾らか気持ちが楽になった。


「寝不足か?」

中丸先生は真の顔を覗き込んでそう聞いてきた。


「大丈夫です」

真はできるかぎりの笑顔でそう答えた。

中丸先生は心配そうに真を見つつ「そうか」と呟いて真の頭に手を優しくポンと置いた。


きた。


真の体に緊張が走る。

「そんなに固くなるな。怖くないから」

中丸先生は少し笑いながらそう真に語りかける。


「すみません」

いやいや、固くなるって!バレたら即アウトなんですもん!

数秒間頭に手を乗せられた後中丸先生はそっと手を真の頭から離す。


「はい終了」


気づかれなかったことでホッとした真は安堵の溜め息をついた。


そんな真を不思議そうな目で中丸は見ていたのだが真は気づいていなかった。



「真ずるいよ~、中丸先生にあんなに優しくしてもらって」

「いや、皆と同じことされただけじゃない?」

「違う!眼差しが優しかった!」


真は美夏のくだらない嫉妬を軽く受け流して考える。


オズを使ってもバレなかった。


真は少しこのことに驚いていた。


まぁ、賭けだったのだがうまくいって良かった。


何故真がオズとバレなかったのかというと一時的に自分の記憶を書き換えたのだ。


本当に所々だが自分がオズである証拠の記憶をうまく書き換えた。


こんなこともできる私ってやっぱりずるいな…


真は内心で自分自身に呆れていた。




次の試練(検査)はなんと生徒一人ずつにシルバーの細い腕輪が配られた。

それをはめるように指示された。


真は腕輪をつける前に周りの生徒の反応を見た。


すると、二年生がいる方向が騒がしくなってきた。


「どうしたんだろう?」

九十九つくも先輩のブレスレットが光り出した!」


誰かのそんな声が聞こえたと思ったら二年生の方向から空に向かって青い光が伸びていた。


すると、オズ学園の関係者たちはその光に向かって駆け出した。






その後すぐに聞こえてきた言葉で真は固まった。




「九十九先輩がオズ!?」



そりゃないでしょ…?


「真、また顔色悪くなってきたね…保健室行く?」

「いや、大丈夫だよ」


さっきの試練(検査)なんて試練とも呼べないくらいの難易度だったのか!!


真は手に持っているブレスレットを睨む。


どうする?あまりずっとつけなかったら怪しまれるし…


「真、ブレスレットつけないの?」

「いや?つけるよ?うん。つけるよ」

「そ…そう」


真は一つ深呼吸をしてブレスレットをはめた。






後ろからブレスレットが回収されていく。

「いや~まさかあの九十九先輩がオズだったとはね~」

「…」

「真、聞いてる?」

「あ、うん。九十九先輩?」

「あんた…もしかして九十九先輩知らないの?」

「うん」

「信じらんない。あのね、九十九先輩は」


美夏が九十九先輩という人物について語り出したが真は途中から考え出す。


とりあえず第二の試練突破。なのはいいんだけど…さすがにバレなかったか不安だな…



実は真はブレスレットをはめたフリをしただけなのだ。


蜃気楼を使ってブレスレットをはめたように見せかけたのだ。

我ながら意外とうまくいったなぁと真は思った。


「真、聞いてる?」

「聞いてる聞いてる」

「…あとで九十九先輩の情報についてのテストするから」

「え?や、それはちょっと」




他にも検査はあったが真はうまくごまかした。



こうして真にとっての長い1日は幕を閉じた。


真自身は完璧にやり遂げたつもりだった。


だが、そううまくはいかないと真は後日知ることになる。



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