↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/191

0058




 Side:橘八重



 警察にて事情聴取とやらを受けているんだが、何かおかしな状況だぞ?

 ていうか、何で俺は取調室とやらに入れられてるんだろう。

 意味が分からない。


 「貴様が自作自演をやったのだろうが!! 既に証拠は出てるんだぞ!!!」


 「そんな証拠があるわけないでしょ。

 そもそも俺は寝てたんですけどね?

 というか、被害者の俺を加害者に仕立て上げるとか、意味が分からないんですが?」


 「貴様が犯人だからだろうが! さっさと吐け!!

 吐かないとこのままずっと取り調べが続くぞ!!」


 「だーかーらー、俺は寝てたって言ったでしょうが。

 そもそも寝てた俺に何が出きるのか不思議で仕方がないんですけど?」


 「それが自作自演だと言ってるんだよ!!

 お前みたいな犯罪者が本当の事を言うはずがなかろうが! さっさと吐け!!」


 「何というか、話が通じないなぁ。

 必死に俺を犯人に仕立て上げようとしているようにしか見えないんだけど?

 それって別の犯罪じゃねーの? だって自白の強要でしょうよ」


 「貴様がさっさと本当の事を言えば終わる話だろうが!!

 さっさと本当の事を言え!!」


 バァン!!


 目の前の机を警察のヤツが叩くが、手が痛くないのかね?

 ドラマでもこういうシーンがあるけど、どうしてこんなに興奮するのか不思議で仕方がない。

 脅したら自分達に都合の良い事を喋るとでも思ってるんだろうか?

 そんな事だから正義警察が蔓延(はびこ)るんだろうに。


 「そもそも俺は寝てた、で終わる話なんですけど。

 それ以外に答えようが無いですし」


 「貴様が自作自演で車を突っ込ませたんだろうが!! さっさと吐け!!」


 バァン!!


 また机を叩いたが、この人は肝心な事を忘れてないかな?

 二重の意味でこの人って駄目だぞ。


 「ドラマとかでもよく見るんですけど、なんで弁護士を付けようとしないんでしょうね?

 弁護士を付けられると都合が悪いんですか?」


 「………」


 「第二に、俺はまだ未成年であり、車の免許をとれる年齢じゃないんですよ。

 車の運転方法も知らないのに、どうやってその自作自演とやらをするんです?

 言ってる事がメチャクチャ過ぎるんですけどね?」


 「…………よーく分かった。

 貴様は国家に逆らうというのだな。

 ならば容赦はせんぞ、覚悟しておけ」


 「それ以前に、日本どころか世界中が悪魔の人達に征服されてますけどね。

 国家に逆らう以前に、その国家を今支配しているのは悪魔の人達で、その悪魔の人達は不正を許さないんですよねえ。

 何故なら真面目に生きているヤツはともかく、犯罪者とかは合法的に食える食い物でしかないから」


 「………」


 目の前の刑事は完全に怯(ひる)んだな。

 おそらくだけど、どこかから俺を犯人扱いしろと命令されてるんだろう。

 ここまでメチャクチャなのは、どう考えてもおかしいからな。

 ただ、それに加担した所為で死ぬとなれば話は別だ。


 「俺を犯人に仕立て上げろと言われてるのかもしれませんけど、生き残れるといいですね?

 貴方も貴方の家族も……」


 「………」


 俺がそう言うと、刑事の顔は真っ青になった。

 どうやら今ごろ自分が何をしていたのか理解したらしい。

 たとえ目の前の刑事が正義警察であろうと、悪魔の人達がそれを許すかは別問題だ。

 今までに悉(ことごと)く潰されている事を考えるに、容赦なんてしないだろう。

 


 たとえ正義警察であろうとも、自分の家族まで巻き添えになると思うと立ち止まるらしい。

 まあ、今までの世と違ってて、悪魔の人達は容赦ないんだよ。

 連帯責任っていうのを喰らうんで、それが嫌なら家族の中のおかしなのは排除しなきゃいけない。


 もう少し言うと、家族の暴走を許したのなら連帯責任を喰らうって事だ。

 これを防ぐには悪魔の人達に教える、つまり密告するしかない。

 そうしないと同罪にされるんだよ。


 これ酷いという意見と、仕方ないという意見の両方がある。

 正義警察もそうだけど、頭の狂ったヤツなんて止めようがない。

 今までは人権だとかいう便利な盾があったんだけど、今はそんな便利な盾は無くなってる。

 何故なら悪魔が支配してるから。


 そもそも悪魔の人達が来る前から、人権なんて一部の悪人が都合よく利用してただけだし、実際にアフリカなんて人権が有って無いようなものだった。

 中国だって人権なんか有って無い国だ。

 結局のところ、人権なんて都合よく利用する言葉であり概念でしかなかったんだよ。


 それが無くなってるので、人権を盾にした活動は非常にし辛くなってる。

 悪魔の人達が問答無用で連れて行くし、後は向こうの食い物にされるだけだ。

 そして普通の一般人からすれば、頭のおかしいのが社会から居なくなる。

 つまり誰も困らないんだよ、真面目に生きている人は。


 「今は真面目に生きる人にとって、良い社会になりましたからねえ」


 「ふざけるな!! 悪魔どもに押さえつけられた世の中が、まともなものか!!!」


 「あれ? もしかして刑事さんって<人間解放同盟>なんですか?

 だから契約印を持つ俺を目の敵にしてた?」


 「!?」


 「あらら。ついつい口から出たんでしょうけど、大失敗でしたね。

 取り調べ室で刑事が自白とか、ギャグ漫画みたいな事が起きるとは思いませんでしたよ」


 「!!!」


 ガチャ! バン!!


 「うぉぁ!? あぶねえ!!」


 何をトチ狂ったのか、いきなり腰の銃を抜いて撃ってきやがった!!

 正義警察か人間解放同盟かは知らないが、完全にキチ集団だってよく分かるよ、本当!!


 「止めてください! いったい何をしてるんですか!!!」


 「うるさい! 放せ!!

 こいつはここで殺しておかなくちゃいけないんだよ!!!」


 「うわぁ、これだから<人間解放同盟>とかいうキチ集団は嫌なんだ。

 自分達は正義とか思い込んでる異常者集団。

 一般人を立ち上がらない無能とか言ってるし、そりゃ共産党と変わらない集団だってネットに書かれるわ」


 「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


 「君も煽るんじゃない!! 本当に殺されるぞ!!!」


 「その時点で人間の方がよっぽど危険だって証明してるじゃないですか。

 俺、悪魔の人達からいきなり殺されそうになった事なんて、一度も無いんですけど?」


 「「………」」


 何故か刑事二人が固まったが、もしかして両方とも人間解放同盟だったのか? それとも正義警察?

 どっちでもいいけど、警察の中も碌なもんじゃないな。


 「自分が気に入らないから殺すって時点で、どんだけ野蛮なんだって話でしょうが。

 悪魔の人達はあくまで犯罪者を喰らってるだけで、真面目に生きる人には手を出してない。

 無実の罪を擦り付けて殺そうとしてるのは、むしろ人間でしょうよ」


 「「………」」


 「そこで止まるって事は、他人から指摘されるまで自分達の異常性に気づいてなかったって事ですけど……。

 本当にそうなんですか?」


 「「………」」


 興奮していた刑事も、それを止めていた刑事も目を横に逸らした。

 つまり気づいてなかったってわけね。


 「うわぁ……警察の中も、学校と同じぐらい密室なんですね。

 学校だって中ではイジメなんて無視されますし、教師が助ける事なんてありませんよ。

 実際、俺を助ける教師なんて誰もいませんでしたからね。

 警察の中も学校と変わらないぐらい、社会から隔離されてるとは……」


 「隔離はされていないんじゃないかな。パトロールにも出るし……」


 「いや、社会の空気に晒されず警察の独自ルールが横行してるなら、それは隔離されてるのと変わらないのでは?

 実際、一般人の感覚とは違うでしょうに」


 一般人と同じなら、無実の罪で犯人に仕立て上げようなんてしないでしょうよ。


リアクションありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。