↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/189

0004




 Side:橘八重



 変な動画が広まるのは嫌なので、慎重に慎重に進んで行く。

 悪魔としては最悪SDさえ稼いでくれればそれでいいはずなので、俺達が面白おかしい失敗をしなくてもいいはずだ。

 流石にそれは勘弁してほしいからな。


 それで再起不能になって異界探索者を止めるヤツも出てくるんだが、その大半は実は粘着質に叩くヤツが原因だ。

 基本的に悪魔の人達は笑うけども粘着して潰したりはしない。

 なぜなら探索者は多い方がいいから。


 つまり粘着しているのはバカな人間というか、バカな日本人となる。

 悪魔よりも邪悪で汚く、救い様の無い連中。

 そういうヤツが他人を叩いて悦に入っているわけだ。

 まあ、最後には悪魔に潰されるんだけど。


 悪魔にとって探索者は多い方が良く、更に言えば日本に居るだけの連中は役に立たない。

 悪魔にとって役に立つのは探索者と漫画やアニメやラノベの作者ぐらいだ。

 徹底的に娯楽に偏ってるけど、これは仕方のない事でもある。


 その御蔭で日本はAクラス認定されてるんだし、だからこそ生かされているとも言えるんだよ。

 実際に他の国より優遇されている大きな理由はそこしかない。

 だからこそ政府も危機感を持って、サブカルを奨励しているんだしな。


 悪魔に支配されてからネット小説サイトとか激増したらしいって聞くし、そういう所も細かく悪魔はチェックしている。

 っていうか、イージェルさんは逐一細かくチェックしていると言っていたし、他の悪魔もしてるって言ってた。


 とことんまでにサブカルに偏った国だけど、その御蔭で助かってるのも事実だ。

 ちなみに政治関係は人間がやっているけど、内部の監査などは全て悪魔がやっている。

 これは他の国も同じで、その所為で恐ろしい腐敗っぷりが明るみに出た。


 ある意味でパンドラの箱を開けたようなもので、世界各国で不正公表のオンパレードが過去に行われている。

 結果として、世界のほとんどの国で政権が転覆。

 新しい政権に変わっていった。

 日本も同じだけど、とんでもない規模だったと聞く。


 それが今の世界情勢と日本だ。

 さて、そろそろ集中して異界の探索を行おう。

 っていうか、俺は何故こんな事をつらつらと考えてたんだろう?

 真面目に探索しなきゃいけないのにさ。




 洞窟の通路を進んでいくと左右に道がある場所に出た。

 ここまでは一方通行だったんだけど、ここからは違うらしい。


 異界は非常に厄介な場所で、ゲームのダンジョンみたいに階段とかが無い。

 つまり、どれだけ奥に行けばいいのかが分からないんだ。

 急に目の前の景色が切り替わったりするらしく、そうすると出てくるモンスターが急に強くなったりするらしい。


 なので慎重に進まないといけないんだが、それでもある程度の特徴はあると言われてる。

 一つは地面などの色が変わる場所。

 こういう所から先に進むと途端に地形が変わり、いきなり難易度が上がったりする。

 戦闘に慣れるまでは進まない方が無難。


 そして第二に罠で飛ばされる。

 こちらはゲームっぽいが、地面が輝いていきなり別の場所に飛ばされるらしい。

 そういう事もあるんだそうだ。

 ちなみに落ちている物を拾った場合に、そうなる事があると講習で習った。


 異界には何故か物が落ちている事があり、それは見つけた者が勝手に拾って持って行っていいそうだ。

 とはいえ、ここで揉めるのがチーム単位で活動している探索者。

 誰が手に入れるかで揉めに揉める。

 だからこそ俺のようにソロで探索する者も多い。


 実際に中で裏切られたら高確率で死ぬし、それなら仲間なんて居ない方がマシだ。

 もちろん上位の人達は皆がチームを組んでるし、そういう人達は儲けている。

 俺はそこまで行く気は無いので、庶民的に十分稼げればいい。


 SDは日本の発電などにも使われているので、持って行くと高額買い取りしてもらえる。

 実際に極僅かな量でも相当の発電が出来ると聞くし、それで既存のエネルギー関係の会社が崩壊したと聞く。

 中東も油が余って売れなくなり、石油王国は滅びているしね。


 そんな夢のような素材がSDでもある。

 だからこそ大金が稼げるわけなんだ。

 ま、とりあえず右の通路に進んでみよう。


 っと、今度は三体出てきたか。

 これは一体を蹴り飛ばした方がいいな。

 ここまでは講習でも戦い方は習ったし、4体以上のモンスターからは逃げろと教えも受けてる。


 ドッ! ガンッ! バンッ!


 「そらぁ!! ……もういっちょ!!」


 ドガッ!! ドンッ!!


 右の針金人形を蹴り、真ん中の針金人形はシールドバッシュ。

 これで2体を転倒させたので、俺は多めにSPを金属バットに込める。

 そして相手の攻撃を盾で防いだら、反撃で一気に叩く。


 「おらぁ!!」


 ドゴォ!!


 込めたSPが多かったからだろう、針金人形は一撃で倒れて消えた。

 よしよし、敵の数が多いと早めに倒す事が重要になる。

 SPをケチって死んだんじゃ意味ないからな。

 駄目なら逃げればいいし、命があれば戦える。


 ガン! ドン!


 「どっせい! かーらーの、そうりゃあ!!」


 ドンッ!! ドゴッ!!


 起き上がって攻撃してきた左のヤツにシールドバッシュを食らわせ、そしてそのすぐ後に右のヤツに一撃をお見舞いした。

 その後はすぐに盾で防ぎ、再び反撃。

 これで2体目も倒せた。

 残りは一体だが、俺のSPは後9しかない。

 結構使ったな。


 いつも使っている攻撃はSPでいうところの1しか消費していない。

 しかし一撃で殺す為に使ったSPの量は3だ。

 数字で出てくれるのは助かるが、となると針金人形はSP2で倒せるのか?

 この辺りは人によるってイージェルさんも言ってたんだよな。


 俺の場合は2で済むみたいだし、どうせ二回攻撃して2を消費するなら、最初から2を込めて攻撃した方が早くね?

 燃費の事を考えてたけど、早く倒して休んだ方がいいよな……?


 俺は残りの1体で実験してみたが、やはりSPは2で倒せるみたいだ。

 調整が難しいが、なんとなくでは出来ている。

 少なくともSCSがSPを2消費したと教えてくれてるからな。

 間違ってはいないはずだ。

 なら一撃で倒していく方がいい。


 残りSPが7しかないので一旦その場で休憩する。

 もちろん座りなどはせずに立ったままだ。

 いつでも逃げられるようにしておかないと危険すぎる。

 そういえばSPとかSDは目の端に見えているのに、HPとかは無いんだな? 


 いやいや、何を言ってるんだ。

 ゲームじゃあるまいし、あるわけないだろ。

 なんだか急に思考がヤバい方へ行ったぞ?

 現実逃避を始めたら確実にヤバい。

 ここはしっかりと休息をしよう。


 …

 ……

 ………


 俺の最大SPは30だ。

 盾で受ける際にもSPを使うので、そっちでも消費している。

 なので回復しているのだが、運良くモンスターに襲われる事はなかった。

 SPも全回復したので休憩を終えて先へと進もう。


 俺は再び気合を入れ直し、異界探索を始める。

 それにしても針金人形しか居ないのは楽で助かるな。

 出来れば針金人形でSDを1000貯めて、後は収入としたいところだ。

 ここでの活動では肉体は疲れにくいが、精神は疲れてしまうと聞く。


 日本での時間は全く経過していないそうだが、精神は驚くほど磨り減るらしい。

 異界に何度も通って適応しなければ、長くは続けられないのも探索者だ。

 俺も帰ったらその洗礼を受けるんだろう。


 再び針金人形が出て来たので、今度は敵の攻撃をかわしてみる。

 かわす事が出来ればSPを使わずに済む。

 なので出来れは回避したいんだが、そういう時に限って鞭みたいに薙いでくる。

 流石にこれは避けられないので防ぐしかない。


 ガン!


 「そうりゃぁ!!」


 ドゴッ!


 今回も一撃で倒したが、これが一番気楽に戦えるな。

 何度も防ぐとそれだけSPを消費するし、やはり速攻で倒してしまうのが一番いいだろう。

 それと敵の攻撃を避けるんだが………ここは誘導するべきだろうか?


 ちょっと遠めに構えていれば、鞭みたいな攻撃じゃなくて突いてくるんじゃなかろうか?

 次に出て来た針金人形でやってみよう。


 ………それにしても洞窟の景色ばかりで嫌になるな。

 今は右の通路を進んできているが、このまま別の場所に行かされそうで怖い。

 今の内に戻った方がいいだろうか?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。