0033
Side:エルトアリア
「お、お待ちください!
私達は本来あるべき人の「セルアグルブ」下に、うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!!?!」
ゴミが何かの音を口走ったので燃やしておきました。
派手な火柱の中で悶え苦しんでいますが、私にとってはどうでもいいこと。
興味すらありません。
そもそもこのゴミどもは精を奪う価値も無い。
いえ、今の私は彼の精以外を必要としていないのです。
世界には彼と私だけが在ればいい。
他は彼の為に生かしてやっているに過ぎません。
「ゴミの囀りなど、どうでもいい。
そもそも私に嘘を申し立てて、それが通用すると思っているのか? だとしたら随分と私を舐めてくれるものだ。
貴様らまとめて滅ぼされたいようだな」
「ち、ちょっと待って。
私達は関わりないわ! 私達は!!」
「ほう。
この畜生どもを嗾けて己らの都合の良いように操っておきながら、己に危険が迫れば捨てる、か。
随分な飼い主もいたものだ」
「「「「「………」」」」」
「あまり私を舐めるなよ、ゴミども。
私が死ねと言った以上、お前達はここで死ぬ以外に道は無い。
まだ助かる道があると思っているとは、愚かに過ぎる」
「…………うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
愚か者というのは、悪魔であろうがやる事は変わりませんね。
破れかぶれで戦いを挑むとは……。
寸毫も勝てる可能性など無いのですが、それでも無駄な足掻きが好きなようで。
流石は愚か者です。
ベキィッ!!
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!!」
「無駄な事を。
人間如きなど、どうやっても悪魔には勝てぬというのに、愚か者はやはり救い様がない。
ま、救ってやる義理も無いので、ここで殺すのですがね。
それにしても……頭が悪すぎて本当に畜生にしか見えなくなってきましたよ」
そう私が口に出すと遠巻きにしている者達が口を開き始めました。
しかしほとんどは「音が一度だったのに、両足が折れてる」というものです。
どうやら両足を蹴り折ったのが見えなかったようですね。
これだから人間は………
「イルディグラ。ウルゲェル」
氷結系魔法で一気に凍らせ、爆発系魔法で粉砕。
これで男どもは全員始末しました。
残りは手下を煽っていた女どもですが、こいつらが大本である以上は赦す事など当然ありません。
「さて、お前達が使嗾していたゴミは終わった。
だが彼にゴミを嗾けたのはお前達だ。
楽に死ねると思うなよ?」
私はそう言うと、とある【呪魔法】を行使する。
「フィプルガム・アーモネ・グィル・アガナイ・ハルテゥ・ヌォリムニア・ベベル・ドズラクラ・ゴズロアグダ」
私が【呪魔法】を発動した途端、女どもの体に黒い蔓のような物が巻き付く。
少々強固にしたものの、これ自体はよくある【呪魔法】の一種でしかありません。
ただし私が執拗にアレンジを繰り返したものですがね。
「あ、あんた黒い模様が出てるわよ?」
「あんただって黒い模様が出てるわよ!」
「何よ、これ!! さっさと取りなさいよ!!」
ドコォッ!!
「ぐぶぉぇぇ?!?!」
「調子に乗るなよゴミ。
誰に向かって物を言っている」
「ガフッ!! ゴホッ!!
………ウブッ、オェェェェェェ!!??!」
「腹の中の物をブチ撒けるとは、実に畜生に相応しい姿だ。
みっともないと思わないのか?」
「「「「………」」」」
「ふぅ……恐怖で口も開けなくなったか、無様な。
それはともかく、それは<死爆の蔓>という【呪魔法】。つまり呪いの魔法だ。
その効果は己の嫌な思い出を延々と思い出しつつ心を攻められ続け、そして心が限界に達した時、爆発して死ぬ」
「「「「「なっ!?」」」」」
「これは私が改良に改良を重ねた【処刑魔法】の一つなのだよ。
私に喧嘩を売った愚かな悪魔どもで改良を重ねたものでな、処刑に相応しい魔法となっている。
<魂責の火>と迷ったのだがな、反省も後悔も無さそうなお前達には、こちらの方が良いだろう」
私はそう言って愚か者どもに背を向け、彼を抱き上げました。
普通は逆の立場で私を抱えてほしいのですがね。
とはいえ今は仕方ないでしょう。
起きている時に期待するとして、今は彼をあの家畜小屋に連れて行くしかありませんね。
っと、何者かが近寄ってきましたか。
「申し訳ありません、エルトアリア様。
我らが遅れた所為でございます」
「まあ、構いませんよ。
この通り私の契約者は生きています。
これで死していたら、貴様らを含めて皆殺しでしたけどね。
というか、この日本の民を皆殺しにしていたかもしれません。
私の契約者だ、という事実を随分と軽んじてくれたようですからね」
「申し訳ございません。
ですがおそらく、ここ日本の者どもはエルトアリア様の事を知ってはおらぬと思います。
私もグルデスタ家の者ですので存じておりますが、下っ端でも御尊顔を拝しておらぬ者は多くおりますので……」
「なるほど、今まで顔を表に出してこなかった事が仇となりましたか。
かつてここ日本に攻めて来た時には居たのですがね?
ま、一兵卒のようにして居ましたから、顔を覚えている者など居ませんか」
「何をしていらっしゃるのですか、最高位悪魔であるエルトアリア様がなされる事ではありません」
「「「「「「「「「「最高位悪魔!!!」」」」」」」」」」
「「「「「!?」」」」
今頃ゴミどもは顔が真っ青になりましたね。
グルデスタ家の者が私の事をバラすまで理解していませんでしたか。
ま、ワザと顔を売らなかった弊害ですから、そこは甘んじて受け入れましょう。
「仕方ありません。
あの時は女王に頼まれて仕方なくだったので、面倒な事は一切したくなかったのですよ。
それよりも一応ここでも言っておきますが、後で日本の者達に理解させなさい。
私は十三柱いる最高位悪魔の一柱、名はエルトアリア。
私の契約者を害するとは、つまり私に喧嘩を売るということ。
だからこそ契約者に手を出す者は覚悟せよ」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
周囲を圧迫しながら宣言しましたが、グルテスタ家の者よ……お前まで怯えるとはどういう事ですか?
第一位魔性貴族家の者として、そこはちゃんとしなさい。
「愚かにも死にたいと思う者が居れば手を出しなさい。
数千年の間に編み出した様々な【処刑魔法】を味あわせてあげましょう。
では、後片付けは頼みましたよ。
ルヲンヌ」
私は彼の家に転移しようと思ったのですが、流石にあの家畜小屋に帰すのも良くないと思い、我が屋敷の私の部屋へと連れてきました。
ええ、介抱するならここが一番なのです。
ここ以外にはありません!
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Side:橘八重
「知らない天井……じゃないうえ、この天蓋は見た事があるぞ?
この光景も」
俺はどう見ても見た事がある天蓋を見て、ここがどこなのか悟った。
っていうか、何でエルトアリアさんのベッドで寝てるんだよ、俺は?
「すぅ……すぅ………」
………隣にはエルトアリアさんが寝てるけど、これ間違いなくアレの後だよな?
となると、また俺は寝ている間に襲われたのか?
ちょくちょく食べさせてもらうとか言われてたけど、まさか拉致されるとは思ってなかった。
流石は最高位悪魔、犯罪でもゴーイングマイウェイ。
一切気にしないらしい。
寝てた俺を拉致するとか、鍵をかけ………
あれ? 俺確かSCCで一番くんに絡まれたような?
そしてその後に鳥居に行って……
思い出した!! あの<ローズガーデン>の信者に襲われたんだ!!
あの後どうなったんだ?
もしかしてエルトアリアさんが助けてくれた?
だとしたら食われても仕方ないか。
命あっての物種だしな。
死んだらそこで終わるんだから、死ぬよりは遥かにマシだ。




