0117
Side:エルトアリア
「………ふぅっ///」
熱い吐息が漏れるのも仕方のないこと。
半日に渡って八重に好き放題にされてしまったが、それは甘美で素晴らしいものであった。
ここまでだと、むしろよくぞ拾って身につけたと褒めたくなる。
本来ならあってはならぬミスではあるが、今回だけは我も広い心で許してやろう。
「お疲れ様でございます。
何があったのかは知りませんが、随分とお楽しみであったようですね?」
「うむ。
ここまで八重が求めて来ると、女としての充足は頗る大きいものであった。
あそこまで目の前の女を貪ろうとするのだからな。
特に我を己のメスと思うて扱っておったところが堪らぬ」
思い出すだけで背筋がゾクゾクしてくるが、本当に我を己のモノ扱いしておったな。
虚界十三傑であり、最強の我を己のメス扱いとは……。
暴走しておらねばせぬであろうが、何度メスの悦びに震えたか分からぬほどであった。
うむ、真に素晴らしき甘美なる時であったな。
我はエギルターサから渡されたタオルで体を少々拭くと、体を綺麗にする為に浴室へと向かう。
もう少し余韻に浸っても良かったのだが、我としてはせねばならぬ事が出来たのでな。
急がねばならん。
「あの指環は外す事が出来ておる、特に呪いも何もなく他者であれば簡単に外せる。
しかし、ああも暴走するだけでは然したる価値も無い。
たまには良いが、毎回アレだと興醒めだ。
今回は初めてであったから良いが、もう少し冷静に暴走してもらわんとな。
今回のは完全な暴走だ」
そう、そこが気に入らんところなのだ。
八重の意思で行われておるならば、更なる悦びであったであろう。
しかし今回のはあくまでも暴走でそうなっただけ。
性欲が暴走し過ぎておるのでな、もう少し落とした物を作らねばならん。
それに………需要はありそうだしな。
そういう意味でも作った方が良い。
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Side:エギルターサ
随分と暴走したような姿でしたが、おそらく主様が彼から外していた指環に秘密があるのでしょう。
今は気を失っていますが、それまでは暴走した獣のようでしたしね。
ええ、もちろんアレもまた良いものなのですが。
それはともかくとして、今は気絶したように眠っておりますね。
随分とベッドが汚れていますので一度綺麗に? ………これは、指環?
何故か彼のズボンのポケットから2つの指環が出てきました。
これは後で主様にお見せしないといけません。
私でも嵌めた際の大凡の効果は分かりますが、主様ほど完璧に分かる訳でもありませんからね。
なのでハッキリと効果が分からぬ限りにおいて、迂闊に決めつけない方が良いのです。
そもそも嵌めるなどというのは論外でしかありません。
あの暴走から察するに、おそらく無頓着に嵌めたのでしょうが、死ぬような呪いが篭もってなくて良かったというところでしょう。
もう少し自分という存在の大きさを自覚してほしいものですね。
死ぬなどという事があれば、主様がどうなるかは誰にも分からないのです。
地球だけでなく虚界すら破滅する恐れがある事を、もう少し理解してほしいところですが……それをハッキリと言うわけにもいきません。
それを知った主様は間違いなく不機嫌になられるでしょうしね。
他に枝などがありま……これは少々問題がありますか。
むしろ指環よりも、こちらの方が重要度が高そうです。
しかし虚界で手に入れたという事を考えると、このような物が手に入る場所があったということ。
もしや、行ったのは<発掘地形>と人間達が呼んでいる所でしょうか?
おっと、主様が戻られましたね。
「ふぅ。サッパリはしたが、それはそれで何かを失くした気分になるな。
先程までは八重の情欲塗れであった故に」
「まるで己のモノかのようにマーキングをしていましたものね。
あそこまで獣のように求められるなら、それはそれで女冥利に尽きるというものです。
それよりも主様、こちらを」
「指環? それも2つだと?」
「先程ズボンを片付けていたところ、ポケットの中から出てきました。
それにこちらの枝………これは簡易な魔法具ではありませんか?」
「ふむ…………異世界の魔法具か?
簡易的というよりはシンプルで無駄が無いと言うべきだな。
しかし、これがどうかしたか?」
「これらを合わせて考えると、おそらくですが異界探索者の言う<発掘地形>に行ったのではないかと思われます」
「<発掘地形>………ああ、<異界内異世界>か。
異界の中は多くの場所に繋がっておるが、その中には異世界に繋がっておる所もある。
つまり異世界から引きずり込んできた訳か。
通りで、こんな訳の分からぬ物を持っておるはずよ」
訳が分からぬと言いながら、主様は手の中の指環を弄っておられます。
あの指環2つに何かあったのでしょうか?
「私には呪い系統の何かと祝福系統の何かとしか分かりませんが、主様にはハッキリとお分かりに?」
「これはあまり難しい物ではない。
こちらの呪いの物は浮気防止だな。嵌めた者以外との性行為を禁ずる物であろう。
正しくは嵌めた者以外に対し、一切性欲を持たなくなくなるという物になる。
こちらの祝福は精力の回復を助ける物だ」
「………良い事なのですが、悉く精力と性欲に関わる物ばかりですね?
その割には枝の形の簡易魔法具ですし、持って帰ってきた物にまとまりがありません」
精力と性欲に関わる指環に魔法具。
本当に意味が分かりませんし、何の地形に行けばこの両方が手に入るのでしょう?
「まだ分からんが、地球に戻っていない以上は動画が出回ったりはせん。
八重が起きるまで待って、その後に話を聞、く?」
「あー、もうイヤ!! 少しここで休ませ、ええっ!?」
何故か女王が来ましたが、政務の多さというか、陳情の多さに逃げきたのでしょうね。
そして彼を見て固まっています。
「…………ちょっと、遂にやったの?
だったら私にもお願い!」
「やったかどうかと言われると、確かにやったのだがな………コレの影響だ」
「指環? が、どうかしたの?」
「分からんか。
これは嵌めた者の性欲を過剰に増大させる指環だ。
それによって八重は我を襲って来た。
それは良いのだが、暴走した結果だからな。
最高とまではいかなかった」
「それはそうでしょうけど、本人の性欲の増大でしょう?
となると混じりっ気なしの本人のものでしょうに」
「それはそうだが、暴走しての、だからな。
できれば暴走でない状態が望ましいのだ。
それ故に改良しようと思っている」
「それは良い事だけど………いえ、それは良い事ね。
向こうに影響力を強める事が出来そうだし、少子化とかいうのに効きそうだわ。
最近は訳の分からない法律とかを止めてるらしいし、これからは子供が増えそうなのよね」
つまり人口増加に寄与する道具の一つとして、指環を大々的に売り出すという事ですか。
これらの指環も祝福や呪いを理解していなければ作れませんからね。
向こうの者達には当分無理でしょう。
それまでに十分過ぎるほど売れそうですね。
なにより子供が増えるのは良い事ですし、余ったら虚界に連れてくればいいだけ。
中心地が大分異界に浸食されましたが、それでも土地は十二分に余っていますからねえ。
同胞も喜ぶでしょう。
「それで、いつ彼は起きるのかしら?
どうやら随分としたみたいだけど」
「確かに気絶しておるからな。
とはいえ流石は<精魂の雫>か、急速に精力が回復しておる。
その内に目を覚ますであろうから、まずはさっさと契約を終わらせろ。
それからだ」
「確かにそうね。
契約を済ませないと、せっかくの行為が無駄になっちゃうし」
女王はいそいそと彼に契約を施していきますが、主様が「ニヤニヤ」しておられますね。
まあ、魂が無防備になるのですから分かりますが、余程にお仲間が増えるのが嬉しいようで。




