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 Side:橘八重



 俺は今、異界の<発掘地形>に居る。

 そこで魔法が飛び出る枝を手に入れた俺は、飛んでいた家を撃ち落として現在に至るわけだが……


 「SG#R※O¥P!! O※ER※F※JI※!?

 T¥DF※VG¥! H※JF※DR!!!」


 いきなり小人みたいな髭モジャが現れて、意味不明な言語を喚き始めた。

 おそらくは家が落とされて激怒してるんだろうが、異界の中だしな。

 挙句に地球人類じゃないし、あんな小さい髭モジャなんて人類には居ない。

 まるで七人の小人みたいな見た目のヤツだ。


 「うん? 七人の小人?

 ………って事は、アレってもしかしてドワーフなのか?」


 「ER※S#FG※TH※J#!! T¥¥W※BRG※Q¥!!!

 E#RF#JU※Y¥E!? ##RV※GB#G¥¥T※RH※W!!!!」


 「なんかめっちゃキレてるなー。

 家が落とされたから当たり前だろうけど………って、何か向けて来た!!」


 俺が持ってる枝じゃなくて、棒のような物を向けて来たので慌てて横っ飛びで逃げた。

 すると……


 ヒュォォォォォォォォッ!!


 ドワーフが持つ棒の先から光の束が直進していくように飛んでいくが、あんなもの喰らったら一発で死ぬだろ!

 なんで急にやたら強いヤツのところに来たんだよ!!


 「クソッ! 殺られる前に殺ってやる!!」


 元々家を落とした俺が悪いんだろうが、黙って殺られるわけにはいかない。

 どのみちここは異界の中なんだし、俺が家を落とさなくても何かしてきていた可能性はある。

 だったら一緒だ。


 異界の中で会った者の大半は敵なんだし、戦って勝つしかない。

 それに騙して来るヤツも普通に居るんだし、これだってコミカルな敵だと思えば………いや、コミカルは無いわ。

 当たったら一撃死はコミカルとは言わない。


 ヒュォォォッ!!


 「音と怖さが合ってねえんだ、よっ!!」


 俺は枝に20SPを込めて撃った。

 ものの、ドワーフに当たる直前に霧散する。

 もしかしてドワーフって、何らかの防御機構を持ってるのか?


 「自分達で作った物なら、そりゃ対処もするわな! っと、あぶね!!」


 ヒュォッ!! ヒュォッ!! ヒュオッ!!


 「細かく連射してくるんじゃねえよ!!

 余計に危ないわ!!」


 細いレーザーみたいにして飛ばして来るが、レーザーよりは遅いので回避できている。

 それでも危険すぎるし、動かないと死ぬので危険すぎる。


 マジでこのままじゃ殺されるぞ。

 こうなったら……!


 「デウ・オスム・ディ・アオグ・ガ・ソレぐぁっ!?!??!」


 相手のレーザっぽいのが太ももを貫通したみたいだ。

 途端に足に力が入らなくなったが、ドワーフのニヤけた面が見えた瞬間、自分の中の何かが沸騰するのが分かった。


 「デウ・オスム・ディ・アオグ・ガ・ソレイ・テス・オルアグ!!

 死ね、クソドワーフ!!!」


 ゴォォォォォォォォッ!!!!


 「FG¥¥B##EHW%H%!!!

 Y#UTRG#%YH$&YHTG#%H!?!?!!?!?!」


 流石に【火炎嵐】の魔法は防げないのか、ドワーフは炎に巻き込まれて燃え尽き、そして消えていった。

 魔法を止めると、そこには燃えカスのような物と家の残骸が残っているだけとなっている。

 もしかしてだけど、やり過ぎたか?


 「太ももを撃ち抜かれたのがキッツいが、それでも歩けない訳じゃないな。

 相当に歩きにくいけど……」


 貫かれた太ももはやけど状態にでもなっているのか、血は全く出てきていない。

 代わりに猛烈な熱さと痛みを感じているが、帰ってエルトアリアさんに治してもらおう。

 救護所で治してもらうと、多分怒られるだろうし。


 俺は家の残骸などに近づいて調べるが、碌な物が残っていなかった。

 というより、家の中は普通の物ばかりだったんだと思われる。

 ドワーフが持っていた棒だけが戦利品だったかね?

 そうは思うも【火炎嵐】で消し炭レベルな以上、どうにもならな、あれ?


 「コレもARに表示されてるな?

 指環みたいだけど………どんな効果があるんだ?」


 俺は3つほど散らばっていた指環を手に入れ、その中の一つを嵌めてみた。

 普通は危険なんだが、この時の俺はバカだったんだろう。

 気づくのが遅かった。


 「いやいや、いきなり訳の分からない指環を嵌めるのは駄目だろう。

 これ、「ドクン!」……なん、だ?」


 ドクンドクンドクンドクン…………!!!


 猛烈な速さで心臓が強く脈動を開始し始めた。

 激しく嫌な予感を覚えた俺は、すぐに外へと脱出する為ARから<帰還転移>を選択。

 一応指環はポケットに、そして枝と金属バットは右手で握り締めている。


 情けないが、エルトアリアさんに助けてもらえばなんとか………



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:エルトアリア



 「む? また八重が何かピンチに陥(おちい)ってますね。

 相当に焦っている感情と苦しさと痛みですか………訳の分からない事に巻き込まれすぎでしょう。

 ルヲンヌ」


 私は八重の状態を把握した為、すぐに転移。

 すると彼はまたもや異界の入り口で倒れています。

 ただし今回は意識があるようですので、特に今すぐの危険は無いでしょう。


 「どうしたのですか?

 貴方は異界に行く度に何かに巻き込まれていますね?

 流石に少々大人しくしていた方がいいと思いますよ」


 「すみ、ま、せん。

 でも、体がおかし、心臓が……!」


 彼が胸を押さえて苦しそうにしています。

 いったい何があったのでしょうか?

 まあ、治療すれば問題ないでしょう。


 「カムトアル・ディコス・ヴェルアーラ。

 これで問題ないでしょう。いったい何があったか………」


 「ぐぅ………! あ、足は治ったけど、こ、コレは治らないか……」


 「どういう事です? 私が治療に失敗するなどあり得ません。

 となると、怪我ではない?」


 「こ、この指環、異界の、中で見つけ、着けたら、し、心臓が……!!」


 「なんで安全かどうかも分からない指環などを着けるのですか!?

 仕方ありませんね、一旦屋敷のベッドで寝かせてから解析するしかありませんか。ルヲンヌ」


 私は彼をアロハヌス家の地下にある、私の寝室へと転移させました。

 それにしても、どんな効果があるか分からない指環を嵌めるなど何を考えているのか。

 まずはそれを調べる必要がありますね。


 「指環ですから指に嵌めているのでしょうし、っとコレですね。

 ……………ふむ。

 呪いは無しで、毒物でもありませんか。

 ならいったい何に………いえ、コレはまさか」


 「ぐぅぅ…………うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」


 もはや完全に暴走していると言わんばかりの八重が、私に襲い掛かってきました。

 しかし私は一切の抵抗をしません。

 何故なら八重が着けている指環は性欲を過剰に増幅するという指環だったからです。

 つまり彼が何をしようとしているのか分かる為、私は抵抗をする必要が無いのですね。


 ドサッ! ビリビリビリビリビリ!!


 「おおっ!

 暴走しているから力強いですし、地球製の物とはいえ破られるとは思いませんでしたよ。

 このままだと私は暴走したオスに食べられてしまいますね?」


 八重の精神が私というメスを犯すという思いで塗り潰されているのが分かります。


 いやー、良いですね。

 オスからこうも激しく求められるのは、メスの冥利に尽きるというものでしょう。

 一皮むけば人間も悪魔も変わらないのですし。


 たとえ指環で暴走していると言っても、現在の性欲は紛れもない八重の性欲そのものです。

 あくまでも増幅されたに過ぎません。

 そして増幅されたからこそ、強固な理性の壁を打ち破れたとも言えます。


 それではじっくり堪能してくださいね?

 私もじっくりと堪能させて頂きますので。


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