第25話『漏れてしまった…』
「ありがとうございましたー!」
丁度そのタイミングでユルザの接客が終わったようだった。
お客さんを見送った後瞬時に二人の方を見た。
「どう?いいのあった?」
カウンターから近寄って来るユルザ。
「いや、まだ…」
「聞いてくださいよ!」
「ソーンのやつこんなにいっぱいいい武器があるのに、全然決めないんですよ!」
ルドルが選んだ三つの剣を指して言う。
「また凄い三つを選びましたねー!」
「ですよね!流石!幼馴染の店員さん!」
「ユルザでいいですよ!あと敬語もなしで!」
「あ、はい!いや、分かった!」
「でもルドルさん」
「この武器三つの剣は“ウチで作った”武器じゃないのよ」
(確かにここまで装飾寄りと言うか、変わったものは作ってなかったよな…)
「だからソーンが気に入らなかったのかもしれない」
「ちぇー、こんなにカッコいいのに…」
「でも私もそう思うよ!変なものを売ってるつもりはないからね!」
すかさずフォロー。
お客さんの気持ちと店の商品を同時にすくい上げる。
「そうだよな!こんな武器があるなら俺も剣士目指しちゃおうかなー!」
「あら!今は剣士じゃないの?」
「おう!俺は拳闘士だ!」
拳を握り構えてみせる。
「拳闘士だったの!」
「そしたらカッコいいグローブとか、拳闘士用の装備品もあるから!」
「本当か!どこだどこだ!?」
「二つ隣の棚のところよ!」
「ソーン!ちょっと見てくるぜ!いい武器選べよー!」
「お、おう!」
(凄いな…)
(一言でルドルの気持ちを上げて、別の商品へと誘導…)
(接客レベルが上がってる…)
「ふぅー。とは言えこれらじゃあソーンにはちょっとねぇ…」
「ハハ…まぁな…」
バツが悪く頬を掻く。
「それでソーンの言う普通ってどんなイメージ?」
「アンタは人に勧められるより自分で選んだほうがいいでしょ?」
紙とペンを出す。
「そうだな。分かってらっしゃる」
(俺の求める武器…)
ーーー
・耐久性に優れていること
・誰でも扱えて強そうでないこと(特殊な武器はNG)
・剣(刃がついてれば問題ない)
・持ち運びが出来るもの(大きすぎる物はNG)
ーーー
「まぁ、こんなもんかな?」
「いや、大体それだから!!」
ビシッ!
ユルザの鋭いツッコミが入る。
「重要なところは耐久性くらいね…」
「でもオヤジさん達が作ったものならほとんど頑丈だろ?」
「んー、まぁそうだけど…」
「別に戦いに使うわけでもないしさ」
「早く辞めたいんだもんねぇ〜」
「「う〜ん」」
二人して悩む。
!!?
二人は顔を見合わせた。
ポロッと本音を口に出してしまった。
(しまった…)
つい、幼馴染との時間でときが戻ったような感覚に陥ってしまった。
ここにはパーティーの一人ルドルが居ることを忘れて。
二人は恐る恐るルドルのいる方向を見る。
ルドルが真面目な顔でソーンを見ていた。
「…ソーン」




