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モモンガ・リリの変なレンジャー魔法  作者: HILLA
サンリカ国 ウスリー・コモウェルの街
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54.優しい人達には幸あれ

「あーもー! 話が噛み合わねぇ! フェレル。モモンガを調べて、この分からず屋の目を覚まさせるぞ」


さっきからハゲを説得というか、何が悪かったかを説いていた、あの顔が濃くて艶っぽい……おじさんか? まだお兄さんかな?


あの人も誰だろうか? 大人の色気があるから、人気がありそうな見た目だな。イケオジと呼ばせてもらおう。若かったらごめん。


「そうですね。そうしましょう」


フェレルさんが私を掴もうと手を伸ばしてきたので、『ジコジコ』と睨みながら鳴いた。


私はルカくんから離れないぞ。私を調べたいのなら、その、えっと、よく分からないけど、調べられる物を持ってこい。


「リリ、板に手を乗せるだけだよ。おいで」


『ジージー』


「んー、まぁ、そうなるよね。ルカラウカ、リリを手の上に乗せられるかい?」


フェレルさんが、泣き止みそうなルカくんの鼻にハンカチを押し当てた。


「ゃっでみる」


ルカくんの手になら乗るよ。だから、先に鼻をかもうね。


うんうん、上手だよ。息が苦しくなくなってよかったね。


「リリ、調べよう」


差し出された手の上に乗ると、ずっとルカくんの側で座っていたクリ目の女性が吹き出した。肩を揺らして笑っている。


落ち込んだフェレルさんのことが面白かったのかな?


ルカくんが泣いていなかったら、しゃーなしに掴まれてあげていたけどね。今はルカくんより優先しないといけないものはないからさ。フェレルさんには諦めてもらうしかなかったんだよね。


ルカくんが腕を上げてくれて見えた机の上に、透明の板が置かれていた。たぶんあれが調べられる石なんだろう。入国時の板とそっくりだ。


飛び移ってみるかどうか考えていたら、急に板が遠のいていった。


キョロキョロして周りを確認すると、悲しそうな顔でルカくんを見下ろしていたガタイのいい男性が、ルカくんを持ち上げていた。


ルカくんが伸ばしていた腕を戻したので、板はまた目の前にある。


「リリ、板に手をつけるの。できる?」


もちろん、できるよ。当たり前田さんはいい人だよ。


でもね、手だけ伸ばしたら「あのモモンガ、言葉分かってないか?」ってなるからね。ここはやっぱり華麗なジャンプ一択だな。


トゥ!


って、調べても大丈夫なのかな? レンジャー魔法って表示されたら、どうなるんだろ? ダメじゃない? ジャンプしちゃったよ。


板の上に着地し、両手両足が着いた瞬間、板が淡く光った。


この板もピリッとするの!? ビックリして、ルカくんの手の上に戻っちゃったよ。


板の光がなくなると、白い文字が浮かび上がってきた。


「ほへー」と呆けてしまったけど、誰にもバレていないはずだ。きっと大丈夫。みんな、文字に注目していたはず。


毛繕いして誤魔化しとこ。


色んな所から深い息が吐き出されている中、ハゲが透明の板に「転けたの?」と思うようなスピードで近付いた。


板スレスレに顔を寄せているから、本当に躓いたのかもしれない。ドジめ。


板の前に居たルカくんは、ガタイがいい男性がサッと移動させてくれたので無事である。


兄ちゃんもいい人っぽいね。幸あれ。


「嘘だ! このマズーラは壊れている!」


「いい加減にしろよ、ギルマス。モモンガだ。動物だ。魔力も属性魔法もゼロのZに決まっているだろ。マズーラは壊れていない。壊れているとしたらギルマスの頭の中だ」


おっ! イケオジはいい事を言うね。


そうそう。そのハゲ、外も中もつるつるなのよ。子供を泣かせる奴の脳みそに皺はないのよ。一度頭カチ割って調べてみる? 絶対私の予想合っていると思うよ。


って、これ以上ハゲの悪口を言って心を汚す必要ないわ。ハゲに対して、もう無になろう。イケオジには幸あれ。


「違う! 間違っている! 絶対にそいつらだ!」


「あー、もう、この事はレーブルに報告する。フェレル達の調査結果も合わせてだ。その様子じゃ監視とかもしてたんだろ。職員達からも報告書を上げてもらう。だから、後はギルマスとレーブルとで話し合ってくれ。レーブルがフェレル達を黒と判断したら然るべき措置が取られる。それでいいな」


大事になっていくぅ。


まぁ、もう何でもいいけどね。よく分かんないけど、私は動物で、魔力も無ければ、魔法も使えないんでしょ。報告されたところで痛くも痒くもないからね。思う存分、上司に報告しちゃってください。


ハゲは大目玉くらえばいい。ただその前に、今日の夜に死ぬほど後悔するんだけどね。


ふっふっふっふ。レンジャーの皆さんも悪どい笑みを浮かべていらっしゃる。ルカくんを泣かせた罪を与えてやりましょうねぇ。


「フェレル、ルカラウカを連れ帰ってやれ」


「はい、すみません。ありがとうございます」


ルカくんは、軽く頭を下げるフェレルさんを見てから、腰を折った。私はまだ手のひらの上だからね。問題ないよ。


「助けてくれて、ありがとうございました。後、上げてくれてありがとう」


ルカくーん、いい子だねぇ。お礼をきちんと伝えられるって大切なことだからね。できるルカくんは偉いよ。


イケオジ達も表情緩めて、嬉しそうに微笑んでいるね。


あんた達、やっぱいい人達なんだね。庇ってくれたり、助けてくれたりしてくれてありがとうね。どうしようもないことがあったら相談してね。恩返しするよ。


私はルカくんの肩に移動し、フェレルさんはルカくんと手を繋いだ。


フェレルさんが片手を不自由にするなんて、泣いていたルカくんへの配慮だろうか。


いいぞ、フェレルさん。花丸をあげよう。そして、今日一日みんなで遊ぶことを選んでくれたら、追加でもう1個あげるよ。


だから、今日はルカくんが笑って「頬が痛い」って言うまで、一緒にバカ騒ぎするぞ。眠る時に「今日は笑い疲れたね」って言い合える日にするためにね。私は頑張るよ。






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