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モモンガ・リリの変なレンジャー魔法  作者: HILLA
サンリカ国 ウスリー・コモウェルの街
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53.後悔させてやる

んー、なんかお腹が冷たいな。気のせいかな。周りも五月蝿いような気がするし、寝惚けて——


『(起きなさい!)』


はい! ピンクさん! 起きます!


シャキッと体を起こすと、色んな人の声が聞こえてきた。その中で、「何回もってなんだ? あんた、一体何をしたんだ?」という怒り声が、やけに耳に届いた。


あれ? ピンクさん? いない? ん? 頭に何か……雨?


「リリ、起こしちゃった……ぐす……ごめんね……」


え? は? え? なんでルカくん泣いてるの? 何があったの?


フェレルさんは困り果てたように目元を手で覆ったし、クリ目の可愛い女性が斜め上を睨んでいらっしゃる。


あなたは誰? ここはどこ? 私が寝ている間に何があったの?


『(リリ、こいつ殴るぞ。蹴るからな)』


レッドさん、こいつって誰のこ……って、ルカくんを泣かせた奴がそこにいるのか!? 私も引っ掻いてやる!


でも今はそれよりも、先にルカくんの涙を止めなければ!


帽子を持っているルカくんの手から腕を伝って、ルカくんの肩に乗った。体も尻尾もルカくんの涙を拭くように、頬に擦り付ける。


「リリ、濡れちゃうね……濡れちゃうとダメだもんね……泣きやむね……泣きやむ……」


ルカくん、本当に何があったの? 私がそいつを苦しめてあげるよ。だから、言ってみて。死にたいと思うほどの痛みを、そいつに与えてみせるからね。


『(ギルド長あるよ)』


ルカくんの涙を体で拭きながら、大きな声が聞こえる方に顔を向けると、確かに頭のハゲだけが見える。レンジャーの皆さんの後ろ姿で顔が見えないので、至近距離でメンチを切られているのだろう。


ハゲの側でロントさんが震えているからね。相当怖い顔をしていらっしゃるようだ。


皆さん、怒っているところ申し訳ありませんが、詳細をお願いします。


『(仕方がないわね)』


グリーンさんが怒りを滲ませた強めの口調で、昨日の出来事を怪しんだハゲによって、ルカくんと私の魔力を検査することになり、ルカくんが何事もなく終わってしまったから「モモンガだろ」と私を取り上げようとしたと教えてくれた。


あのハゲ、マジで八つ裂きにしてくれるわ。大人が子供を怖がらせるって、どういう了見だ。ああん?


『(リリ、今から蹴るぞ)』


待ってください、レッドさん。私にいい考えがあります。今は何もせずに放っておいてください。


『(嫌だ! ルカを泣かせた! 殴っていい!)』


はい、許します。しかし、今ではありません。


ブルーさん、左右反転させる魔法とかありますか? 右に行きたいのに左に行ってしまうみたいな。


『(可能じゃ)』


では、帰宅しようとした所を狙って、その魔法をかけてください。時間は10分でいいです。


魔法が解けたら、レッドさんはコモウェルの人達を転ばせたように、何回も転ばせるんです。家に着くまでにボロボロになればいいんです。


そして、やっと家に着いても、グリーンさんの防御魔法で鍵を開けられなくするんです。これも10分でいいです。


ここからは、ピンクさんとイエローさんには心苦しい案になり、可能ならのことになります。


ピンクさんには、ハゲの家を汚くしてほしいんです。滅入っている状態で家に帰って、ぐちゃぐちゃで埃があったら意気消沈するはずですから。コーヒーやケチャップ、焼き肉のたれのシミもあれば、膝から崩れ落ちますよ。


最後にイエローさんですが、食材を全て不味くしておいてほしいんです。


ふっふっふっふっふ。神に祈るでしょうね。助けてくださいって。


どうしてこうなったって考えて、ルカくんを泣かせたからって悔い改めればいいわ! 不幸の連続に打ちひしがれやがれ!


『(あらあら、できるかしら。でも、してみるわね。発狂しそうなほど荒らしてみせるわ)』


『(あっちもしたことないけど、してみるあるね。腐らせるのはダメあるが、不味くなら問題ないあるよ)』


『(ピンクもイエローも絶対できるわよ。私達、リリの魔法なのよ。リリがここまで強く思ったんだもの。可能でしょ)』


そういうものでしょうか? お二方共、名人って入力したような気はしますが……うーん、極めるって両方知っていないと無理って解釈すると出来そうな気がしてきてな。うん、成功間違いないな。


ふっ。完璧な計画を立ててしまった自分の才能が怖いぜ。


ルカくんの涙も止まってきたね。大丈夫だよ、ルカくん。私は取り上げられることはないし、あのハゲは後悔することになるからね。






先週は気付いたら木曜日が過ぎていました。

本当に申し訳ございませんでした。

以後、気をつけます。


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